296ページ目   雑記

あれから三年

あの東日本大震災から本日で3年になる。各紙でも報じられている通りあらためて被災状況の纏めなどを見るにその爪痕の酷さを実感するが、降ってわいたような天災に当時は何処も想定外な事態が数えきれないほど発生したのはいまだ記憶に新しい。

日経紙社説の冒頭にも、警告する向きはいたが各所が受け止めず「想定外」にしてしまったと書いてあるが、行政や東電のみならず個人も全く同様だったか。末端の投資など典型で何より長年ディフェンシブ銘柄として君臨してきた当の東電があっという間に数十分の一まで崩壊し、セルボラでプレミアム取りに勤しんでいた向きも数時間で数年分の益金を失い、FX市場でも彼方此方悲鳴があがった。

こうした連鎖は企業にまで及び、財務の厚いところとそうでないところでは明暗を分けることになったが、あれから個人も企業も大震災という想定外の混乱の教訓を生かした取り組みにどれだけ努めてこられただろうか。

想定外といえば、直近でも昨日発表の2013年10-12月期の実質経済成長率は1%台割れの年率0.7%に下方修正され、その前の7-9月期も1.1%台から0.9%に下方修正となった。こんな後半からの減速ぶりも飛ぶ鳥を落とす勢いであったアベノミクスにおいては想定外であっただろうが、震災3年を期に復興含めまた舵取りと真価が問われる。


税調の欺

昨日の日経で見かけたものに、政府税制調査会が法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当などにかかる税率の引き上げを検討する旨があった。法人税関連の政策減税の見直しだけでは税収分を補えないためということだが、なんとも安直というかどんな面子の寄せ集めでこういった案が浮かぶのか甚だ残念である。

本日の日経平均が下がったのもこれが嫌気されてとの解説も出ているが、株式の配当にかかる税率などとは言うものの、そもそもこの株式配当金の税金自体が所謂二重課税構造になっているワケで、なんとか理不尽を呑んで我慢しているのをいいことにそれを棚に上げて更に引き上げましょうかというのだから呆れる。

世の流れはNISAやらなんやらでなんとか投資の流れを作ろうとしている風潮もあるが、このNISAとていまだに融通が利かない点数多でとても投資へ潮流の変化が起こるとは思えないものの、それでもこれを促進している最中にこんな真逆の検討が同じ政府系から浮上してくること自体に綻びを感じる。

明後日から本格議論ということだが、形ばかりのNISAで釣ってこんな増税策など近年の課税構造はどれもこんなパターンだなとつくづく。


華ひらく

本日は一寸所用で三越の前を通った折そこでふと思い出しのが、三越といえば今週は呉服屋からデパートに転換し110年のフシ目を迎えるということもあって買い物袋のデザインを新年度から57年ぶりに刷新すると発表されていた件。

そんなワケでこの57年間、三越の顔となっていた袋といえば3色の上にあのアンパンマンの作者による「MITSUKOSHI」のレタリングであったが、これが友禅作家の手による伝統的な友禅技法によって幾何学模様で表現した林檎の柄を配した物となり古典と現代の融合が特徴になっているという。

ところで買い物袋デザインの刷新と言えば昨年10月だったか、伊勢丹も例のタータンチェックのデザインを55年ぶりに刷新。格子が大きくなりグリーン部分も明るくして本場スコットランドの柄により近くなるという。ちょうど本日の日経紙には三越伊勢丹HD針路を探るとの記事もあったが、フシ目を機に買い物袋のみならず統合効果も奏功してくるのかどうか色々な部分が注目される。


特化REIT

ウクライナ情勢をめぐっての不透明感から株式市場も不安定な動きとなっているが、そんなマーケットでもREITはその性質上比較的安定している。このREITに関連しては先週末の日経紙に介護施設や病院に投資するREIT普及のため運用会社向けの指針案をまとめた旨が出ていた。

こうした介護施設や医療施設専門のREIT創設解禁の動きが出てきたのは昨年秋頃だが、これまでは施設運営側の財務状況が把握しにくく投資リスクの高さから上場は叶わなかった経緯がある。最近はこの辺が現況三井系等大手中心にして続々創設の動きが出てきている。

同紙によれば海外ではヘルスケア関連のRIETが普及しており昨年末時点の時価総額はREIT全体の11%を占めるが、それに対して日本は1%未満と心もとない。上記のような土壌も整備されれば上場促進で機関投資家から個人まで運用の選択肢がまた一段と広がることになってこようか。


希薄化は買い?

週明けの日経平均は4日続落、ウクライナ情勢の緊迫化に加えて北のミサイル発射の報もあり個別では防衛関連がにわかに活況となった反面、活況だった新興系が軒並み安となっており、週末にストップ高で張り付いていたミクシィなんぞは本日も余勢を駆って序盤大幅続伸となるもあと急転直下で往って来いの急反落となっていた。

ところでこの株、週末には公募増資の発表をしたものの、上記の通りストップ高まで買い上げられたのがとりわけ話題になっていた。こんな増資報道でもストップ高まで買い上げた例として記憶に新しいのは2011年の年明け早々のJVC・ケンウッド・ホールディングスが思い浮かぶが、この時も約27.5%の希薄化見込みの弱材料を跳ね返してのストップ高が話題になった。

当時はこれに連れて増資懸念のあったりそなHDも先取りするような恰好で連れ高したが、希薄化懸念よりも資金調達による積極戦略に期待大との後講釈もどうもしっくりこない。こんな数年前でなくとも新興のファイナンスものといえばクルーズも第三者割当で新株予約権を発行すると発表しストップ高まで駆け上がったが、この辺は現況から乖離するなんとも強気な行使価格がポイントになっている。

結局のところ売買の主導権を握っている向きしか値動きの予測はつかないがファイナンス絡みは一般にはまさに鉄火場、話題の新興株は今や東証一部の主力と互角の商いを集めるだけに呑まれない管理が必要になってくる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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