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二頭の脅威

本日の日経紙マーケット面には「クジラ再浮上の思惑」と題して、ここ久しく話題に上らなかったクジラことGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株買い観測が先月の株価急落を経て以降先週あたりから出回っている旨の記事が載っていた。

GPIFといえば9月に今年度の運用方針の変更を決定、厚生年金基金の代行返上や解散の加速を背景に短期資産が増加しておりこの辺のシフト思惑というところもあろうが、両者共にそのイグジットに関しては毎度憶測を呼び現況でも大企業の大株主となっている現状に関して間接的利益相反やらモラルハザードに絡んだ議論が毎度喧しい。

週明けの当欄では日銀のETF買いを書いたが、大規模な金融緩和策とポジティブな運用姿勢の結果としてGPIFとの両者で上記の通り多くの大企業の大株主に名を連ねる構図が起きている。コーポレートガバナンスコードの導入で持ち合い解消機運が昨今は盛り上がりつつあるが、反面こういったところが大株主に躍り出てくる様はやはり外から見るに特異に映るのは否めないか。


季節の味覚が危うい

昨日の日経紙夕刊一面では「冬の食材、カニ最高値」と題して、温暖化の影響で水産資源が年々減少する一方、中国と韓国の輸入量が4年間で3倍に増えるなどアジアでのカニ人気の高まりからズワイガニとタラバガニの輸入価格が過去最高値となっている旨が載っていた。

ズワイガニはちょうど本日、日本海側の地域で漁が解禁となったが、上記のような背景の一部に朝日紙では日本海区水産研究所は資源調査に基づき今年は昨年並みの水上げが期待できるものの、来年以降は未成熟の稚ガニ数が少なく資源量減少から3年後には今年の二分の一程度まで激減するとの予測を出している旨の記事を見た。

そんなワケでズワイガニに関してはここ5年で値段が2倍以上になったというが、資源量減少で長らく云われているウナギの高騰からここ数年は異常気象やカニ同様のアジアの嗜好傾向からサンマもその値段が不安定になるなど、夏のウナギから秋の味覚のサンマ、それに続いて冬の味覚も次第に高根の花になりつつある危うさを秘めている。


メジャー&マイナー

週明け本日の日経平均は、先週末の米10年債利回りが10月10日以来の高値水準となった事を嫌気し米株式が4日ぶりに急反落していた事を受け急反落となったが、安値揉み合いに終始した後場は日銀によるETF買い入れ観測も出ていた。この日銀によるETFだが、先週末の日経紙・この数字の項にあった8700億円という数字が目についた。

この数字だが、日銀が買い入れているETFの月間購入額が米国株の急落に連れ日経平均も軟調を余儀なくされた事などから、10月度は8700億円と過去最大級になったという。購入メドなど柔軟にしたがこのペースだと年末には購入額の残高が6兆円を上回る可能性が高いといいまたいろいろと物議を醸し出しそうだ。

ところでETFといえば、投資家層を広げる狙いから楽天証券は三菱UFJ系の16本を、マネックス証券は3本を、SBI証券は一部ETFの手数料を3か月間無料にするとの旨も同紙のマーケット面で見た。さすがに国内個人の主力となっているレバ系はドル箱だけに対象外となっているようだが、曲がりなりにも初日の売買代金は増えた模様で先のマーケットメイク制度導入と併せ裾野が広がる一助となるか否か今後に期待したい。


2018ハロウィーン

周知の通り昨日はハロウィーン本番であったが、昨年台風22号の影響で不完全燃焼となった鬱憤晴らしもあってなのか、渋谷のスクランブル交差点やセンター街あたりでは平日にもかかわらず一層節度の無い激しさを増した行動が報じられていた。

昨年の今頃に当欄でハロウィーンを取り上げた時には、テーマパーク以外でも特に商材を選ばないので様々な業種・業界がビジネスとして参入し易い素地を持っていると書いたが、果たして今年は帰宅困難者向け配車サービスやハロウィーングッズのリサイクル等々イベント後にまで商機を見出したサービスも出てきている。

とはいえここ数年でバレンタインの市場規模を上回って来た事が話題になったハロウィーンだが、その上ザヤに転じた一昨年の1345億円から昨年のそれは1305億円と減少し、今年は減少幅も更に大きくなって1200億円台にまで減少するという推定も一部で報じられている。

10月の恒例イベントとしては定着したともいえるが、過日見たニュースでは今年ハロウィーンの予定がある人は何所で過ごすかという調査では約8割が家で気楽に過ごすと答えており、冒頭のように街中に繰り出すという向きは16.9%止まりであった。ハロウィーンは仮装さえしてしまえばあとは何をやっても良いという点のビジネス楽観論もあったが、今後の消費創造はこうした向きの取り込みもキーとなってくるだろうか。


並存解消機運

昨日の日経紙には「上場区分見直し着手」と題して、JPX(日本取引所グループ)傘下の東京証券取引所が一昨日に上場市場の在り方を検討する有識者懇談会を設置すると発表した旨が載っていた。東証と大証が現物株市場を統合して5年が経過、現在の4つの市場の再編を検討するなど投資家が使い易い新たな市場区分を模索するという。

2部市場と二つの新興市場の区別も解り難いとの指摘もあるようで、個人的には東証にぶら下がるマザーズ、そしてジャスダックはカラー的に2部寄りのような気もするが、この新興市場については当欄では年明けに「新興統合」と題してジャスダックとマザーズの両者を統合する方向で検討に入った旨を取り上げている。

仮に新興市場だけを統合した場合約1000社、その時価総額は約16兆円規模になるが、カバーされていないような知名度の低い銘柄も日の目を浴びるような機会を得て企業側、海外投資家相互のメリットが期待出来る。上記の通り棲み分けの明確化の色が薄れ、近年では海外勢や機関投資家の資金が流入してきている現状から一層その機運が到来したというところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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