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エンタメ戦略

本日で日経平均は4日続伸、そんな中個別では東映アニメーションが連日の大幅続伸となり本日のストップ高で1万円大台を終値で回復するなど目を惹いたが、先週同社は21年4~12月期の連結決算を発表し純利益が前年同期比17%増となっていた。テレビアニメの放映本数が増えた事が寄与した模様だが、欧米や中国など海外でワンピースやドラゴンボールなどの版権も伸び、2022年3月期の連結純利益も従来予想から一転増益となる模様。
 
斯様に今は過去最大のアニメブームといわれ同社にとっても追い風となっているが、お隣韓国の記憶に新しい「イカゲーム」が世界中でヒットしている様を見るにつけ、アニメーション等がお家芸とされるわりに近年のエンタメの世界では日本がこの韓国の陰に隠れてしまっている感は否めない。

ネット動画配信サービス各社では日本アニメの囲い込み競争が激化、上記のイカゲームを配信したところなど積極的に次の戦略に売って出ている模様だが、折角良いアイデアを持っていながらいま一つそれを活かしきれていない感のある日本は、輸出が急拡大している韓国のエンタメ界からIT時代への対応等も含めて学ぶ点はまだまだ多いのではないだろうか。


如月もまた

本日から2月入り、先に書いたようにパンやスナック等が先月から値上げしているが、今月も今の時期食卓に上がる機会も多いおでんなど紀文が練り製品や惣菜を約8%値上げし、昨今流行の冷凍食品類も味の素の14品目はじめやニッスイ、マルハニチロなどで2~20%の値上げ、また日清フーズやニップン等もパスタやパスタソースを約2~10%値上げする。

斯様な食品の値上げが続く背景としては言わずもがな原油等のエネルギー価格、原材料の高騰、物流コストの上昇に円安、そして新型コロナウイルスの変異株等々、複数の要因が複雑に絡み合いこれまでの値上げ局面とは次元の違いが色濃く出ており、企業のコスト削減努力もいよいよ限界を迎えているといったところだろう。

株式等でもよく使う行動経済学では、消費者は一般的に過去の価格と比較し商品価格の高い安いを評価する傾向が強くこれを原始的に利用しているのが頼んでもいないのにどんどん値を下げ視聴者を煽るテレビ通販の類か。そう考えると買い控えも応分に出てきそうだが、何より賃金アップが追い付かず生活の負担感だけが増してゆくといった悪い物価上昇の深刻化が懸念されるところ。


聖地閉鎖

さて、銀座東急プラザの夜の景観も煌びやかになったが此処には昨年秋に天井までの高さが約27m、一面ガラス張りの窓からは銀座の夜景が一望出来るナイトクラブ「RAISE」がオープンしている。ところでクラブといえば一方で、これまでイベントシーンをリードしてきたあの「ageHa」が新木場スタジオコーストの閉館に伴い今月で同施設での活動に幕を下ろすことになる。

これまで営業を継続するべく土地所有者との協議、交渉を続けて来てクラファンなども行ってきたマザーエンタテイメントだったが、運営するスタジオコーストについて再契約には至らず定期借地権満了に伴い今月で終了の運びとなるようだ。ちなみに明日28日から30日までFINAL WEEKENDとして最後のパーティーを開催予定という。

政府の水際対策の緩和が一向に見込めない事で同パーティーでの来日を予定していた人気DJなどは来日を断念しバーチャルでの公演に変更になった模様だが、いずれにせよこれまで約20年にわたりさまざまなイベントを繰り広げてきた箱の閉鎖は寂しい限り、これまで湾岸エリアなど節目節目で大箱の閉店を幾つも見てきたがまた一つカルチャーが消える事となる。


凍結継続? 

さて、明日にも公表される24日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格が170円以上となる事で、かねてより政府がガソリン価格値上げ緩和措置の発動条件とされてきた水準超えという事からこの発動方針を固めた模様。170円を超えるのは2008年9月以来、実に約13年4か月ぶりの事となるが、政府の異例な価格政策として初の試みとなる。

先に報じられたように政府は1リットルあたり5円を上限とし、元売りに補助金を出して卸値の上昇を抑える方針。但し店頭価格はガソリンスタンド等の各店舗の判断に委ねられており、競争激化を背景にギリギリの線で販売している向きも多いなかどこまで反映出来るのか不透明だが何れにせよこれが如何ほどの効果を齎すのか未知数だ。

政府は財源として2021年度補正予算で800億円を計上しているが、ガソリンを取り巻く環境といえばもともと二重課税の不条理が燻っているところへ斯様な状況に直面するにあたってすっかり凍結されているトリガー条項も今更ながら思い出される。法改正やら税収の絡みもあり政府としては使い勝手のよい?補助金を推したがるだろうが、今こそこの検討に値するタイミングではないか。


ロレックス狂騒曲

さて、今月はロレックスが昨年8月に続く小売価格の値上げを実施したが、先週の日経紙・NEXTストーリーでは「ロレックスに走る人びと」と題し、入手困難なロレックスの人気モデルを求め何百回も通い詰める愛好家から果ては転売ヤーまでそれぞれの行動が書かれており、これまで何度か取り上げた「ウイスキー」同様に近年のロレックスを筆頭とした時計の投機熱もいまだ冷めやらない。

これまた上記のウイスキー同様にコロナ禍の影響で減産から品薄になって仕入れ価格が値上がりしているところへ、旅行等に行けない富裕層などのホットマネーが市場に流入しここ数年で300万~400万円台の中堅クラスは2倍以上に高騰している。この記事にも出ていた人気のデイトナの実勢価格はステンレス製のモノが19年末には200万円台であったが、昨年夏で約400万円に化け、年が明けてからは500万円を超えてきている。

更に同じデイトナでもその上のグレードになるとプラチナ製のモノは19年末に約800万円であったものが昨年夏には約1,500万円、また更に上の18金ローズゴールド製のデイトナレインボーサファイヤに至ってはここ1年余りで2600万円上昇し昨年夏の段階では約5600万円と大化けしていたが、これも年明けの相場は約6500万円と更に続伸している。

こうした入手に困難を極める現象も背景に時計マーケットでは両者をマッチングさせる貸借ビジネス等の枝葉も出て来ており、その利回りも10%を超えるケースもあるなど絡んだビジネスも枝葉が出て来ているが同紙でも指摘している通り「山高ければ谷深し」、今のところ確かに中古市場がしっかりしていて資産としても値持ちが良いが、投機が過ぎて弾ければこの構図も崩壊する危うさも孕んでいないとはいえないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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