慣用句誤用いろいろ
さて、先週末の日経紙には「慣用句誤用が定着」と題して、文化庁の昨年度の国語に関する世論調査で本来とは違う意味で慣用句が使われたり、表記も間違っている使われ方をしているケースが多数に上ることが明らかにされた旨が載っていた。
冒頭では「存亡の危機」や「足元をすくわれる」など間違いが例として挙げられていたが、これ以外でも日経に出ていなかったものの我々がウッカリ使ってしまっているであろう間違ったモノには、「雪辱を晴らす」、「的を得た〜」、「采配を振るう」、「押しも押されぬ」、「きめ細やか」、「二の舞を踏む」等々挙げたらキリがない。
上記のような表記に限らず本来とは違う意味で使いやすいモノでは、物事の本質をとらえた鋭い見方の意味である「うがった見方をする」など否定的に使われケースが多く、主張を人々に知らせ動意を求める意味である「檄を飛ばす」など、激励という誤用がもはや定着してしまった感があるモノもある。
こんな事を書いている私も、これまでの当欄をさかのぼってザッと読んでみれば誤用が見つかるのは間違いないであろうが、誤用をわざわざ指摘するのも躊躇われ逆に指摘されるのもなかなか恥ずかしいだけに日頃よりウッカリ誤用などという事の無いよう気を付けたいものだ。