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野菜環境

漸くというか夜にかけて秋を感じさせる風も吹くようになってきたが、今年は全国各地を襲った猛暑やら日照不足やらの影響で、中央卸売市場の先月の野菜の平均卸値が前年同期比で20%前後高くなっている模様だ。店頭で見てもたいして程度の良くない品がけっこういい値札で売られているのもやや恒常化してきている。

今年の場合、上記の通りで天候が高騰の原因となっているがもう一つ、ビニールハウスの加温や資材に必要な燃料等も円安や原油高の影響で費用が上昇しているという問題も指摘されている。数年前の冷夏の時もこの複合的な問題が浮上したことがあったが、今後こうした点はますます顕著化する気配も。

スーパーなど逆手に取って値引きセールの光景も見られこんな時こそやはりデリバティブの出番で商機ありとも思うが、一昔前の野菜先物なんぞ今は無くそれを上場させていた東穀取も解散の憂き目に遭っている。取引所もまだ再考の余地ありだがマーケットを考慮するに損保会社等含め新商品の開発余地もあろうか。


楽園の賞味期限

今週の日経紙一面には「Tax ウォーズ」として、激しさを増している国や企業の税をめぐる攻防の様が連載されている。本日は企業の二重課税問題など取り上げていたが、やはり業界的にこれら絡みで思い浮かぶのは昨日マネーの楽園として挙げていたヘッジファンドとその拠点のタックスヘイブンだろうか。

良質な筋はいうまでもないが、英領ケイマンなどこれまで金融事件となった舞台では頻繁にその名が登場する。なんといってもそれこそタックヘイブンで登録も容易に済ますことが出来る簡素さだからこれを利用しない手はない。ちょっとスキルのあるアレンジャーなどは最盛期にはこうした手続きまで代行?しその分のコミッションもほぼ言い値で掠め取っていたものだ。

今や監督局も改革が動き出し、米国のFATCA法も次期適用になるなど最近はいろいろと変更点も出てきたが、これまでキレイなカネから上記のような黒いカネまで魑魅魍魎の資金を誘致してきた地は今なお楽園にかわりはないといったところか。


ファイナンス評価

本日の日経平均はカバーの動きもあって反発、久し振りにノンバンク株など賑わっており、久し振りといえば不動産系のケネディクス等も急反発となっていたが、同社は先週末に4年ぶりの公募とオーバーアロットメントなどでのトータルで発行済株式数の16%程度のファイナンスを発表している。

これまでの例からファイナンスモノは急落パターンと思われたものの、先に新株発行に係る発行登録を決議したこともあり蓋を開けてみれば織込み相場だった模様だ。しかし急反発のこれは極端な例としても、最近では理論上の希薄化率よりも実際の株価が上回って推移するケースがけっこう目立つようになってきた。

先月の例で幾つか挙げてもオリンパス然り、戻りの度合いでみればで大和ハウスもこのパターンに入る。その前の電通は素直に叩かれたがこれは従前の駆け込み増資ラッシュ時にみられたように手元資金をそこそこ有している分その有効活用に疑問符が付いたパターンだろうか。

背景には空売り規制導入も効いているようであるが、上記の通り過去の資金有効活用への不評価から漸くというか成長戦略への評価が少し出始めたといったところか。


質との両立

今週は身内を迎えに成田空港まで行ってきたが、滑走路を眺めていると昔よく使ったエアラインの懐かしい機体が目に留まる。そんななかでもちょっと前まで見たことがなかった特異なカラーの機体も目に飛び込んできたが、これら所謂LCCの類である。

近年台頭めざましいLCCだが、日本では拠点となる空港がこの成田含めて2箇所しかなくこうした空港成約等が壁になり、また最近では合弁で複数のLCCを手掛けるANAが経営を巡る路線の対立からこのうちアジア最大のLCCであるエアアジアの合弁事業を解消するなどまだまだ根付いているとはいえないものがある。

上記の合弁解消はサービスという部分において両者が歩み寄れなかった部分が大きかったのだが、確かにサービス面で日本は他と一線を画すものがある。今では搭乗手続き等はセルフサービスでカウンター脇に何台も設置してある機械でさっさと済ませる事が出来るが、これとて常に案内の女性が常駐し最後まで自ら機械に触れず終いで済ます事が出来るのは日本くらいだろう。

そんな一方で最近では羽田空港跡地など国家戦略特区構想が浮上した経緯があったが、同空港の発着枠見直しとか国を挙げての議論のなかでこのLCCの位置付けも徐々に明確になってくるだろうか。


新興勢も模索

昨日の各紙報道では、2005年創業の私設電子取引所運営のBATSグローバル・マーケッツが同業の1998年設立のダイレクト・エッジと合併するとの件があった。これまでの米国株での市場シェアは両社共に約10%強なものの、合併の暁には20%強に高まり、長らく米国株で2位の座にあったナスダックを抜く見通しという。

そういえばナスダックといえば先の上海事件に続きちょうど1週間前には同市場の全上場銘柄が約3時間のも間取引停止に陥った一件があった。株価データを送るシステムの障害ということであったが、他の会員の誤発注も然りで近年の超高速化に伴い副産物?の不具合も増加という構図になっている。

これらの障害と付き合い大手どころも国益の壁こそあるもののしのぎを削りつつ統合模索の展開が近年続いているが未公開の新興勢も事情は同じ、最先端の取引システムや安い手数料で既存勢力を切り崩す構図も次第に鮮明になってきたといったところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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