359ページ目   雑記

見えないフィロソフィー

さて、週末には政府臨時閣僚会議にて2011年度税制改正大綱を決めたが、このうち業界関係では意外?に早く結論が出たというか、証券優遇税制については11年末で終了する10%の軽減税率は市場活性化の一環として13年末までの2年間の延長。またFXは20%申告分離課税、損益通算、損失額の3年繰越控除など取引所取引と同様に税制一本化とする旨である。

まあ証券優遇税制は兎も角、FXについては当欄で今から三年前に「一本化の遠い道のり」のタイトルで、依然として取引所取引と店頭取引とでは当局の対応が不透明な中を税制面で様々な物議が醸し出されているとコメントしたのを思い出すが、これを含め取引所取引に偏向とも取れるような政策が垣間見られてきただけに店頭組にとっては朗報ともいえるか。

さて個別ではそんな点があるも、全般論では可也酷い。大袈裟に法人税引下げ云々を謳って煙に巻くのに必至だが、選挙思惑も絡んで消費税という聖域に触れることが出来ないが為の遣っ付け仕事か。結局その裏では相続税や給与所得控除の頭打ちを打ち出すなど個人にとっては不満が残る増税となる。

不満といえばその使途にしても然りで、このままでは変な公約固執の為にバラマキの上積みにされそうで一体どうマネジメントしているのか不可解極まりない。しかし、斯様に財源確保の見通しがないという将来が見えない増税策で見切り発車する未成熟政府はまさに「仮免許」そのもの、不安なのでこれ以上公道を走って欲しくない思いがある向きは少なくないだろう。


狭まる効率営業

さて、今週は6日付けの日経紙にて「円高の年の冬ボーナス・外貨投資 狙い目は」と出ていたが、円高といえば先週あたりから入ってきたニュースには「通貨デリバティブ」を購入した中小企業が多額損失で経営難に陥っている事例から、金融庁が同商品の販売方法や取引先の損失状況などについて実態調査に乗り出すという報もあった。

そういえば先週3日付けの日経紙夕刊一面にも、06年から07年に発行した円高で支払い金利がハネ上がる仕組み債でここ近年各地方自治体が損失拡大しているという記事も目にした。しかしこの手の話は続々と出て来るが、今に始まったことではなく二年前だったか駒澤大学や立正大学のデリバティブ損失も大きな話題になっていた記憶がある。

さてこうした被害者?というか顧客側をザッと眺めてみるとなんとなくだが共通項は毎期決まった入り勘があって且つ特段設備投資の用もないというところが多い。辣腕の営業なら先ず効率を考えこの辺を集中的に落しに入ったのだろうが、幸運?にも手垢の付いていない向きなどは売る方が心配になるくらい決裁が単純なものという。果たして今更の大騒ぎになっている訳だが、この期に及んでどういった商品内容なのかを精査するところは少なくない。

ある程度の敗戦処理が片付いた段階で、顧客側もこの手の物への再考論など出てきそうだが、7日付け日経紙にも金融庁が金融機関に対して、投資信託を勧誘・販売する際の利用者への説明を丁寧に行うよう求める旨が出ている。証券界では所謂「仕切り」と共に長い歴史を歩んできたこの回転売買も然り、この時代になって漸く売りの手法も転機が近づいてきたという感じがする。


現物志向色々

さて今週は週初の日経紙上で、絵画など美術品のオークションが長引く景気低迷により落札価格が下がったことから、これに参加する一般の人が増えている旨が載っていた。同紙には絵画や陶磁器の「投資適格順位表」なる物も載せてあったが、斯様にこの押し目?を投資対象として捉える側面も書かれている。

さて、こうしたパブリックなものから有名芸術家作品が続々登場するのはクリスティーズやサザビーズなどやはり大手どころ。今週はまた作品価値66億円を超えるといわれるパブロ・ピカソの未公開作品が大量に見つかった旨が報じられていたが、このピカソなど「ヌード、観葉植物と胸像」は美術品最高額の約100億円で競り落とされたのが話題になっていた。

上記のパブリック系ではまだまだ手頃な出物が出て来ているようだが、こちらは名品を手放す向きがある一方で主要国の金融緩和で大量に出回った過剰流動性がこれらを呑み込み、作品全般で価格も急上昇という。

近年コモディティーがより一層金融商品の色彩を濃くし始めたのは周知の通りだが、そこで受け皿から溢れた一部は美術品という現物への志向も強くしている。以前当欄で書いたようにリーマン・ショックの二年前にはサザビーズがピカソの名作「アルルカン」の出品を市況低迷から延期するまでに至った経緯があるが、金融緩和はアート市場の冷え込みまでも転換させるか。


星獲得は別れ時?

11月も本日で終りだが、例年この時期になると話題になるのが「ミシュランガイド」か。はや日本進出から4年目、今回の東京版の内容は横浜・鎌倉へとエリアを拡大、三つ星は3店増え14店、これで先の関西版と合わせると26店となり、本拠フランスの星と同じ数となったと過日報道されていた。

本日たまたま立ち寄った書店にて買うまでもないのでパラパラと捲ってみたが、その内容は一応大義名分的に安価な店にも星を与えているような構成にはなってはいるが、本流はやはり上から目線の印象が強い。今や御節のシーズンだが、今年も星獲得の経験組が絡んでいる店のものは内容の割になんとも強気な価格設定になっているのがヤレヤレという感じ。

ヤレヤレといえば、アジアで初の試みとなったこの本が発売された3年前には「ザッと見て少ないながらも行った事のある店で確かにあそこは旨いと思った所もあるものの、約三分の二は明らかにもっと美味しい他の店があると思った次第」と当欄で書いた事があるが、今回その「もっと美味しい他の店」の一部が新規に星を獲得していた。

しかしながら「時既に遅し」?その当時とは違ってロケーションもお約束な一等地へと移転し、値も上記の御節ではないが、いわゆるその他の勘違い店よろしくインフレ?進行中である。これで予約も難しくなるだろうし近年大手ホテルとのコラボなどショー的要素の強いものへ手を出していたあたりから危惧していたものの、気に入って通っていた頃のイメージが強いので何とも残念な気もするが、まあ各々の道があるのでこればかりはなんとも。


インフレ輸出

さて、本日のTOCOMでは金の先物が実に1983年2月以来約27年9ヶ月ぶりの高値をつけた事が話題になっていた。しかしFRBが追加の金融緩和を決めてからというもの斯様に国際商品他の高騰が著しい。

金は上記の通りでいわずもがな史上最高値更新、ソフトものでは粗糖が30年ぶりの高値にコーヒーが13年ぶりの高値、穀物なども各々数年振りの高値等々、日経紙などでも頻繁にこうした個別の記事が目に付くようになってきた。

今は挙って輸出競争力を高める通貨安競争が言われているが、上記の高騰するコモディティーには2年ぶりの高値にまで上昇した原油先物などに象徴されるように、それらと一緒に厄介なインフレまで同時に輸出が始まっている。そうした弊害に目を瞑れるうちはいいが、今後訪れるであろう宴の後の戦後処理では、出口戦略から一気に6,000億ドル規模の追加量的緩和転換の必要性があったのかどうか非難が出てくるのは想像に難く無い。

一方で量的緩和といえば、日銀も今週からの国債買い取りを手始めに資産買い取りを順次始めることとなった。更に12月半ばからは日経平均やTOPIXに連動するETFやREITなども買い取りを始める方針となっているが、国債と違って額面償還など無いリスク商品へのオペは、市場歪曲論もさることながら仮に損失が出るようなことになればこれまた税金が充てられるという構図だ。

しかしなんというかこんな時世に、部分バブルにまたぞろ懐かしいPKOやPLOなどを彷彿させる政策が出てくるとは何とも複雑な気分である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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