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Valentin’s2022

さて来週アタマは毎年恒例のバレンタインデーだが、3連休明けの月曜日と業界ではもっともチョコレートが売れるといわれるカレンダーの並びだけあってそれに向けた商戦も最後の追い込みで喧しい。前哨戦とも言える「サロン・デュ・ショコラ」も今年でかれこれ20回目となったが、コロナ禍にめげず今年も開催されリベンジ消費とも相俟って相変わらずの盛況であった。

リベンジ消費に乗じ他の百貨店でも例えば西武などピエール・エルメとコラボした「茶嘉の道」を33万円で限定販売するなど客単価アップを図っているが、SDGs喧しい世の中だけに総じて今年各社で推し始めたのはビーン・トゥー・バーでもルビーチョコでもなく、環境を意識しフードロス削減にも適ったサステナブルな商品や生産地支援などを意識した環境問題などに配慮したエシカルな商品群か。

例えば上記の西武も高額商品以外にもカカオの生産者の背景などを伝えながら商品を開発しカカオを巡る労働問題に取り組んでいるブランド「マーハチョコレート」が出店、また売上高日本一を誇るバレンタイン催事を開催している高島屋では見た目が原因で廃棄寸前のバナナを使ったトシヨロイヅカの「トリュフ・バナナ」や、小樽ルタオの「ケークオバナーヌ」を販売開始している。

チョコといえばあの大手ロッテも生産地支援を意識したフェアカカオの割合を現在の11%から前倒しで25年には100%に一気に引き上げる予定で、その足掛かりの為に農家の所得向上に努めるチョコのベンチャー企業(ダリケー)の株式を取得したのを思い出す。こうしてみると改めて甘いチョコレートの香りの裏で苦い生産現場が存在している現実を認識させられるが、エシカルに敏感なZ世代など取り込むべくこの手の商戦も変わって来た感がある。


米株マル信解禁

さて、年明けからネット証券などでは米国株式取引のラインナップが充実するなど同分野へのサービス強化が見られているが、若年層を中心に米国株への投資意欲が高まっており投資機会の多様化を進める狙いもあって更に今年の夏からは米国株式の信用取引が解禁される旨が先の日曜日の日経紙に出ていた。

これらのルール改正で日証協や金融庁を動かす原動力ともなったのが上記の若年層の動きで、あるネット証券大手ではここ2年程度で初めて米国株を取引する向きは約7倍に増加し売買代金も17倍に急増、また別なネット系大手では1年間で米国株の取引件数が3.5倍に増加し顧客数も約3倍に伸びたという。

とはいえ国内株のようにストップ制限など設けられていないなど流動性のリスクもあるだけにこのマル信も当初は時価総額条件を満たす大型株等に限定、保証金や維持率共に国内株式と比較して厚く設定される模様。そういった事で山っ気のある向きなど当初は小粒のミーム株など存分に堪能出来るというワケにもいかなそうだが、いずれはこの手のオプション取引なども手軽に出来る日も来るや否や近年の枝葉には隔世の感を禁じ得ない。


ESGモノ増殖

本日の日経紙MarketBeatには「波乱相場が問う選別基準」と題し、昨年12月末時点で世界のESGファンドは5932本となり21年の新規設定が1017本と20年比で14%増えている一方で、ESGの要素を加えておけば投資家から資金を集めやすくなるためESGを冠しているものの環境対応などの実態が分かり難い「名ばかり」ファンドが増加している旨が出ていた。

この辺はブームになった頃からいわれているもので、数年前にも某資産運用大手が新規設定したESGを冠したファンドと他の商品を比較したところその中身は保有上位ベストテンのうち8銘柄が重なっていた事で金融庁のヒアリングを受けた一件もあった事が思い出されるが、昨今の機運で今や企業の多くは何かしらのESG対応を掲げているだけに広義の解釈が都合よく用いられているという事だろう。

欧米ではそのルール作り等に関して先行しているが、日本ではまだこうした分野への出遅れ感は否めないところ。投信などの金融商品はESGに関る資金とその対応等に優れた企業との橋渡し役として不可欠な存在となるだけに、運用会社の目利きが問われるのは勿論のこと今後はそのディスクロの在り方も重要になってくるか。


鬼も内?

本日は節分。昨年は1897年以来、124年ぶりに通常よりも1日早い2日節分が話題になったものだが、明日からは歴の上では春ということになる。最近では関東圏ではあまり馴染の無かった恵方巻も各社の企業努力で購入する向きも増え知名度もやや上がって来た感もするが、一方では豆撒きセットの類などはやや売り場での地位が低下傾向にあるとの感も受ける。

子どもの頃は家族で年の数だけ食べるのが楽しみの一つでもあったものだが、最近では消費者庁が子どもには欲しがってもいり豆を与えないよう注意喚起するなど誤嚥の危険性を訴えたり、撒いた豆の片付けが面倒とやらの理由で販売側の品揃えも恵方巻に傾斜してきたという事か?一方でこの日は豆を投げられ家を追い出される憂き目に遭っていた鬼へ対する擁護論も今のご時世ならではで喧しい。

一昨年大ヒットした「鬼滅の刃」では鬼になってしまった禰豆子が人間と共闘しており、また個々の鬼のバックグラウンドを描いたシーンでは悲哀を盛り込み人間とより近しい存在に描かれている。「鬼は外」と決めつけるのではなく鬼と馴染む「知恵」もこのウィズコロナの時代に重ならないでもないが要は付き合い方次第、「鬼は外、福は内」から「福は内、鬼も内」というコンセンサス?になる日も近いか。


エンタメ戦略

本日で日経平均は4日続伸、そんな中個別では東映アニメーションが連日の大幅続伸となり本日のストップ高で1万円大台を終値で回復するなど目を惹いたが、先週同社は21年4~12月期の連結決算を発表し純利益が前年同期比17%増となっていた。テレビアニメの放映本数が増えた事が寄与した模様だが、欧米や中国など海外でワンピースやドラゴンボールなどの版権も伸び、2022年3月期の連結純利益も従来予想から一転増益となる模様。
 
斯様に今は過去最大のアニメブームといわれ同社にとっても追い風となっているが、お隣韓国の記憶に新しい「イカゲーム」が世界中でヒットしている様を見るにつけ、アニメーション等がお家芸とされるわりに近年のエンタメの世界では日本がこの韓国の陰に隠れてしまっている感は否めない。

ネット動画配信サービス各社では日本アニメの囲い込み競争が激化、上記のイカゲームを配信したところなど積極的に次の戦略に売って出ている模様だが、折角良いアイデアを持っていながらいま一つそれを活かしきれていない感のある日本は、輸出が急拡大している韓国のエンタメ界からIT時代への対応等も含めて学ぶ点はまだまだ多いのではないだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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