361ページ目   雑記

最近の逆転劇あれこれ

週末の日経紙夕刊では「白金、金より安い逆転現象」として8月以降は金価格が白金を上回る機会が多くなって来た旨が載っていた。こんな両者逆転現象は前回では確かあのリーマン・ショック後に逆転しその際には引けベースで一日天下で終った覚えがあるが、今回は恒常化を指摘する声も一部に出ている。

さて、通常の覚えからして珍しい?逆転劇といえばこの商品に限らず株式でも個別銘柄においてこの手の現象が近年見られる。上記の白金に関連するもので例えば自動車業界の雄、トヨタ自動車をホンダが上回る歴史的逆転をしたのは昨年であったが、今年も先月初旬に両者が急接近する場面があった。また歴史的といえば証券株からはガリバー野村HDと大和証券Gが先週から大引でも野村HDが下鞘に沈み始め本日もまたそうなっている。

株式の場合は信用残など需給関係も影響するものの、この大和など投資ファンドが大株主に浮上するなど再編も絡んで今後思惑含み。今迄は上記の白金や金、また自動車株も何れもその後は通常の鞘?に回帰してきたものだが、今回は各々当時とは世界情勢、経済情勢もまた相違してきているだけにこのような単純裁定が今後も通用し続けるかどうかは未知数といえるだろう。


今年のワールドウォッチフェア

周知の通りスイスが対ユーロ目標レートを設定し上限以下に抑える為には無制限に為替介入を実施するという大勝負に出た。この辺は後で触れるとして、さてスイスの産業といえばやはり時計、この時期は毎年恒例で三越の「ワールドウォッチフェア」が開催されるが今年も過日一寸覘いてきた。

今年の場合は例年とは一寸違って時計見たさより一番の目的は「カランダッシュ・1010Diamonds」の特別制作モデルの万年筆。なんだ筆記具かと思うだろうが、値段が一億円で其れなりの期間経過すれば早々にスイスに帰国してしまうシロモノだけにこれを見ない手はない。ということで実物だが、消費税だけで500万円の値段もさることながらスイスでも選りすぐりのジュエラーと彫金師の技術の結晶だけに成る程滅多に見られない芸術品の域を超える芸術品であった。

ところで数年前の同フェアでは時計に充分対抗出来るような数千万円クラスの値札をぶら下げて、ラグジュアリーモバイルフォンの「ヴァーチュ」もブースを出展していたのを思い出したが、最近では銀座の直営店が先にヒッソリと閉店し直近では日本の通信事業から撤退と発表し鳴り物入りで登場したわりに何とも不発のまま消えていった感が強い。


今年の花火

今日で8月も終り。例年夏の風物詩が相次ぐ今月は賛否両論あった中、27日に「隅田川花火大会」が開催された。例年三大花火大会では隅田川が口火を切るのだが、今年はあの東京湾が中止になったりここも一ヶ月遅れの開催となった為に最後の開催となった。

やはり二万発規模は圧巻だったが、今年は三月の大震災もあり大方予想はしていたものの、冒頭の「被災地へ贈る追悼手向けの花」と題された花火でスタートを切り、被災地企業の参加もあった花火コンクールのタイトルには果たして「祈り」、「希望」や「願い」といった言葉が並んだ。

一昨年など不況の影響から協賛金などの都合上で花火大会の中止や規模縮小などが相次いだ事があったが、こんな経済とは別の災難でまた各地で中止が相次ぐとは予想もしなかったが来年にまた想いを馳せたい。しかしこの隅田川、当たり前のように毎度開催されるが日程変更幾度かあれど記憶では一度も天候に祟られたことがないのは素直に凄いなという感。


気が支配

昨晩の米株式が300ドルを超える大幅続伸となったわりに、朝方から個別の気配からして怪しかった日経平均はムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債格付け引き下げも心理的重しになってかやはり前場で失速、結局安値圏で反落して引けることとなった。

昨日の日経紙「まちかど」では収まらぬ弱気ムードとして株式市場の弱気が収まらない旨が書いてあったが、直近でも所謂アナリストとされる連中を対象にしたアンケートなども一瞥するに横並びの株価見通し引下げで一致している。所謂マスコミ指数なる言葉も一部あるように通常この手の活字が連日紙面を賑わせばその辺が転機というパターンが多いのだが、最近は金相場にしても順張りが利く相場になっている点が雰囲気の違いを感じる。

まあ冷静に見れば株式反発とはいえ、金相場も同時に史上初の1,900ドル超となりまたVIX関連など見ても堅調持続しているだけに自然といえば自然だが、ディフェンシブの超代表格東電があのような事態になりトリプルAを誇っていた米国債のデフォルト騒ぎ等あらゆるものに疑問符が付くようになった昨今は一時的に逃げ先が無くなってもこの手の受け皿が暫くは使い勝手がいいのだろうか。

しかしリビアなど世界情勢も変化を遂げつつあり、リセッションの波がヒタヒタと押し寄せようかというこんなパラダイムシフトの中でも、メディア関係といえば目新しい芸能ネタを押し出してくるあたりやはりこの国は平和なのかとつい錯覚してしまいそうになる。


逆行値上げ

さて、今週はお盆休みでガラガラの東京も高級ブランドの旗艦店は相変わらずの賑わいを通り掛りに見掛けたが、ヒッソリと本日から「ルイ・ヴィトン」は日本で時計と宝飾品の値上げを行っている。製造費用が高くなっている為で値上げ幅は平均で3.8%というが、この円高下いろいろな還元セールが続出している中を独り値上げ敢行する様はさすがなんとも強気な同社ならではといったところか。

ちなみに先に発表されたモエヘネシー・ルイヴィトンの決算は営業利益、純利益共に2桁増加を確保、売上高は前年同期比で13.1&%増と初の100億ユーロを突破である。これらの背景となっているのが新興国の伸びで日本を除くアジアが23.4%増と全体を牽引、此処に限らず他の主力ブランドも似たような決算と地域別売上高となっている模様。

CEOは手作りに拘り、新興国は売る場であってもどんなに生産コストが安かろうがこうした新興国への生産移管は質の低下に繋がるとみて依存を避ける傾向にあるという。事実、数ヶ月前にもフランス中部の山中に新工場をオープンさせているが、やはり数ある高級ブランドでもここまで過当競争と無縁でポリシーを貫けるのはホンの数社でそういった意味では特異な存在。

過当競争と無縁といえば、余談ながら先週末日経紙一面の「新しい日本へ 復興の道筋を聞く」にてコマツ会長の「〜円高で苦しくても値下げ競争には加わらず、率先して値上げしてきた。業界で強い立場だからこそ過当競争と無縁でいられる〜」との話が載っていたのをフト思い出したがこちらは中国が絡むだけに今後の政策と動向に注意、LVMHとは似て異なるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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