235ページ目   雑記

SSとCGの形骸化

さて、先週末の日経紙社説には「型より実質が問われる東芝の統治改革」と題して、会計不祥事を起こした東芝がコーポレートガバナンス等の改善状況を東証に報告した旨が載っていた。おもえば2014年のスチュワードシップコードに続きコーポレートガバナンスコードも適用され1年以上が経過、今や多くの企業がコードの諸原則順守を心掛けている。

この二つのコード始動と時を同じくして暫く鳴りを潜めていた村上ファンドなどが久し振りに再活動をみせたのも記憶に新しいが、肝心の企業側が何所もこれを掲げIRに勤しんでいるもののそれらの順守に関する説明が当初から比べると横並びになってきている点は否めない感がする。

冒頭の東芝なども文中にあった通り、いち早く社外取締役が経営監視する体制に移行するなど統治改革の先頭集団を走る会社として市場から評価を得ていたものの、結果は粉飾発覚から特設注意市場ポストに入れられ一年以上経った今も出られぬ憂き目に遭っている。斯様に形骸化が目立つ昨今だが、一方で株価など正直にそれらを映す部分もありもう一度原点回帰で張りぼて構図の再考も求められようか。


ざる法ファンド

さて、本日発売の「週刊新潮」ではクエストキャピタルマネージメントなる都内の投資コンサルタント会社が、運用実態のないファンドに計113億円超の出資をさせていたとして運営会社社長らが逮捕された事件において、騙された向きに格付けチェック連勝記録の有名芸能人やジャスダック上場企業まで嵌められていた事が書かれていた。

証券取引等監視委員会によれば、同ファンドはいずれも適格機関投資家からの出資を受けておらず、当該取得勧誘は金商法に規定する特例業務要件を充足していないとされている。もともとベンチャー企業等への投資を活性化する狙いで金商法施行と同時に導入されるも、通常と異なり届け出だけで運用できるために問題業者等の割合が増加してきた経緯がある。

この辺を鑑み改正金商法では投資被害を防ぐ為に個人出資には1億円以上の金融資産を持つ事などを条件にしていたが、これが逆に災い上記のような客層も嵌められたという構図か。定期的に事件化し一向に無くならないこの手の案件だが、それもそのはず昨年金融庁に届け出のあったモノのうち問題業者と思われるモノは20%を超えるという。ざる法にならぬよう法整備は焦眉の急か。


取り敢えずプット

本日の日経紙マーケット面には「株 売る権利 取引活発」と題して重要日程を前に長期金利や為替の動きが不安定になり、株式市場では15,500円Pの売買高が今週に入って1日あたり平均で2,493枚と前週のほぼ2倍に膨らむなど株価の下落に備える動きが強まっている旨が載っていた。

ここではプットとコールの総建玉から算出したPCR(プット・コール・レシオ)が昨日は1.21と、4月以来約5ヶ月ぶりの弱気水準となった旨が出ていたが、週末の米VIX指数も前日比40%近い急騰を演じ週明けの日経VIも前日比17%超の上昇と6月のブレグジットの時以来の久し振りの動意のような気もする。

思えばこの時のオプション市場もディープアウトの11,000Pから13,000Pあたりまで何れもプットが寄りから10倍化を示現するなどしていた事で、この辺の覚えから需要も増してきたのだろうが、セルボラ一辺倒からこうした獲りに行くような内部のザワつきがしばしばみられるようになったのはやはり確証感の無い不安の裏返しなのか。


ワールドウォッチ2016

さて、今年の三越ワールドウォッチフェアが終了して二週間が経つが、部屋の片隅にあった同展のカタログを見つけあらためてパラパラと捲った。今年も50ブランド3000点と謳っていたものの、訪れたのが平日という事も関係していたのかはたまた円高に伴う訪日客消費の低迷もあったのか心なしか会場は閑散としていた感があった。

とはいえ、今年もバックス&ストラウスの億の桁が並ぶ世界一点モノの「ピカデリープリンセスロイヤルエメラルドグリーン」などお約束の目の保養は健在であった。このシリーズでは今から2年前の同フェアで観た「ピカデリープリンセスロイヤルカラー」が記憶に新しいが、ロイヤルカラーが緑一色になるのもまた圧巻であった。

ところで先にハイブランドの値下げで取り上げたカルティエなども中心にブースを構えていたが、此処はリシュモンの利益の三分の二を稼ぎ出すものの、宝飾部門とは対照的に腕時計部門は不振という。その依存性から上記の爆買い低迷も主因だろうが、ブラッシュアップ以外にも円高による値下げで消費者呼び込みの契機を探るといったところか。


顧客プレス

さて、今週初めの日経MJ紙一面には「日々しまパト、チープ楽しむ」と題して、しまむらの店舗を定期的に巡り、高級ブランド品などによく似た安い商品を探し出しインスタ等にアップする女性などの様子が取り上げられていた。

ここではルイ・ヴィトンのヴェルニ風を始めとして、エルメスのバーキン風バッグ等ハイブランド系が挙げられていたが、この手もかつてダイアンファステンバーグのラップドレスやルブタンの偽物騒動全盛の頃を思えば今はフランク・ミューラーまで知財高裁で跳ねられるなど随分と緩くなってきたように感じる。

同紙には意匠権が切れた名作家具などの形状をまねて復刻したジェネリック家具の事も載っていたが、しまむらといえば「シマラー」なる造語がかつてあったものの、こうした類とこの「しまパト」は可也ニュアンスが違う感じ。コスパ世代が勝手にプレスしてくれるいい時代になったともいえるが、冒頭で取り上げられていたハリスツイード始め其の前提としてやはりヒットの是非に賭ける企業側の決断如何が背景にあるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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