382ページ目   雑記

お上も投資家も右往左往

やはりどうしても素材が大きいのでJALネタに傾斜してしまうが、本日の日経紙で目に留まったのは企業総合面、「日航 法的整理-再生はできるか」欄か。冒頭では、TV番組にて2社体制の堅持を唱えてきた国交相の一転した軌道修正発言に対して波紋が広がっている旨の事が載っていたが、これに限らず整理に至るまで折に触れ彼のブレ具合は時系列で追われても仕方無いところだろうと思う。

昨日コメントしたようにこの手の事前予告型などは尚更自己責任を論ずるまでも無いが、中には素直に彼の数ヶ月前の発言である法的整理は考えていないとか、自主再建は十二分に可能とかの発言を頼りに右往左往した投資家も居よう。自己責任の範疇で株主責任を問われるのは当たり前だが、問題はリップサービスが多ければブレも多いその言動か。

一寸この辺の指摘が出るとまた庇う役目もしっかり徹底されていて、日証協の会長などはこれら一連について「発言や報道が交錯しても株価の動きに誰かが責任を持つという事はありえない」とし政府に責任はないとの弁、加えて06年の大型ファイナンスの件でも「当時の情報開示や、引き受けた証券会社に問題があったとは考えていない」とのオマケも付けている。先週もコメントしたように、こんなインチキ増資直前の株主総会で一言もこれに触れず突如として敢行する情報開示に問題は無いのであろうか?

末端レベルでこうした経緯があれば、それこそ間違いなく風説の流布やら開示義務違反やらで応分の処分という方向へ持っていかれるだろうが、上がやる分にはお咎めなしか。しかし市場もそうだが、もう一つ日経紙の春秋に出ていたように空港等に見られる政と官の有形無形の圧力でまともな規律が働いて来なかったという航空政策も本当に罪深い。世界から遠ざかってしまった日本が何処まで地盤沈下を回復出来るか、この際だからこの辺にもメスを入れるいい機会だと思うが。


GOLDの犯罪いろいろ

さて、先の連休中の日経紙にも金投資のための基礎知識として金関係の話が載っていたが、週明けのNYでも約一ヶ月ぶりに1,150ドル台を回復してくるなど、再度金価格の上昇が話題になる機会が増えている。

そんな人気者?だけにこの年末年始の犯罪でもこの金絡みの犯罪が目立ったが、先ず複数件挙げられて目に付いたのが金地金の密輸モノか。オーストラリアや近場では韓国や香港などから金地金を密輸しそれを国内で換金、その消費税分を抜いてしまおうという労多くしての原始的なもの。

同じ抜くのでも、この手の消費税法違反や関税法違反ではなくて値幅を抜いて所得税法違反というパターンもあった。まだグラム1,000円そこそこの時から数年間買い付けたものを、06年以降価格が2倍以上になったところで順次売り抜け国税に目を付けられたというケース、これは相場に乗れたマトモな方か。

果ては振り込み詐欺系、その振り込ませる先がインチキ口座ではなくマトモな貴金属販売業者の口座に振り込ませ、貴金属業者には金現物を私書箱宛てに送らせ、後にそれを転売し現金化というパターン。この辺は銀行窓口でも業者への商品購入代金を振り込むパターンから警戒感が薄くなるという効果も見越し、一回200万円を超えない範囲とこれまた犯罪収益移転防止法まで抑えているあたり悪知恵のセンスが光る。

しかし盗品でも何でもそうだが、マーケットというのはそれぞれ最低限の構成があれば成り立ってしまう。上記のパターンもそうだが、EXITが比較的容易に実行出来てしまうその環境も今後再考すべき事項であろう。


欧州流のIR

休みも短く年が明けた実感もそう鮮烈にあるわけではないのだが、街ゆくビジネスマンなど暮れと同様に企業のカレンダーなんぞ幾つも手に歩いているのを見るとやはり睦月だなあと感じる。

さてこのカレンダー、昨年は多くの企業が経費削減とやらで刷るのを止めてしまったところが散見される。JALのキャビンアテンダントカレンダーなどは私も長年使っているがこれも残念ながらもうお終い。ココはなんでもカレンダーのみならずエコノミークラスなどは今後新聞までなくすのを検討中とか。まあ、今が正念場のJALだけに仕方がないのかもしれないが、カレンダーなど名物であっただけに知人のキャビンアテンダント達の中にもこれを惜しむ声が多い。

ところでカレンダーもIRよろしく見てもらってナンボとの部分が多いが、お堅い日本と違って一寸海外に目を向ければ近年やたらと増えているのセクシー系か。JALのカレンダーではさすがにヌード版など無いが、同じ航空業界ではいろいろとお騒がせなあの某格安欧州系では慈善団体基金集めの為とかでキャビンアテンダントのヌードカレンダーが存在するし、バークレイズが触手を伸ばしたロシアの某銀行なども上級マネージャー始めとして女性行員をモデルにしたヌードカレンダーが存在する。

そこで日本、大手メガバンクなど株主を嘲笑うかのように巨額のファイナンスを繰り返しているが、せめてもの罪滅ぼしで微々たる配当と共に株主優待でこんなカレンダーを配る試みなど如何?株数に応じて内容も変化させたりとくだらないアイデアは尽きないが、まあそんな器量というか逆立ちしても無理だろうな。ただこの手の緩みを持たせるような部分も時には疲弊した金融界には必要かとも思うが。


Killer contents

昨日あたりから巷の企業は実質始動となったが処が多いが、百貨店始めとして小売関係は今週が一年を占う意味でも要とその光景も力が入る。昨日までに出揃った09年12月の売上高速報は大手各社が11月比で減少幅は改善となってはいたが、これは歳暮や御節に加えセール前倒し等の特殊事情があってのもの。

さてこの百貨店、年末には御節を書いたがこれと共に年の初めといえば福袋、此処の近所の三越では開店前に数千人の行列が出来てその人気ぶりが窺えたが、その近所の銀座松屋では開店85周年を迎えるにあたって85万円の福袋を用意する一方で、ランチ弁当福袋などお買い得を謳う展開など益々キラーコンテンツ的な様相を強くしている。

そういえば此処銀座は昨今の浮世を反映して街の風景も変遷、直近では新築ビルでも入居予定であった高級ブランドがマルになって低価格大手が入居の運びへ、また店を構えていた別な高級ブランド群も次々と撤退しファストファッション群の看板へと次々に架け替えられている。

一昨年の夏頃に当欄で「銀座は変遷著しく、経済を肌で感じ易い街である。」と書いた事があったが、昨年は更にそれを実感した年であった。さて、今年もこんな変遷が継続するのか、はたまた有名ブランドの逆襲がありや否や、粛々と見てゆきたい。


寅、千里を走るか

皆様、新年あけましておめでとうございます。

さて、株式・商品共に大発会を迎えた本日であったが、両者共に堅調なスタートを切った。大納会で3年ぶりに前年末の株価を上回った株式の方はその地合いを継いで昨年来高値を上回る勢いを見せていたが、はて丑で躓いた分を今年は寅で走ることが出来るや否や?まあ、戦後の寅は殆どが下落しそんな格言通りにはいかない模様だが、実際のところはファイナンス絡めた需給と足元で課題を多く抱える政策の実効性が表面上はキーとなってこようか。

ところで当の取引所も東証では10年ぶりに株式取引システムを全面刷新、この辺はまた後述するとして名証もこのシステムを利用し迅速な取引が可能になったとの事だが、はて商品取引所の方のシステム統合は今年どの程度進展するのであろう?

一方、昨年夏には国内証取として初めてFX市場を開設させた大証の大発会では、同取引所社長の新年挨拶にて「総合取引所構想への対応など、新しい分野への進出にもチャレンジングに取り組む」との言葉も上記と併せやはり気になった点である。斯様に商品業界も今年は干支の格言よろしく、丑躓くから寅千里を走るの如くある意味で再生の兆しを掴めるか否かが焦点となってこよう。

本年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30