379ページ目   雑記

構造変化と商機

さて、けっこう洒落ていていろいろな用途?に使われてもいた仏ルモンド紙が経営建て直しの為に近く大幅な増資を実施し、60年近くにわたり記者会が筆頭株主として経営権を握ってきた歴史に終止符が打たれることになった旨の報道があった。

この新聞業界を巡っては別にルモンドでなくとも米調査機関などのメディア経営幹部を対象とした調査では、インターネットなどの伸長の裏返しで今後新たな収入源を確保できない場合は業界も10年以内に経営が立ちゆかなくなると現状半数の回答者が答えている。

一方では、本日の日経紙には米ダウ・ジョーンズCEOでウォール・ストリート・ジャーナル発行人のコメントがあり、新聞記事有料化-iPadで加速-などとあった。ところで昨日あたりから渋谷のHMVが8月中旬にも閉鎖することが明らかになっていたが、音楽業界もiPodが登場した時はいろいろと物議を醸し出したのは記憶に新しい。

上記のウォール・ストリート・ジャーナルなどは経済モノに強みを持つなどカラーがハッキリしていて有料化で成功したパターンと思うが、どれを軸にし共存共栄を図るか。電気自動車然り、無煙煙草然りで、この業界も商機入り乱れまた構図が変わってくるのは必至か。


リヤドロ展

さて、過日は京王プラザホテルへ所用で出掛けたが、打ち合わせの後にちょうどホテルとのコラボで「リヤドロミュージアム展」を開催していたので暫しこれを鑑賞。此処では絶版の「バラ園」や「シンデレラ」などの大作は写真でしか見た事が無かったので、間近でこれらを見る事が出来たのに一寸感激。

他、1957年の「GOING FOR A WALK」や、同年の「VANITY」などに見られるチュールのプリーツが、既にこの時代複雑なレース編みの技術を駆使し表現されていたのにはやはりこのブランドならではの重みを感じた。

リヤドロといえば上記のように宮廷の貴婦人などのイメージが強いが、「子どもの情景」シリーズなどを見ていると、78年の「ブランコ遊びの少女達」などにも見られるように、ほんとうにその表情には艶がある。同社の「雛人形」などには以前当欄で触れた事があるが、先月の「こどもの日」にも先駆けて「五月人形」の広告をあちこちで見掛け、近年人気があるのも頷ける。

ところでこの五月人形、今年は現代風にアレンジしたモノが人気だとかで「スワロフスキー」をあしらったものあれば、金価格の上昇で純金製かぶとも俄かに人気があったとか。歴女ブームなどもあって伝統にもモードの波だが、この手との共存など構図も近年変わってきたなとつくづく感じる。


表向きと内情

さて、当欄では二年ほど前に飛行船から花火大会を見せるビジネスがあり、これが即完売の盛況さをコメントしたことがあったが、衣替えを前にした?昨日この飛行船「ツェッペリンNT号」擁する日本飛行船が破綻した旨の報があった。

美しい夜景と花火大会を満喫できる飛行船遊覧クルーズとしては世界初で、都内の主だった花火大会には殆ど就航していたことから、上記の通り数十分の花火観賞を含む料金が一寸近場の海外旅行に匹敵する料金にも関らず完売人気。昨年は帝国ホテルがスイートルーム宿泊とこの花火クルーズをセットにしたプランを販売したり、最近では晴海ふ頭で遊覧飛行を始めたばかりであったがその裏でけっこう内情はキツかった模様だ。

そういえばこれと同日に破綻した企業にはベッカリイもあったが、赤坂サカスや銀座にもあったレストラン「ヴィラモウラ」の方が解り易いだろうか。このレストランなども人気の影でなかなか内情が見えないだけに難しいが、そういえばミシュランで星を取ったあの「ピエール・ガニエール」も破綻した時は驚いたものだ。

栄枯盛衰は世の習いだが、表面しか見えない素人にはなかなか変化が見えないもの。今も昔もやはり内情に詳しいのが街金筋だったりするのだけは変わらない。


バブル期のノスタルジア

この週末にきて各紙で報道され目に付いたのが、日産が「シーマ」と「プレジデント」の生産を8月に終了するという記事か。なんでも衝突時の安全基準を満たさなくなる事や、今後はフラッグシップモデルを昨年モデルチェンジした「フーガ」に据える戦略などの理由らしい。

国産の類では「プレジデント」などトヨタの「センチュリー」と双璧で、両車ともここの近所にあるあのミシュランでも数年に亘って星を獲得している料亭「濱田家」近辺ではいまだによく待機しているのを見掛けるが、「シーマ」などその登場年度からバブル期の象徴とまで呼ばれたと一部紙では解説している。

さて、ここ最近の報でその姿を消すことになる事になったバブル期の象徴といえばこの車に限った事だけではなく、ホテルの「赤プリ」もその類だろうか。今の中年世代では学生の頃はクリスマスや記念日なんぞは此処などという向きも多かったと思うが、丹下氏の設計でこのロケーションの新館が取り壊しとはけっこう寝耳に水の話であった。

そういえば、車、ホテルとくれば、この赤プリから歩いて直ぐのところにあったブティック「ヴェルサーチ」もバブル期象徴のど真ん中であったが、これまた最近日本から撤退している。
斯様にバブルを象徴した物が一つまた一つと消えてゆくのは諸般の事情もあるのだろうが、各々に色々と思い出がある向きにはやはりとても寂しいものと言わざるを得ない。


本来の使命

本日の株式市場は辛うじて小反発となったが、メガバンク一部などは依然として新安値ツラとなるなど弱い展開で、日経平均が小反発する一方でTOPIXが年初来安値更新となる重さはこの辺を象徴しているともいえようか。

このメガバンクといえば、本日の日経紙経済面「金融を問う」には「メガ化」の理想と現実として損害保険業界と共に、巨大になったメガバンクの組織の内部融合や一体化がなお課題として立ちはだかる現状が載っていた。

ファイナンス関連でも現況BIS規制の絡みで増資合戦が繰り広げられているが、何やらこう競争力維持の為に既存株主などまったく視野に入っていないようにも取れる。資本増強も結構だが、今後はそれらに付随する弊害も勘案する場面が訪れるか。

みずほFGなんぞは今月、テレビ東京の女性記者との不倫?が広く国民へ暴露されてしまった過去を持つ某会長を含む三人がそろって退任する方針を固めたが、株主に対する増資理解だけではなく、上記紙にも書かれていた通り業績回復の裏で顧客の満足含め本来の使命は果たせているか再考すべきであろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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