320ページ目   雑記

燃える氷

さて、今週の株式市場で「PM2.5」関連と共に週派手に値を飛ばしていたものといえばやはり「メタンハイドレード」関連だろうか?これは周知の通り独立行政法人のJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による世界初のメタンハイドレードからの天然ガス採取への期待が高まっていた事によるもの。

個別では日本海洋堀削の4日連続ストップ高筆頭に、三井海洋開発、鉱研工等の掘削技術モノがストップ高を交え急騰、また今回使われた日本海洋堀削の出資元で今回操業担当の石油資源開発や国際帝石も賑わうなどその物色対象も広がりを見せている。

さて株式市場は先取りして株価急騰なるも、最初はみなそうだが実用化には未だコストが高いのがネック。現状では割高といわれているLNG輸入価格の2倍の開発コストになる計算で、予想を下回る生産量の場合は更に倍になる計算と日経紙には出ている。斯様に課題は多く更なる技術革新も求められるが、国産エネルギー活用の第一歩を踏み出した訳で今後の成り行きに大いに期待したいところである。


トップ人事

さてこの時期いろいろと人事も様々なドラマが展開するが、本日の日経紙には「改革 振り出しに」として資生堂の社長が月末付けで退任し会長が社長を兼ねる人事を発表した旨が載っていた。社長就任は一昨年であったから僅か2年で退任ということになる。

資生堂といえばつい先週当欄で取り上げた東証の「撫子銘柄」に選定されていなかったのがちょっとした驚きであったものだが、国内売上高が6期連続のマイナスで約2割落ち込み重ねて新興国の販売減も追い打ちをかけていた等もありROE等で引っ掛かった事も想定されるか。

東証コア銘柄トップの退任といえば、直近でもソニーの外国人前CEOが6月の株主総会で取締役介議長を退任することを表明、4月でトップ交代から1年、経営が新CEOを中心とする大成に完全に移行すると発表されている。

こちらも今期は資産売却等の効果で連結最終損益は5期ぶり黒転との見込みとはいえ、エレクトロニクス事業の営業黒字化は未達に終わる見通しで再建はまだまだ道半ばといえる。トップ辞任の裏には体調不良理由の退任例もあるが、数年前に体調不良で志半ばとなった首相も返り咲いて今や飛ぶ鳥を落とす勢い、双方ともに株式では相性がいい銘柄だけに何とかいい方向に向かって欲しいところである。


復活の芽

周知の通り、東日本大震災から本日でちょうど2年が経過した。震災後暫くは行方不明者数や避難者等の状況が一面に載っていたものだが、最近再度この辺が掲載されるようになり改めてその壮絶さが再認識される。ちょうどこの期、昨年同様に街では募金活動が至るところでグンと増えこの関連行事等も酣だが、この記憶や復興への思いを風化させないことが何より大切だろう。

思えばリーマンショックから緩やかな回復途上にあった日本経済はこれによって再度叩かれ、その要の市場もまた激震に崩壊したものだ。今でも市場を続行させたことや政府のディスクロを巡っては思惑もあり賛否両論絶えないが、オプションやFXでは未曾有の相場変動が市場を襲いこれによって個人のみならず企業もまた財務状況を毀損したところが続出したのは記憶に新しい。

一方、雨降って地固まるではないが昨今業績とともに株価もV字型回復を見せている自動車業界など、ともすれば為替相場是正の恩恵などと喧伝されているが、2013年3月期決算発表に臨んだトヨタの役員が「今は1ドル79円でも単独で利益を出せる」と言い切っているのを見ても解るように、更なる収益構造の画期的な大改革に直後から着手したのが奏功し手居る訳で斯様に土壌構築されたところも出てきているのを見るに感慨深いものもある。

そうして考えると為替相場の是正などひとつのタイミングに過ぎないものの、ステロイド系とはいえアベノミクスが傷の回復に強力に作用しているのは明白、個別ではまだまだ課題は山積みだが回復の波及効果が出て来るのはこれからと引き続き期待したいところ。


J―GATEの課題

さて、先物やオプションをやっている向きなら今週は週明けの商いでおやっ?という感じになったと思うが、周知の通り日本取引所グループ傘下の大証でこの日はシステム障害が発生、上記のオプションなどデリバティブの取引が最大約4時間にわたって出来なくなったという一件があった。

同システムはナスダックOMXグループ製で2011年に導入したものであったが、トラブルの原因は日経平均オプションの売買に関する処理プログラムやら、サーバートラブル云々ということであったが停止したのは今回が初めて。

これで影響が出たのは現物との裁定が出来ずボリュームに変動をきたした点などだが、直近では昨年に東証で起きたデリバティブのトラブルや、その前のアローヘッドの障害等でも現物のトラッキングエラーで先物との裁定に影響が出た経緯がある。

この日経平均先物は米CMEやシンガポールでも取引されているだけに、それこそこの辺の信頼回復に時間がかかることなどになれば下手をすると取引の流出懸念も台頭し、またこれと同様に新興国への輸出等にも影響が出る恐れがないわけではない。

市場ではモルスタ世界株指数に組み入れられるとの事からTOPIX買い需要120億円同様の資金流入が想定されるとしてここ急伸してきた日本取引所株であるが、来年には大証にデリバティブを集約する予定となっており、他のアジア取引所との競争に勝ち抜く為のデリバティブ強化を打ち出している時だけに更に万全な大勢が求められる事になろう。


お国柄いろいろ

週初の日経産業紙には「息の長いタイの成長」として同国の昨年の経済成長率が年初予想の4%台を上回る6.4%に達した旨が載っていた。一昨年の大洪水試練を経ての伸びだけに今後にも期待がかかるが、最近のもう一つ緩い話題ではタイ政府系の格安航空会社ノック・エアが制作した水着女性のカレンダーに文化庁から物言いがついた一件もある。

見たところ別段不快に感じる部分など何処にも見当たらないと感じるが、当局によればつまるところ「女性の尊厳を無視している」ということらしい。一部特定向きが多いだけに航空会社のカレンダーは折に触れ話題になるが、この手ではメキシコの某航空会社はCAらのビキニカレンダーを出し、アイルランドの格安航空会社もインナーを纏ったCAのカレンダーなど出し、スペインの某航空会社に至っては更に進化?した物を出した経緯もある。

そういえば昨年だったか、ベトナムのジェットエアなど、ホーチミンからリゾート地へ飛ぶフライトのなかで女性によるダンスを機内で乗客に提供したところ、航空局から不適切なパフォーマンスとして形ばかりの罰金を科されたそうだが、この手の件こそお国柄が出るといったところか。賛否両論あろうが、まあ総じて築地のマグロじゃないが損して得取れでいいプレスになったのではないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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