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銘柄共々不可解な動き

さて、昨日の引け間際に起きた不可解な動きとして黒田電気や三信電気の急落が一寸した話題になっていた。黒田電気は引け間際わずか1分そこそこで200円以上も急落、また三信電気も黒田電気とまったく同じ時間帯で150円以上もの急落が目を引いたが、両社とも当欄で取り上げた経緯があるように最近はあの村上ファンド関連が買い集めに走った銘柄として注目されていたモノ。

この引け際を挟んで証券取引等監視委員会による村上氏への強制調査が彼方此方で報じられこの急落現象も合点がいったが、容疑内容はTSIホールディングス株の株価操作という。空売りで不正に株価を下げたというが、当の銘柄は前身が同氏の買い集めから日本で初めてのプロクシ―・ファイトとなった東京スタイルという曰く付きの企業。

まあその辺は兎も角も、借株して利益を得る行為が今回強制調査を受けるハメになってしまった経緯が一寸不透明な感は否めない。最近では貸借指定で無い銘柄まで証券会社が貸すサービスを行っているところまであるが、この手がクロなら魑魅魍魎のヘッジファンドのショートなど殆どがこれに抵触してしまうのではないか?

沈黙を破って再度の同氏復活劇の背景には今年のコーポレートガバナンスコード適用に商機を見出したという部分も大きいとの見解を書いた事があったが、先週逮捕された仕手筋の大物代表も沈黙を破っての復活であった。両者共に相場操縦の金融商品取引法違反容疑で過去にケチがついていた者同士であったが、立て続けに挙げられるのを目の当たりにし正直こちらも釈然としない感は否めない。


今年の改正大綱

本日の日経投資情報面には、金融庁が2016年度の税制改正で要望している株式等の取引とデリバティブ等の金融派生商品取引との損益通算について、ネット証券等が個人投資家の賛否を調べたところ93%が賛成だったことが24日分かった旨が書いてあった。

この辺に関しては確かに今月中旬頃、「個人投資家に有利な税制改正に関するアンケートご協力のお願い」と題してネット大手からお伺いが来ていたの思い出した。その項目は未経験だった新たな投資商品に食指が動くかなど投資行動に変化が出るか否か等複数あったが意欲的な回答もあった模様だ。

税制改正大綱については今からちょうど4年前にも当欄で取り上げた事があったが、当時からこの株式とデリバティブの通算に関しては検討事項に盛り込まれ続けてきた。デリバティブ以前に損益通算といえば直近ではNISAもやり玉に挙げられていたが、総合取引所創設にも絡んで長年の悲願は叶うのかどうか実現の可否には注視しておきたい。


風雲児

さてちょうど一カ月ほど前の当欄では「因果」と題し、証券取引等監視委員会が金商法の疑いでバブル期に大物仕手筋として知られた人物を東京地検特捜部に告発する方針を固めた旨を書いたが、先週はとうとうこの本尊含む3人を東京地検特捜部が逮捕した旨が各所で報道されていた。

この逮捕劇でこれまであまり語られていなかった大学の大学院で助教をしているという長男の存在なども明らかにされたが、同氏はそこで数理ファイナンスを専門にして皮肉にも金融市場の数理モデルにおける流動性の問題などテーマに挙げていたというからなんともというか成る程といったところか。

しかし振り返ってみれば同氏はこれまで大量にカラ売りを誘い現引きも駆使した取組演出から全員参加の派手な相場形成を様々な銘柄でやってのけてきたのが記憶に新しいが、場立ちの連中が消え冷徹な高速売買が市場を席巻する時代にネットを駆使した相場形成で沈黙を破って再登場したのは昔を知る向きにはけっこう衝撃的であった。

場立ち時代に比べ貸借規制も含めはるかにキツくなった背景含めた現代ならではの短期決戦型であったが、やはり最終的にはこんな形で表舞台からまた姿を消す羽目になってしまったのも時代の変化を感じざるを得ない。


こだわりバーガー続々

さて、先週末に所用で青山方面に出掛けた際に、いちょう並木から青山通りに向かって歩いていると神宮外苑まで回り込むほどの物凄い行列に出くわしたが、なるほどその日は米人気ハンバーガー店「シェイク・シャック」の日本一号店の開店日でこんなところに出店したのだなと今更ながら気が付いた。

当欄でも今年の2月に「嗜好の賞味期限」と題しこのシェイク・シャックがニューヨーク証券取引所に上場し公開価格の2倍以上の値をつける人気を集めた様子を書いた事があったが、米の人気ハンバーガーといえば此処に先駆け夏にはオーガニック食材に拘った「ベアバーガー」一号店が開業しており、このシェイクシャックに続いて今度は「カールスジュニア」も年内に日本一号店を開くとの話も思い出した。

此処は前述したように具材へ拘った高級志向を売りにしているが、国内勢も先月にはフレッシュネスが素材に拘ったフラッグシップ店「クラウンハウス」を開業し、モスバーガーも高級ハンバーガーを売りにした「モスクラシック」を今月開業させる。同じハンバーガーでも、圧倒的な店舗数で市場を席巻したマクドナルドが迷走の末に次々と店舗閉鎖を加速させているのとは実に対照的に嗜好の変遷をこれらは物語っている。


連動型が非連動に

さて昨日の日経紙投資情報面では、資本効率に着目した指数であるJPX日経インデックス400を運用成績の目安とする投資信託の資産残高が今年10月末で1年前比3.8倍の1兆1861億円に達するなどその規模が拡大している旨が載っていた。

先行して資金を集めたのは指数連動型商品で最大の野野村アセットのETFは2544億円を運用するというが、野村アセットのETFといえばもう一つ日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信の値動きが特に日経平均に連動しにくくなっている旨の記事もあった。

先週には取引所価格が基準価格を6.31%上回った日もあったというが、ETF不足から売り物に乏しく市場価格との差が広がったとの指摘。この辺はコモディティー組成モノでも可也乖離が著しくなるモノもあるが、これらと違いリクイディティーを確保できてもそれが過ぎればまた同様の弊害が出てくるという皮肉な現象となっている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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