65ページ目   雑記

LGBTとマーケティング

先週の当欄ではLGBT等の性的少数者に配慮するダイバーシティへの関心が高まる中、物議を醸し出したジェンダーレストイレ等を取り上げたが、今月は性的マイノリティへの理解を促す「LGBT理解増進法」が成立し23日に施行されている。この手では国際的に日本の取り組みの遅れが指摘されており、更に理解を広げる事が必要とされている。

折しも今月は、今から54年前のちょうど今日(27日)にLGBTが集っていたNYのバーに不当な踏み込み捜査を警察が客と衝突した事件を起源としたLGBTQの権利向上を目指す「LGBTQプライド月間」とされる。先進国の米ではNYでパレードが開催されたが、国内でも各所でこの月間にちなんだマーケティングがなされている模様だ。

ところでマーケティングといえば米では小売り大手のターゲットやバドワイザーを販売するアンハイザー・ブッシュ等がLGBTを象徴するレインボーをテーマにした商品販売や、広告にトランスジェンダーのインフルエンサーを起用したところ、それぞれ保守層による不買運動が広がり株価の急落から時価総額を大きく飛ばすハメになっている。

こうした分野はコア層の分布にも注意しなければばらないが、支持層と保守層に挟まれ「あちらを立てればこちらが立たず」となんとも難しい。先に破綻したシリコンバレーバンク始めとした連鎖破綻然り、SNSが恐ろしいほど進化し顧客の行動が急速に動く環境下では企業も改めて顧客戦略を練り直す必要がありそうだ。


何でもジェンダーレス?

さて、某所でジェンダーレストイレなるモノを初めて見たが、一昨日の日経紙夕刊には「公共トイレにも「多様性」の波」と題し女性や社会的弱者、LGBTなどの性的少数者に配慮するダイバーシティーへの関心が高まるなか、今年4月に開業した東急歌舞伎町タワーの誰もが使えるというフレコミの所謂「ジェンダーレストイレ」が多様性に配慮しようと逆に画一的になってしまったことで対立の構図を招き炎上騒ぎとなった旨の記事があった。

この末尾には「多様性の時代とはいえトイレには改善すべき課題がまだまだ残っているようです。」とあったが、個人的には男女の区別が求められるこのトイレや浴室などの場所と、そうでない男女の区別が求められない場所とのジェンダー差別問題は分けて考えるのを前提としないとこの手の炎上は今後も起こり得ると思う。

トイレといえば日本は設備機能や清潔性など世界一を誇りココはインバウンドの外国人も多く訪れる場所だけに何とも残念な事態なワケだが、しかしトイレに限らず最近は運動会にまでジェンダーレスに重きを置いて本末転倒な例も出ているようだ。先の東京五輪でもトランスジェンダー選手は公平か?と物議を醸し出した一件もあったが、画一的に処理出来るほど簡単な問題ではないだけに各所でのリスクマネジメントが要になってくるか。


アメリカンブレックファーストの憂鬱

昨日の日経夕刊一面には「オリーブオイル大不作で最高値」と題し、主産地スペインの干ばつ等から昨年に続いての大不作の影響でオリーブオイルの価格が5月下旬時点で昨年の2倍近くに急騰し史上最高値を付けている旨が出ていた。地中海料理がユネスコの無形文化遺産に登録されて以降、オリーブオイルはますます注目され今や朝の食卓には欠かせない向きも多いではないか。

しかし朝の食卓といえばここ最近はオリーブオイルと共に朝食に欠かせない食材の高騰が相次いでいるなとつくづく。昨年から問題になっている鳥インフルエンザのタマゴはいわずもがなで、小麦高からパン、南米の大雨でコーヒーも急騰、それに入れる砂糖の原料粗糖も11年ぶり高値、直近ではこれまた主要原産国の不作でオレンジが争奪戦になりキリンビバレッジや雪印メグミルクはとうとうオレンジジュースの販売休止に追い込まれている。

オレンジといえば鳥インフル同様に既に昨年から病害による減産が顕著であったが、これに目を付けた米運用会社の一部などアメリカンブレックファーストの食材等で構成される「ブレックファースト・ストラテジーETF」の目論見書をSECに提出した一件も思い出される。朝食コストの上昇でエンゲル係数もまた高まりそうだが、上記のようにそれらに商機を見出す向きもあり枝葉の広がりに寄与しているともいえるか。


2023年上半期ヒット商品

さて、毎年恒例で先週は日経MJより2023年上半期のヒット商品番付が発表されている。先ずは上位からということで東西共に関脇はアニメ。東のザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーに西はTHE FIRST SLAM DUNK、共に世界中で大ヒットとなっているが、今後も日本初の人気ゲームが続々と映画化される話が水面下では囁かれている。

そして東の大関はChatGPT、公開からわずか2か月で月間利用者が1億人を突破、世界を席巻したが期待と懸念が交錯するなか欧米では早くも規制論が広がっている。そして西の大関はインバウンド復活、足元の円安が外国人の消費意欲を刺激し観光庁によれば1~3月期の訪日客の1人あたり旅行支出は2019年から3割増加しているという。

そして東の横綱が5類移行、西はWBC世界一とハレ消費を刺激する。また複数ある前頭には全戸億ションや伊勢丹バブル超えなどがあったが、4月には芝にアジア最大級のフェラーリのショールームがオープンし、7月には千葉南房総にコーンズ運営の正会員3600万円のプライベートサーキットもオープンする。先週末の日経紙にも高級時計メーカーのパテックフィリップ展示会の全面広告が踊るなど株高を背景に富裕層の消費意欲を擽る試みもまたぞろ復活してきたか。


値上げ耐性

昨日は日清食品冷凍が想定を超えた食材や人件費、物流コストの上昇を背景に家庭用冷凍食品40品目の出荷価格を9月1日納品分から約5~20%引き上げると発表している。同値上げは今年の3月以来のことであるが、40品目というと同社ブランドの家庭用商品の約半分の規模にあたる。

再値上げとはいえこの冷凍食品、他とは違って相次ぐ値上げでも高い値上げ耐性を誇り国内生産や消費量などその市場規模は昨年には過去最高を更新している。先週末の日経紙でも「冷凍食品、食卓の主役に」と題し冷凍食品を取り上げていたが、以前に当欄でも取り上げた大手スーパーや百貨店など小売も冷食に商機を見出している旨が書かれていた。

そういえば春先に銀座三越が地下の食品フロアを2010年のオープン以来、初めて大規模リニューアルさせたが、そこで特に力を入れたのが冷凍食品類であった。本来のお店の味を再現するためにそれぞれ解凍方法が湯煎、氷水、流水などその食材の本来の姿に戻る最良の解凍方法を提案し天婦羅や鮨からラグジュアリーホテルの味まで気軽に食する事が可能になった。今後も値上げ耐性を武器に枝葉の広がりで市場規模の更新劇が続くのは想像に難くないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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