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日銀REIT

先週末の日経紙マーケット面には「さえぬ日銀大株主銘柄」と題して、ここ横這いの続いている東証REIT指数を横目に日銀が発行済み投資口の5%以上を保有する12銘柄の値動きが精彩を欠いている旨が載っていた。

一般的にREITは創設初期の投資口価格の低い時期からエントリーする向きの配当期待商品色が強いが、日銀のそれはETFよろしく残存購入枠の解釈で足元を見られ易く下支え効果が効いていないという側面や、やはり当欄でも度々指摘してきた吸い上げによるリクイディティーの問題が背景にもなっているようだ。

来週には日銀金融政策決定会合を控えはたして更なるマイナス金利拡大があるや否やだが、長期国債利回りに過去のスプレッド水準を上乗せして求めた期待利回りをベースにしても伸び悩み感が否めない点も一部で指摘されてきているだけに、これまで同様の軌跡となるかどうか上記含めてこの辺は不透明である。


三度目の正直?

本日の日経平均も円買い株売りの構図が継続され大幅続落となったが、昨日は同様の商状の中にあってGMOテックやアドウェイズ等のポストが朝方から大量の買い物を集め、後者など昨日のストップ高に続いて本日も二日連続でストップ高まで買われるなど破竹の勢いとなっている。

この辺は周知の通りスマホ向け無料通信アプリを手掛けるLINEが来月にも東京証券取引所に上場すると複数のメディアに報じられた事に因る関連株物色なワケだが、このLINEといえばこれまで数年前の急成長時期から度々年場観測が出ては消えといった肩透かしを辿ってきた経緯がある。

当欄でも一年前くらいに「兆超え再び」と題して取り上げた時の関連銘柄の乱舞が再度上記のように見られたものだったが、当時は末尾で時価総額1兆円超え云々の観測を書いていたものの今回は6,000億円規模に半減、関連銘柄含めさすがにお茶も三杯目になると出涸らし色が濃くなる。とはいえ規模的にはやはり今年最大となるだけに注目のIPOとなるのは間違いのないところか。


回復過程

さて、本日の日経平均はストップロスの円買いの影響もあって急反落となっていたが、昨日までは17,000大台を約一か月ぶりに回復していた。またコモディティーの方も原油が約7ヶ月ぶりに1バレル50ドル大台まで回復するなど国際商品も総じて底入れをうかがう展開に変ってきている。

それに伴って国際商品指数のロイター・コア・コモディティーCRB指数は先週時点で2月に付けた14年ぶりの低水準より2割高く年初来の高水準になっているが、これらを背景に上記の原油で投資比率の引き上げを図るなど、コモディティーで運用する投資ファンドも商品市場に続々回帰してきている模様だ。

新興国の個人消費を支えに世界需要が回復していることもあって今年度の需要見通しが相次ぎ上方修正され国際需給の均衡観測も浮上しているというが、個別毎の需給は異なりロケーション別には為替も絡むだけに全般は立ち直り途上にあっても落とし穴がある可能性は大きいといえようか。


言うは易く行うは難し

本日の日経紙社説には「市場機能を傷めぬ株高速取引のルールを」と題して、今や東京証券取引所の売買注文を席巻している高速取引に関して金融庁が金融審議会の場でITを駆使した株式取引への対応を検討し、必要に応じては新たな規制を導入する可能性もある旨のことが書かれていた。

これに関しては既に先月の同紙でも取り上げられていた経緯があったが、やはり取引業者が破綻し市場の同様が瞬時に世界に広まるフラッシュクラッシュなどの懸念が文中にもあった。これ以外でもレイヤリングや、クォートスタッフィング等々グレーゾーン?の手法をどうとらえてゆくか。

一方でマーケットには欠かせないリクイディティの問題もあることから題の通り市場機能を傷めぬルールという表現が出てくるワケだが、言うは易く行うは難し、現状では不利益を被る何所かがあっての上に微妙な均衡が成り立っている構図にあることに変わりはないか。


不公平是正?

来年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを巡っては、本日これを2019年10月まで2年半先送りするという首相の決断を自公が受け入れる方向となった模様だ。ところで税といえばどこかの予告で見た「美人税」なるタイトルに惹かれてつい見てしまった土曜日の「世にも奇妙な物語」がなかなか面白かった。

番組では財政が逼迫している政府の財政立て直しには美人における計り知れない社会的・経済的恩恵を背景にした「美人税」の導入が不可避との会見が流れ、当事者は給与からの美人税天引きや年金関係の会社負担の絡みが人事問題にも発展している様をコミカルに描いていたが、某著名労働経済学者もルックスによる生涯賃金格差が2700万円という試算も出している。

容姿を背景とした税論ではかつてイケメン税なるものを論じたバラエティー系経済評論家がいたが、なるほど上記の労働経済学者によれば容姿による収入差は男性で17%、女性で12%とか。伊勢志摩サミットでの指摘を布石として消費増税が先送りされた今、今後もこんな如何にもありそうなネタが彼方此方でまた多用されそうである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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