254ページ目   雑記

同時多発地震

このたびの熊本地震関連で被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます・

周知の通り連日にわたって新聞の一面を賑せている熊本地震だが、なお予断を許さない状況が継続している。気象庁は本震の前日に今後3日間に震度6弱以上の余震発生確率は20%としていたが、16日の地震でこれが本震との見解を示し一転して今後1週間程度、最大震度6弱以上の地震が起きる可能性があるとしている。

マーケットではこの手ではお約束の若築建や不動建当の低位建設セクターが急騰し、日本鋳鉄管や地質地盤調査の地盤ネットがストップ高となる一方で東京海上をはじめとする大手損保株が急落とお決まりの明暗を見せているが、産業界も再度の試練に見舞われるなか投資家心理の冷え込みは否めない。

M6クラスの直下型地震の後、規模が上回る本震が起きたのは観測開始以来初のケースと気象庁も上記の通り困惑極めているが、活断層など把握していても備えがなお不十分であることが浮き彫りになった。斯様に東日本大震災から5年でこの惨状を見るに改めて我々は地震国の脅威を思い知らされたが、一刻も早い復旧が待たれる。


パナマ文書

さて、パナマの法律事務所から流出した所謂「パナマ文書」が暴露されて世界で波紋が広がっている。既にアイスランド首相が辞任に追い込まれ、課税逃れを厳しく追及してきた英首相も自らの投資に絡み苦しい立場になるなどしているが、他にも多くの政治指導者が名を連ねており今後第三者機関などによる検証等何所まで公に晒されるのか興味深い。

この中には中国国家主席らの親族のモノもあったといい、やはりというかインターネット閲覧は早速規制され、書き込みも削除、問題を伝えたニュース番組は画面が真っ黒になって数分間中断されたという。この辺も相変わらずの闇を垣間見た気がするが、反腐敗運動の最中だけに国民世論から求心力への影響等これまた気になる。

ともあれ2013年のスノーデン氏によるアメリカの情報収集活動暴露や、更にその前のウィキリークスによるアメリカの外交公電のリークを超える過去最大規模といわれているだけに、上記の通り政治指導者含む100人以上の存在が明るみされる事で、続々とこのクラスの政治スキャンダル等が続出するような事態になると政治不信の強まりから社会の安定も危うくなって来よう。

ところで日本も国内を拠点とする人物や企業含め数百の情報が含まれているとされているなか、官房長官は政府としては選挙を意識してかどうなのか調査はしないと明言しているが、原発よろしくこちらもといった感は否めないところか。


引き際

先週末にはセブン&アイHDがアナリスト向け決算説明会を開催していたが、日経紙一面でも報じられていたように20年以上にわたってグループを率いてきた会長の突然の引退表明で周辺がザワついている。会長人事案が否決された責任を取った格好というが、カリスマ退場に各流通業界トップにもショックの声が上がっている。

土曜日の日経紙・春秋の末尾には「経営者の引き際は難しい」としてダイエー、セゾン、そごう等の名が挙がっていたが、前者は過剰債務の責任を取る形で退任し後者のそごうは逮捕という形で退場と何れのカリスマ経営者も厳しい幕引きが記憶に新しい。もっと広義で見れば大塚家具もそうだっただろうが、人事案含め最後まで事業にコミットしてしまうところは共通事項か。

しかし或る意味取締役会で今回の事案が否決されたという事は、ワンマン?に対する統治機能が社外取締役含め働いたという事にもなるか。コーポレートガバナンスが云われて久しいが、今回の騒動はこれが形ばかりのものではなくファンド勢含めた株主らに説明責任を果たせるかという点でガバナンスが効いた事例ともいえようか。


物価優等生返上

さて、新年度入り1日の日経紙では、値上げのCM歌詞を掲げたあの「ガリガリ君」で有名な赤城乳業株式会社の全面広告が載っていて非常に印象的であったが、世界的な食品需要の変化や物流費の高位安定、原材料やスティックなど包装資材の需給ひっ迫と価格の高騰等が重なり実に25年ぶりの値上げという。

他にもこの新年度から値上げになる身近なものはザッと挙げてもトマトソースからサントリーのウイスキー、煙草からディズニーパスポートまで多数ある。また上記のガリガリ君の25年ぶりの値上げとほぼ同じく、実に24年ぶりにこの4月から値上げをするものに「塩」もある。

物価の優等生的存在であった物が近年次々とそれらを「返上」してきているが、その代表格であった卵の値上げを当欄で挙げたのが約6年前、3年前にはヤクルトの22年ぶりに値上げを取り上げ、昨年はジョアの23年ぶりの値上げや永谷園の25年ぶり値上げも取り上げた。デフレ脱却を謳う政府には望ましい事なのだろうが、今後も粛々と各方面で進行してゆくのかどうかが注目される。


倣う銀行営業部隊

さて、週明け4日の日経紙金融面では「大手行が投信営業改革」と題して、りそな銀行が投信の販売手数料収入よりも顧客の運用残高を増やした社員を評価したり、三井住友FGは分かり易い商品の情報提供などをグループ各社に求める指針を作るなど大手銀行が資産運用業務の営業改革に乗り出す旨が載っていた。

投信といえば長年営業にとっては転がし易くノルマ商品の代名詞的存在であったが、証券会社に倣えで銀行も挙ってこれの販売に注力してきた経緯がある。こうした過程で複雑な二階建て、三階建てのデリバティブ商品も投入され、販売している行員でさえ仕組みが理解出来ぬままハイリスク商品の特性で後に問題になった例も多かった。

そういったところから上記のような改革案も出てきたのだろうが、この投信も近年では値下げの波が広がっており中には無料を謳う投資家目線の物も少なくない。日銀のマイナス金利政策の導入でこうした部分もますます重要となるなか、長期運用を育む切っ掛けにもなるか否かその姿勢が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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