295ページ目   雑記

システムの影響力

さて、お盆休みが終われば取引参加者も市場に復帰し商いも増えるだろうかという淡い期待に反し、概ね今週も株式市場は薄商いの日々が続いている。というワケで依然先物が主導する展開が続いているが、先週末の株式市場ではランチタイムの225先物が急速に下げ幅を縮小する場面があった。

これは上海総合指数が一時約6%の急騰となったことに反応したものであるが、報道されているようにこれは光大証券なる会員が引き起こした誤発注によるもの。当然売買再開後には同社はストップ安となっているが、つい最近にもジェイコム株誤発注事件で東京高裁の判決を不服とし最高裁に上告したみずほ証券を彷彿させるような出来事である。

しかし一会員の誤発注とはいえ時価総額がトップの企業群が軒並みストップ高まで値を付けてしまうあたりもまた凄い。もともと個人比率が日本の倍くらいある新興市場のようなマーケットとはいえこうした点含めてA株市場の特異な構造をあらためて感じる。

ともあれ報道では人為的な操作ミスは見当たらなかったとしているが、この事件後に同社は更に国債でも誤発注を起こしておりやはりシステム管理の問題が浮き彫りにされた格好。システムトラブルは何処でも起こり得る問題ながら今や一会員が国際市場をも動かす影響力がありこの辺は対岸の火事というわけにはいかないだろう。


何方付かず

昨日はコメ先物について触れたが、コモディティー絡みでは引続き本日の日経紙「迫真」にてCMEグループと東京商品取引所の話が載っていた。このシステム更新に関しては今月の上旬にもJPX絡めて触れた事があったが、これらを巡っての各所の思惑が交錯している模様である。

報道された単純な時系列で見ると、CMEの最高経営責任者と東商取社長とのトップ会談が為されたのちにJPXが具体的な仮条件金額の提案をしたような感触だが、国の方向性が掴みきれないだけに東商取側も思惑が交錯し未だ天秤が続いているような感触である。

斯様に未だに総合取引所構想をどう構築してゆくのか明確な枠が定まらないが、海外とてこの辺は同じで本邦の青写真が今ひとつ読めないというのが正直なところだろう。CMEとてアジア事業の強化を掲げているだけに本邦も天秤にかけている一方でマーケットのアジア含めた国際競争力への影響も考慮すべきだろうか。


猛暑列島

連日茹だるような暑さが続いているが、昨日は高知県四万十市で国内の史上最高気温となる41.0度を観測したとの報が話題になっていた。しかし今年の場合はどれも記録ずくめで日経紙によれば11日には全国927観測地点のうち過去最多となる297地点が35度を超える猛暑日となり、東京都心の同日の最低気温は統計の残る過去138年間で最も高い30.4度であったという。

2つの高気圧が重なるように列島を広く覆っているのが原因だそうだが、都心などはヒートアイランドも相俟って思いついたような打ち水のイベントもまさに焼け石に水という様相。こうなってくると日本も熱帯地方に仲間入りする勢いだが、こんな傾向は下旬まで続く模様で熱中症やら諸々影響が出ている。

また、経済への影響も無視出来ないワケで、野菜や鶏卵など生産の一部滞りから入荷減もあって既に卸値も上がってきており先行しているガソリン高に続く勢い。エアコン関連は伸びるがアパレル等は秋物が懸念される等々あるが、リスクヘッジの為にはたして如何程の企業が天候デリバティブなどに取り組んでいるのだろうか一寸気になるところ。


東京湾大華火祭・2013

さて、先週末は第25回東京湾大華火祭が開催された。この日に併せて近隣ホテルのレストランなどで絶好の鑑賞スポットとなる特別席とメニューを用意しました云々の仰々しい誘いが届いていたが、このゲリラ豪雨が頻発しているおり先の隅田川花火大会もコレで中止になったのが頭を過り結局豪雨に見舞われても大丈夫なところからの鑑賞と今年も落ち着く。

昨年は花火大会の類は2年ぶりに復活するところが多く、そのテーマも追悼や復興といったものが殆どであったが、今年はやはりというかオリンピック誘致モノが目立ち発色の一段の工夫も見られてなかなか楽しめた。しかし東京湾の場合、約1時間ちょっとを6部構成で成しその其々が10タイトル以上もあるが、隅田川ではあげることの出来ない尺五寸玉など見せ場のタイトルには印が付けられておりこれで十分、1万2千発が夜空を飾る様は圧巻であった。

昨年もこの東京湾大華火祭の経済効果は約70億円規模と書いたことがあったが、開催費用の概算を考慮するにやはり費用対効果は大きく地域貢献性も可也高いというのは明白、アベノミクス効果も手伝って益々の活性化が期待されるところである。


美術品事情

本日は第二木曜日ということで日経紙には「アートレビュー」があったが、アートといえば印象派で有名なクラーク美術館の代表的なルノワールなどの名品の数々がちょうど兵庫県立美術館で開催されている。

ところでこのルノワール絡みで今週あったニュースに13年前に世田谷の住宅から盗まれたルノワールの絵画が、英国ササビーズのオークションに出されて落札されてしまっていたという件があった。気付いたのが被害者というから流石というか網を張っていたのだろうが、盗難美術品のデータベースに登録されていなかったことで盗品チェックもすり抜けていた模様だ。

もう一つ、盗品ではないが美術品ネタとしては先月には約1万5千円で買ったという江戸時代初期の日本の古美術品が非常に貴重な品と判明し、やはりオークションにて欧州の美術館が9億6千万円で落札したとの報もあった。なにかこう貴重な品々の流出が目立つ記事ばかりだが我が国はこと美術系に関しては上記の盗難一つ取っても警視庁サイドの登録もせずこの分野は発展途上という感は否めない。

欧米では若手がファイナンス系とのコラボで美術品ファンド等を立ち上げる動きまであるが、日本は先ずこういった盗品然り、借り入れもまた然りで名画を巡る国際協力の在り方にはまだまだ課題が山積みという感がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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