遺伝子検査の行方
昨日の日経紙には「病気の傾向知って予防」と題して、消費者が直接ネットなどで検査を申し込んでその結果も受け取れる「直接販売型」の遺伝子検査が増えている旨が載っていた。前々から都心のアンチエイジング等を謳う自費診療主体のクリニック等でこの手はあったが、今年になってからモバゲーのDeNAがDNA解析に参入したりでにわかに話題になった感がある。
話題作りを後押しした件でもう一つ、女優のアンジエリーナジョリーがこの検査で乳がん発症リスクがあるということで乳房切除手術まで実行した件も思い出す。彼女がやったであろう超高額な検査はさておき、最近では分析器の価格下落もあって検査料も格段に安くなった事が上記の普及に繋がっているだろうが、現段階では提供会社によって解析結果は異なったものとなる部分もあり他にも医師法に絡んだ問題で中途半端な部分も出てくる。
しかしこの検査、自覚症状も無いときに任意で健康管理の一環で調べる人間ドックとはまた異質のもので、上記の未統一な部分と併せ消費者も一寸検査してみようとの思いが頭をもたげる一方では心情的にいろいろと逡巡する部分もあるのではないか。
消費者の心情もさることながら管理面での懸念も。例えば先のベネッセの如くこの手の情報が魑魅魍魎のブローカー経由で保険会社などに出回り、隠密裏に共有されるような事態もないとはいえないのではないか?ある意味更に究極の個人情報だけにこの辺がどう発展してゆくのか興味深い。