259ページ目   雑記

再編思惑

本日の日経平均は2000年4月14日以来、実に15年ぶりに大引での20,000大台乗せとなった。相場を此処まで牽引した原動力になっていたのはコア系のTOPIXが堅調持続したところが大きいが、その中心となっていたのが銀行セクターだろうか。

この中でメガバンクはいわずもがなだが地銀株も突飛高したりジワジワと年初来高値更新したりというものも少なくない。この地銀、メガバンク勢はそれぞれ親密な地銀株を保有しているがその地銀は地銀でまた持ち合いの商習慣?から今なお相互に株式を保有しているのが現状でこれまで経営統合の発表が出る度に思惑で株価上昇していたものも多い。

今月初めに当欄で書いたように、今年6月からの企業統治指針を睨んでこれらもまた持ち合い理由の説明義務が生じてくる事から当然この解消促進思惑と絡めて再編思惑も常についてまわる。こんな事から次の突飛高を睨んで水面下で玉を手当てする動きも一部見られ、またスマートベータなどの組み入れも需給に大きな変化をもたす事で今後もまだまだ宝探しが続きそうだ。


新興貸借指定

さて、週明け昨日の日経平均は先週末の米株式大幅続落やそれの主因となった中国の貸株規制緩和などに戦々恐々であったものの、いざ蓋を開けてみれば後場にはほぼプラス圏で推移するなど肩透かしというか意外にも堅調展開で、本日の日経平均も欧米株高に加え主力株堅調から引続き上げ幅を拡大し高値引けとなった。

ところでこの上海株だが、先週末の日経紙では時価総額が初めて日本株を上回った旨の記事が出ていた。これまで中国市場といえば一括りにこの上海と深圳の合計で日本株を上回っていたとされていたものだったが、上海はこの1年に2倍にまで上昇していた事から単体でも上回ることになる。

そんな過熱感から中国の証券業協会、証券投資基金業協会、取引所は連名で上記の通りの貸株規制緩和発表に至った訳だが、果たして初日は小確りのスタートとなっている。元々外国人の売買も長く規制され、年金制度の未整備で機関投資家も育っていない市場だけに全体のリクイディティが個人で形成されているようなところで、差し詰め小型新興銘柄を新規に貸借指定したといったところか。

新興並みの板だけにかつての2007年の彷彿もありこの新規制には戦々恐々だった訳だが、貸借もカラを呑み込んで好取組を形成してくるようであればそれはそれでまた上昇の原動力となるワケで今後どういった展開になってくるのか見ものでもある。


池の中の鯨?

週末の日経紙で一寸目に付いたものに経済面の「投信、3週間で販売停止」と題した記事があった。これは野村證券グループの野村アセットマネジメントが先月25日から募集していた投信「日本企業価値向上ファンド」の事だが、月初の当初設定額1,057億円に対して直近の資産は実に1,800億円超の積み上がりを見せていた。

同ファンドは読んで字の如くROE改善が見込める企業等を選び投資するモノだが、これと似たようなキャラのものは昨年から大和や岡三、ニッセイアセットなど各社が設定しており、ニッセイなど設定以来の運用成績はROEを重視した新指数であるJPX400を上回っているという。

他にこれまで販売停止になったものとして思い出すのがちょうど2年前の今頃話題になったJPモルガンアセットの「ザ・ジャパン」があったが、再募集再開でもわずか1週間で再度の募集停止になった経緯があったなと。上記の価値向上ファンドは個別銘柄非公開だが、このザ・ジャパンなど組み入れ銘柄が更にチョウチンを誘いそちらでも話題になったものだ。

一方でこんな動きの裏で急速に人気離散しているのが、かつて国内投信で資産額がトップだった「グロソブ」である。一定額の分配金を支払う毎月分配型の先駆け的な存在であったが、上記のような運用商品の多様化や国債利回り低下から資金流出が長引き今月中旬段階で約12年半ぶりにとうとう1兆円の大台を割り込んでいる。斯様に「旬」なものは移ろい易いが何所までこの傾向が続くのか見守りたい。


如何に持ってもらうか

さて、一昨日の日経夕刊一面では「個人投資家と対話拡大」と題して、有力企業が「対話拡大」などIRの強化に動き自社の株を長く持ってくれる個人を増やし株価の下支えを狙う動きが出てきた旨が載っていた。

この自社の株を長く持ってくれる個人という絡みでは、先週の同紙にて2014年度の株式平均保有期間が8.9ヶ月と前の年度比で3.3ヶ月長くなった旨も出ていたが、14年にNISAが始まったうえ日本企業が増配など株主還元を強め長期投資が報われやすくなってきたためとの指摘もされている。

振り返ってみれば個人の株式保有期間はリーマン・ショックの年まで長期間傾向にあったものだが、この事件以降は「羹に懲りて膾を吹く」の風潮から回転も速くなった事でこれを境にして年を追う毎に短期化が続いていた。この間に企業側も増配など株主増を図る動きを模索していた事が昨今具現化してきた策などから窺える。

こんな機運が背景にあるのかどうか、期末の権利付き最終売買前には先物ショートに現物ロングを組みその後の解消で配当部分を狙う取引も最近では増えてきたという。権利を確保し6月の株主総会に向けての増配思惑が実るかどうか待つといったところだが、今後はキャピタルゲインをもカバーする魅力的な保有特典をどう打ち出せるかこの辺が課題になってきそうだ。


コーヒーカルチャー

さて、暫く行かなかったうちに近所のスタバがいつの間にか改装し小奇麗な店に変身していたが、こういった所謂シアトル系に続いて最近では米国生まれとされるサードウェーブ系のお店も都内ではジワジワと広まってきている。

ところでこのコーヒーといえば約1年前に当欄でもコンビニコーヒーについて取り上げた事があったが、こうした影響も一部にあってインスタントや缶コーヒーが冴えない中でもこの手は拡大を続け、こんなサードウェーブの波に大手飲食企業もグループの子会社や孫会社経由で続々と参入してきている。

もともと淹れ手が手間暇をかけて出す喫茶文化は前から日本にはあったが、こんな光景を見ていると逆輸入のように見えなくもない。確かにこういった中でベリー系の芳香が漂う変わり種などに初めて出逢った時などなかなか新しい感動を覚えたものだったが、こんな広がりで市場拡大の伸び代はまだまだありそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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