引き際
先週末にはセブン&アイHDがアナリスト向け決算説明会を開催していたが、日経紙一面でも報じられていたように20年以上にわたってグループを率いてきた会長の突然の引退表明で周辺がザワついている。会長人事案が否決された責任を取った格好というが、カリスマ退場に各流通業界トップにもショックの声が上がっている。
土曜日の日経紙・春秋の末尾には「経営者の引き際は難しい」としてダイエー、セゾン、そごう等の名が挙がっていたが、前者は過剰債務の責任を取る形で退任し後者のそごうは逮捕という形で退場と何れのカリスマ経営者も厳しい幕引きが記憶に新しい。もっと広義で見れば大塚家具もそうだっただろうが、人事案含め最後まで事業にコミットしてしまうところは共通事項か。
しかし或る意味取締役会で今回の事案が否決されたという事は、ワンマン?に対する統治機能が社外取締役含め働いたという事にもなるか。コーポレートガバナンスが云われて久しいが、今回の騒動はこれが形ばかりのものではなくファンド勢含めた株主らに説明責任を果たせるかという点でガバナンスが効いた事例ともいえようか。