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アクティビスト台頭

本日の日経紙マーケット面には「物言う株主 休みなし」と題して、従来の株主総会活動からM&Aに絡んだ動きが近年活発化してきたアクティビストの動向が書かれていた。2015年から適用されたコーポレートガバナンス・コードも切っ掛けになっている模様だが、投資ファンドとアクティビストの攻防もまた増加している模様だ。

此処では日立国際電気が例に挙げられていたが、米投資ファンドKKRによる同社株のTOBに大株主の米エリオット・マネジメントが応じない模様と伝えられている。KKRが一段の譲歩を迫られるとの思惑からその株価は引き上げられたTOB価格をも上回り、本日も年初来高値を更新している。

もう一つこれと同様なケースでTOBに応じない構えを見せているモノとしては、先月米投資ファンドのベインキャピタルがTOBに動いたアサツーDKがある。こちらは現在の株価がTOB価格を下回っているが、既に一度延長しているそのTOB期限も来週に迫っており、元々のパートナー、ホワイトナイト、そしてこれに目を付けたアクティビストの三つどもえの構図がどう決着するのかこれも見ものである。


作るから買うへ

さて、先週末の日経夕刊の一面には「鍋野菜、今年は手ごろ」と題して、昨年8〜9月の台風や長雨など夏の天候不順で高かった白菜の卸値が前年同時期を6割下回り、大根も同4割安に、都内のスーパーでも今年は約2割ほど安くなっている旨が載っていた。

一方で同じ鍋の材料でも鶏肉は近年の健康志向の高まりで都内のスーパーでは前年比で8%ほど高いようだが、この鶏肉も含め御節に使うような食材はサケの不漁続きでイクラが30年ぶりの高値水準にあるなど今年は総じて高値が目立っているという。とはいえ御節を家庭で作る向きは年々減少し手軽に購入で済ませる家庭は年々増加傾向にある。

そういったところをターゲットに大手百貨店等からは秋の気配が感じられる頃からはや御節の案内が喧しいが、今年はインスタ等にアップしたくなるようなSNS映えするような華やかな見栄えのするモノが相次ぎ登場している。幅広い世代に馴染みのあるヒーローものからゆるキャラモノまで登場しているが市場拡大と共に内容も多様化、そこに構造変化も垣間見る事が出来る。


サザエさん彼是

さて本日は東芝の9月中間連結決算があったが、純損益が497億円の赤字となり中間では5年ぶりの赤字、18年3月期も純損益は1,100億円の赤字見通しを出す事となった。ところでこの東芝といえば今月に入り、スポンサーとなっている国民的アニメ番組である「サザエさん」から降板する方向で調整に入った旨が報じられている。

実に48年間もスポンサーを務めて来ただけあって、サザエさんといえば東芝というのは誰でも連想するところだが、株式市場のアノマリーでもサザエさんは業界関係者の間ではジブリの法則と双璧である。即ち同番組の視聴率が上がるとTOPIXが下がり、視聴率が下がるとTOPIXが上がるというアノマリーはその相関係数が0.86と高い事で有名なところ。

まあこの辺は余談だったが、今回のスポンサー降板の報を受けては有名美容外科がいち早く名乗りを挙げた模様で、後継スポンサーが見つかれば2018年3月末にも降板する可能性があるという。債務超過解消を掲げ経費削減強化に背に腹は代えられないという事だろうがこんなところまで影響が及びこれでまた一つ昭和が消えゆくさまは何とも残念なものだ。


裏経済需要

昨日の日経紙商品面には「金の現物購入 復活の兆し」と題して、世界最大の金消費国の中国と第2位のインドで金の現物購入に復活の兆しが出て来た旨の記事があった。中国は通貨政策と資源政策の両面で金輸入を増やす可能性があり、インドは7月から税制改革の一環で消費税GSTを課したがその導入前の駆け込み需要で金購入が増えた面もあるという。

さてこの駆け込み需要はそれとして、このインドでは上記の3%のGST導入と同時に12.5%かかる相殺関税を撤廃しているが、ここに一部の業者が目を付けFTA(自由貿易協定)を結んだ韓国などからの輸入には関税がかからない点を悪用して輸入後に形状を変える精錬を施し転売するというケースが横行しているという。

金を利用した不正錬金といえば日本も密輸に年々拍車がかかっており、財務省も今週はこうした事態を受け17年度予算で金属探知機を早期導入する他、機内検査の強化や罰則を強める等の関連法改正も目指すようだが、裏では抜け穴を見つけこうした地下経済が横行しているのは何も我が国だけの問題ではなさそうだ。


動き始めた大手

さて、その大台が変る度に取り上げられるビットコインだが本日の日経紙マーケット面では「ビットコイン上昇続く」と題して、仮想通貨の代表であるビットコインの価格が日本時間2日夜に1ビットコイン7,000ドル台に乗せ、5日には7,600ドルを上回る場面があるなど依然としてその騰勢が衰えない旨が載っていた。

こうした背景にあるものの一つがCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)が先月末に発表したビットコイン先物の上場計画であるが、先物といえばこれに先駆けて夏にはCBOEも先物上場を発表している他、レッジャーXがCFTCの認可を得てビットコイン・オプションの取引を開始している。

これだけの大手による上場計画となれば参加者増の期待が高まるが、実際に全米最大の取引所であるコインベースではこれが報じられた1日だけでも早速約10万人が口座開設した旨が報じられている。加えて先の8月の分裂に続いて今月中にもビットコインゴールドに絡む分裂思惑もあり、新通貨の権利取り思惑等併せまだまだ年内目の離せない展開が予想される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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