231ページ目   雑記

今年の総会

上場企業の3月期決算の株主総会も先週で漸くピークが過ぎたといったところだが、今年はコーポレートガバナンス・コード導入2年目となり各社も其れなりに体制整備が進展してきた。株主の要求レベルもこれによって変わってきているだけにやはりROEなどに視点が向かうパターンが増えてきている。

実際のところ総会では不祥事企業を起こした企業へは当然の厳しい声が今年もまた相次いだが、その様はやはりシャンシャン総会全盛の頃の所謂厳しい追及とは光景も可也違ったものになってきた感がする。そういった一昔前の茶番が消えた分、いい意味で反対票も急増という流れなどは自然なところだろうか。

当欄ではちょうど一年前の総会の時期に「今年のコーポレートガバナンス元年が、双方の距離を縮め好循環の起点となるのかどうか大いに期待したいところである。」と書いていたが、徐々にその効果は浸透してきているだろう。今後も改善途上のROE絡め手元資金の有効活用など対話の重要性が試されるところ。


創業家彼是

さて今週は石油限売りで国内2位の出光興産の創業家が、来年4月に予定している同5位の昭和シェル石油との合併に反対を表明する事態となった事が報じられている。所謂「社風の違い」がネックになったというところだが、株主総会日に反対を表明するという異例の事態になった。

しかし最近のニュースでは上場企業の重要案件にこうして創業家が絡むケースが多い。いまだ揉めている大戸屋ホールディングスも役員人事を巡って創業者一族が株主総会を前に経営陣に噛みついたのが記憶に新しいが、昨日の大手紙全面広告が一際目立った匠大塚や大塚家具にしてもいまだ世間の関心を集めている。

これら兎も角も上記の統合が白紙になれば経産省の国の資源エネルギー政策を睨んだ再編青写真は見直しを余儀なくされるという事になって来るが、まさにEU離脱で再度の憂き目に遭っている原油価格に需要減と併せ三重苦の構図を今後どういったシナリオで切り抜けてゆくのかこの辺が注目される。


EU試練

周知の通り先週は英国のEUからの離脱を問う国民投票があり、その開票結果は離脱支持が全体の過半数を占めて離脱が決定、下馬評では残留ムードで一致していただけにサプライズとなったが実にEU加盟国の離脱は初めての出来事で、同時に残留を説いてきた英首相が辞任表明するなどその日のうちに大きく動揺が広がった。

大きな動揺を見せたのはやはりマーケットも然りで、FXを展開している証券会社など事前に損失シミュレーションを書いた注意喚起メールが何度も来ていたが、果たして当の英通貨ポンドは対ドルで31年ぶりの安値に沈み、比較的低リスク通貨とされる円は対他通貨で急騰とかつて何度か見た光景が再度蘇った。

寄り直後から逐一の報に一喜一憂していた株式市場も昼から下げが加速し結局1,286.33円安と16年ぶりの下げ幅を記録。225がこうなると凄いのはオプション市場で例えばディープアウトの11,000Pは寄り付き直後の2円の安値から、昼前には29円と約15倍にまで暴騰、これを始めとしここから13,000Pまで何れも寄り付き直後の安値から10倍以上の暴騰を演じることとなった。

しかし個別の投資関係はこんな感じとしても、今度どうなる世界情勢。本邦も企業など練り直し始めアベノミクスには向かい風となるのは想像に難くないが、英に限らず他国もこの手の素地がありポピュリズムとどう向き合ってゆくのかも今後の課題となってくるだろうか。


LV-exhibition

さて春先から案内を頂いていたものの、なかなか行くタイミングを逃していた紀尾井町で開催されていた「空へ、海へ、彼方へー旅するルイ・ヴィトン」展へ、過日ちょうど永田町で所用があった事からそのついでに行ってきた。

紀尾井坂を上りきったところに突如として現れる会場だが、エントランスを抜けると創業者の肖像画から初代のトランクなどクラシックな雰囲気でスタート、茶道具入れから果ては自由民権運動指導者であった板垣退助氏が購入した名入りのトランクなどまるで美術館の世界が広がる。

路は冒険、ヨット、空、列車などシーン別に展開され100年以上前の逸品が目白押しであったが、新しいところでも現代美術科・村上隆氏などコラボしたモノや、その後の芸術家・草間彌生氏とのコラボ作品など日本人勢とのコラボも話題を呼んだのを思い出す。

新旧入交じりの構成ながらスティーマーバッグやシャンパン入れだったノエ、キーポルなど何れもこれらがベースとなっている物が現在の定番地位を確立しており、モデルのみならず柄一つ取っても既に約120年以上前に登場していたダミエ柄や、モノグラム柄然りでブランド確立とはどういうものつくづく考えさせられた展であった。


夜の規制緩和

さて明日からというか深夜からは改正風営法の施行によって、音楽に合せて客がダンスを踊る方の「クラブ」営業の規制が緩和されダンスホールなど対象から外し、店内の明るさや営業時間に応じ一定の条件で深夜営業が認められることになる。

確かこの手の絡みで当欄にて以前に触れたのはちょうど二年前くらいで当時は政府の規制改革会議の提言であったと記憶するが、あれから二年での改正となった。それまでは風営法の付き合い方も二号から企画系の五号へと流れていたものだったが、その後は三号に絡んでも大阪で無罪になった例も出ていた。

とはいえ、今から3年前の六本木の大箱「VANITY」の摘発事件などクラブ狩り?が激化していた頃が記憶に新しい。既にこの前日に閉店した西麻布の「イレブン」や「alife」、それに「Vanilla」等々消えていった名店は多いが、規制緩和で今後のクラブもそのナリが変遷するのかどうか興味深い。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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