361ページ目   雑記

再編への布石

さて本日の日経紙マーケット潮流・底流には「世界的再編には逆らえず」としてLMEの身売り検討の件が出ていた。この件については一度9月に当欄で触れているが、世界の商品デリバティブ取引所がCMEとICEに二分される中をLMEとしての独自性をこのまま維持出来るかどうかこの辺について書かれていた。

デリバティブの世界もそうだが、取引所といえば今年はLSE(ロンドン証取)と加TMXグループ合併が株主から承認を得られず、またSGX(シンガポール取引所)によるASX(豪州証券取引所)買収提案も豪州側の国益を損ねるとの一声で最終決定が拒否になった経緯がある。とは言っても元々FIRB(外国投資審査委員会)は近年受け付け案件の殆どを承認しており、やはりこの手はけっこうナーバスな問題であると再認識。

もう一つ、直近で揺れているのは米NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併案か。先週には米司法省がドイツ側保有の米電子取引所持ち株を全て売ることが条件と発表、欧州側も欧州委員会が独禁法絡みの審査で長引いておりこちらも妥協の繰り返しで合併メリットが薄れているとの声も聞こえる。

金融界では近年高まっている規制強化の動きに併せて再編機運が促進されることはあっても褪せることは無いと思うが、こうしてみると世界的にそうした機運が高まっているのとは裏腹に国が絡む上にその規模も背景を考えるにその辺の企業のM&Aといったようなわけにはいかず、均衡点到達まで国益をかけた腹の探り合いが続くといえるか。


買い支えの一年

本日の日経平均は辛うじて値段こそ小反発となっていたが、東証一部の出来高は11億6,946万株とこれは今年最低、売買代金は6,765億円と08年12月以来の低水準となった。リスクオフの動きから一ヶ月ぶりの安値水準で一段安の不安はあるものの、一方で日銀のETF購入観測もあり消化難の低迷が続いている。

さて、金融緩和策の一環として何度か取り上げたこの日銀ETF買い入れ政策もこれを開始してからほぼ1年が経過したが、最近は先月書いたようにこの買いが段々と細り市場への影響力も低下してきたとも報じられている。既に基金の購入総枠からして2012年末の期限まで「蓄え」がもつかと気をもむ向きも居るというが、上記の通りこんな商い薄のところへこの直接的な市場介入であるからまったくもって管理市場ともいえようか。

そんな自主性に乏しいゆえ日足が連続性のないコマを連日描くというのも納得できるが、この辺は来年も市場関係者の課題になろう。自主性の乏しさといえば日銀もどうしたいのか全く見えない一年であったが、出資証券も本日は38,000円台まで沈み年初来安値を更新となっているあたりがこれを象徴しているともいえる。


次々去る指導(独裁)者

さて、この年の瀬の昼前にいきなり入ってきたニュースには周知の通り北朝鮮総書記の報があり早速号外も出ていた。もともと昨今の欧州格下げ懸念でリスクオフムードが広がっていたものだったが、この報でウォンは急落、韓国総合株価指数も同様に急落となっていた。

一方、コモディティーの方は金が殆ど反応無しというより寧ろ弱含みと金氏で金買い喚起はならずといったところ。そうそう、コモディティーといえば先月に国際フォーラムで講演したジム・ロジャーズ氏は訪中時の話題でミャンマーやスリランカと共にこの北朝鮮の将来性のことについて触れていたなと。

ところでリスクオフから日経平均も後場一段安でスタートとなったが、そんなマーケットの中で早速急騰したのは「豊和工業」と「石川製作所」あたりか。双方後場寄りから北朝鮮の報で防衛関連ということで急騰していたが、面白いのは既にこれら先月から不気味に出来高が膨らんでいたという点。

そうそうこんな現象ではもう一つ、本日ストップ高と急騰していた「重松製作所」もこのパターン、一昔前の話になるがあの忌まわしい地下鉄サリン事件の直前に異常に出来高が膨らんだ経緯もあったなと。はて、たまたま偶然か否かだが株式市場には時々こんな不思議も起こり得る。


今年の漢字と商機

さて、今週は日本漢字能力検定協会の2011年の世相を1字で表す恒例の「今年の漢字」が、「絆」と決まったと発表された。これは今年で17回目になるがちなみに2位は「災」、3位は「震」、4位は「波」、5位は「助」と続きやはり今年は東日本大震災に大きく傾斜したものとなった。

さてこの「絆」だが、デパートなど今年の年末商戦は家族や知人との「絆」につながりを感じることが出来る商品が好調に推移しているという。また、この「絆」関連では改めて東日本大震災を境に未婚男女に高まっている絆意識に商機の期待がかかり、株式市場では全施設形態を持つ結婚式オペレーター「エスクリ」がこの冴えないマーケットの中で、一人気を吐き昨日も年初来高値を更新している。

予てよりこの年末は自粛ムードの反動などもあって都内のホテルなどは強気の高額プランなどが続々と出ているが、上記の百貨店なども震災後に大切な人とのつながりの象徴として高額宝飾品の伸びが著しいといい、また家族や大切な人と過ごすなら御節も奮発ということで都内主力店ではこれも前年比2ケタ増のペースで予約が入っており高額品ほど好調という。

まあ気分転換の常套手段としての行動心理で高額消費はしばしばいわれるが、こうした気分一新の次に消費者はどう動くのか、消費持続力の試金石としてもリバウンド需要後が注目される。


短期も長期も

本日の日経紙一面にはヘッジファンドの2011年の平均的な運用成績が、リーマン・ショックに見舞われた08年以来、3年ぶりのマイナスとなるなど欧州危機を受け運用が世界的に振るわない旨が載っていた。運用成績を指数化した「ヘッジファンド総合指数」なるものも出ていたが、しかし今年は大手から著名ファンドまで清算も相次ぎ苦戦続きである。

さて、同紙夕刊一面には同じ運用でもこのヘッジファンドとはガラリと毛色が変わって運用成績次第で受給額が変わる日本版401k(確定拠出年金)の加入者のうち、今年9月末の時点で元本割れに陥っている人の割合が約6割にのぼることも載っていた。この手は確定給付年金のように運用低迷による不足分を企業が補填する物と異なり将来の受給額減少に直結するわけで気になる向きもあろう。

マーケットではヘッジファンドが駆使するHFTのような今が旬?の投資の一方で、その対にある長期投資家や個人投資家がいかに共存してゆくかが論点になっているものの、運用成績は共倒れの様相。著名ヘッジファンドのように参加する向きが限られるような顧客層と違い、パブリックな401kなど裾野が広くゴールが退職時などはるか先とはいえ主力のディフェンシブ物が数十年ぶりの安値に続々と沈む昨今では機運の変化さえ出てもおかしくは無いか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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