233ページ目   雑記

ツイッター大統領就任

周知の通り先週末に米国の第45代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が就任した。泡沫候補扱いの同氏が大統領になってしまったのも既報の通り大番狂わせであったが、政府系職務経験無しや史上最高齢、支持率の低さ等々そのキャリア、私生活等全てが異端づくしのスタートとなる。

こんなトランプ氏勝利で先行きが不透明と感じていた消費者にとってサプライズだったのは株高で、高額品の売れ行きに活気が戻り始めるなど消費マインドに微妙な変化も生まれている旨が先週末の日経MJに載っていた。年末に高島屋ウォッチメゾンの難波店オープンを当欄で取り上げたが、日本橋店でも12月は売上高が前年同期比プラスへと転換し今月も前年比を上回るペースだという。

斯様に株高で富裕層消費は底堅いものの、一方で中間層の回復は厳しく消費の二極化の構図はなかなか変わり辛いようだ。マーケットも何所までトランプ効果が続くかというところだが、外交の孤立主義や通商では保護主義の色が濃い。上記の末端部分はもとより内向きに傾斜する政策がこれからどう舵取りされてゆくのだろうかと世界が懸念する中での船出となる。


あの絵を思い出した週

さて、今週は週明けの日経紙文化面・絵の中のわたしにて詩人の小池昌代氏がジョージア・オキーフの絵を取り上げていたのが目に留まった。ジョージア・オキーフは私の好きな画家のひとりで、やはりエミール・ガレや若冲然りで個人的に好きな作品が取り上げられていると嫌でも目に付く。

当欄ではこのジョージア・オキーフを11年前の2006年に一度、翌2007年にも一度取り上げているが、オキーフの特徴として作品で挙げればベラドンナ、紫のペチュニア、赤いカンナ、青の朝顔などなど画面いっぱいに拡大して花などを描くスタイルで、私は初めて彼女を知る事になった「ピンクの背景の2本のカラー」の出逢いが脳裏に焼き付いて離れない。

薔薇画で有名なルドゥーテのような精密技法を持ちつつ「白薔薇」にみられるような抽象感を描く神秘性や、なんといっても私がツボなのは上記の「ピンクの背景の2本のカラー」のようにガレ同様に植物であってそれが動物のようにも感じられる温度感というか溶けるような艶かしさが刺さる点である。

私が日本でジョージア・オキーフの作品を観たのはかれこれ今から20年以上前の93年の秋に横浜美術館で開催された企画展「アメリカン&モダン展」であったが、いつしかサンタフェにあるオキーフ美術館にも足を運んでみたいものである。


今年のダボス会議

昨日からスイス・ダボスにて世界経済フォーラム年次会合、所謂ダボス会議が行われ昨年のポプュリズム台頭の背景から今年のメインテーマはリーダーシップとは何かとなっているが、今年は中国の習近平国家主席が中国トップとしてはじめてダボス会議に参加している。

注目された同氏だが、明確に保護主義を反対する姿勢を表明しトランプ次期大統領の保護主義的な政策を念頭に「貿易戦争では共倒れになる」と警告、自由貿易の重要性を主張した旨が本日の日経紙国際面にも載っていた。

この辺に絡んでは年明けに政治リスクの調査会社ユーラシアグループが今年の世界の十大リスクを発表しているが、挙げた二番目には「中国の激しい対応」とある。中国は秋の党大会を経て同氏は二期目に入るが執行部人事では最高指導部が大幅に入れ替わる予定となっているが、はたして今年のリスクの震源地になるのか否か今後も目が離せない。


存在感

昨日は日銀によるETF買い入れの官製相場について触れたが、本日の日経紙マーケット面には「ETF、個人が売り越し」と題して、16日に東証が発表した先月のETFの投資部門別売買動向で個人投資家が3ヵ月連続で売り越しとなり、その売り越し額は昨年7月以来の大きさとの旨が載っていた。

ETFといえば日銀の買い入れ枠倍増による増加はもとより個人もレバレッジ型人気も加速しており、東京市場の純資産残高は売買代金と共に先月に初めて20兆円を超えて公募投資信託残高の2割を占めるまでに至るなどその存在感は急速に高まってきている。

レバ系やインバース、コモディティ系など短期志向のモノも人気が高まってきているが、先物との組み合わせ等選択肢の広がりも目覚ましい。日銀がETF買い入れ倍増を打ち出したころ東証では100万人超の保有者増加目標を掲げていたが、リクイディティーが安定してきている商品も順次拡大しつつありその日も近いか。


官製ETF

本日の日経紙・エコノフォーカスには「円・株 弱〜い連動」と題して、これまで約10年の間足並みを揃えるように動いてきた円相場と株価の連動がにわかに弱まってきている旨が載っていた。これを生み出した要因としてやはり需給面から日銀によるETF買いも挙げられていた。

周知の通り日銀は昨年夏にETFの購入額を約2倍の年間6兆円へと増額させ、株安の要所要所で買い入れ支えてきた経緯があるがこの辺から相関性が薄れてきたのは否めないところ。同時にこの辺から日銀トレードなるモノも横行し、日銀保有比率が高い銘柄群も公表されるようになってきたが企業統治の絡みでもいろいろと物議を醸し出している。

また高寄与度銘柄の浮動玉の吸い上げはリクイディティーにも変化をもたらし、更に上記の日銀トレードに絡み短期筋の裁定が更にNT倍率の歪みにも拍車をかける等々弊害も表面化してきた。今後も保有比率の高まりは想像に難くないが、金融緩和のイグジットを見据えた場合売却等どういった着地にもってゆくのかこの辺はまだ未知数である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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