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金の利用法いろいろ

本日の日経紙総合面には「金1,000トン 欧州から中国へ」の見出しで、米国の量的金融緩和策の転換を見込んで金市場から投資マネーが退出、この欧米の投資家が手放した1,000トンの金が中国へ向かったという旨が載っていた。

以前より国、個人共に中国の金保有は年々勢いを増しているが、昨今経済成長鈍化がいわれるなか今年はどういった出方になるのか興味深い。ところで文中には貿易決済を装った裁定取引で金利稼ぎが横行しているという旨も書いてあったが、これで思い出すのはもっと泥臭いところで消費税の掛からない国から金地金を運ぶ手口で付加価値税や関税還付金と日本での売却で消費税と併せダブルで還付を狙った密輸団も居たのを思い出す。

また最近では、例えばこの中国と並び金の嗜好性の高いインドでは金の輸入関税を過去最高の15%まで引き上げるなど金輸入制限措置が講じられているが、例外的に同国外に6ヶ月滞在した非居住インド人には輸入関税を支払う事で金の持ち込みが認められており、業者の中には彼らに対し航空運賃肩代わりと引き換えの持込依頼が横行しているという。

そういえば昨年11月にインドの空港で国際旅客機のトイレから約2億円近くの金の延べ棒が発見された珍事があったが、一部の見方ではこの辺の絡みのものとも見られている。斯様に金取引には税制の違いを利用した悪事も絶えないが、それもまた金ならではということか?今年も金は折に触れいろいろな話題を提供してくれそうだ。


午尻下がり?

皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年の大発会は暴騰発会のスタートとなり大納会も年初来高値更新の引けピンで終ったが、今年は大納会までの9連騰から一転して大発会は急反落となった。大発会のマイナスは2008年以来、6年ぶりの事だが、同じ初商いで急反落といえば年初の当欄で「〜競り合う相手が居なくなれば何処かで終焉を迎える狂想曲〜」とした築地のマグロ初セリも昨年の1億円越えから、今年は競り合う相手が降りやはりというかその値は昨年の二十分の一に暴落?となった。

話は戻って相場だが、今年は「辰巳天井」の後半から「午尻下がり」ということで格言通りなら反落し易い年。なるほど上記の通り早速大発会から急反落で、前回は記憶に新しいITバブル崩壊後で年間約19%下落、その前は更に酷く史上最高値からの暴落で約39%の暴落を記録している。そんなワケで十二支の中では最も冴えなく、午年は戦後五回で平均7.5%下落となっている。

一方で恒例の日経紙「経営者が占う」では従前とは一転して強気な見方が並び、年末の大納会には異例とも言える首相出席があった。その首相は上記の格言を引き合いにして「午の尻下がりなんてジンクスは忘れてください。来年はウマくいきます。来年もアベノミクスは買いです!」と頼もしいスピーチをしていたが、果たして年末に何れが勝つことになるのか?そんな思いを馳つつ今年も臨みたい。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


今年は「倍」

さて、今年の世相を1字で表す恒例の「今年の漢字」は「輪」に決定となっているが、個人的には昨年の「金」も2000年に続いて2度選ばれた経緯もあることで、やはり先月初旬に書いたように2007年に続いて「偽」もありかと思っていたのだがそれは8位。ちなみに2位は「楽」、3位は「倍」であった。

この3位の「倍」も人気テレビドラマの名ゼリフで一般も馴染みがあったが、業界関係者の人気はやはりこれが1番高かった模様。アベノミクスに終始した1年であっただけにこれに絡むがマネタリーベースの2倍目標、それらの後押しで枯れ木に花が咲いたようになった株式市場でも時価総額が2倍以上になった企業が約500社にのぼり、それらと共にボーナス倍増企業も増加しそのアベノミクスを推進する安倍首相の字も倍という具合。

上記の通り日経平均は1年で約6割急騰し、直近の水準も約6年2ヶ月ぶりの高値水準。先の日経紙によればバブル崩壊以降、日本株で積立投資を継続していた場合の累計成績がプラスに転換するまでになったという。こんな好地合いからIPOも7年ぶりの高水準となり、初値も55社目に途絶えるまで負けなし記録を更新の快挙となった。

こうした株高効果で百貨店等では高額消費がすっかり戻り、贅沢路線が其処彼処に復活し脱デフレどころか既にバブル復活の域に達しているとの指摘もある。日本株積立投資の累計成績がマイナスから脱却したのと同様に、バブルで失われた20年から脱却できるのかどうか来年はアベノミクス第2幕の真価が問われよう。

今年はこれで筆を置きますが皆様、本年もご愛読ありがとうございました。
どなた様もよいお年をお迎えください。


クリスマスの光

イヴが明けて本日はクリスマス。百貨店などの主戦場ではこの時期定番のオードブルやクリスマスケーキなど思い思いの品が並んでいたが、今年は一部に高級店等の特設場も設けられ所謂「ちょい高」モノに列が出来るなど数年前から続いたものとは一寸違う光景が見られた。

クリスマスの風物詩といえば11月初旬から始まる恵比寿ガーデンプレイスのバカラなどがハシリだが、今年はこれと同じ日に今年開業した丸の内のKITTE内アトリウムにも新進気鋭のデザイナーが手掛けたクリスマスツリーも登場、この近所では昨日から光の祭典「東京ミステラス2013」が始まり例年の如く東京駅から皇居外苑を結ぶ通りにLEDのやさしい光が道行く人を包んでいる。

このイルミネーションといえばいろいろストーリーがあるのが表参道か。1991年から恒例実施だったが1998年に中止、2009年に11年ぶり復活を果たすも昨年はスポンサー不在で完全形とはならなかったものだったが、今年は協賛企業が付いてはれて再度実施になった。こんなところにも経済回復の片鱗がうかがえるものである。


首都代替構想

連休明けの本日はクリスマスイヴとあって、何処も彼処も通常以上の人出でごった返していた。こんな総出の時に災害など起きませぬようとふと思うことがあるが、先週は国の中央防災会議がマグニチュード7級の首都直下地震の被害想定を見直し、それによれば被害想定額は国の年間予算に匹敵する95兆円に上るなど厳しいシナリオが公表されている。

今回想定で浮かび上がったのは首都を襲う大規模火災で逃げ惑いなど厳しく算出されたが、もう一つ高度成長期以来海面すれすれかそれ以下に発達した地下都市を考えるに水のリスク管理の計算も重要になってこよう。

これら鑑み中央省庁や多くの企業本社が集中する地域だけに、各々がBCPを見直しその影響を最小限に抑える必要がある。上記の霞ヶ関などの政府機関や日銀、東証等の重要施設は耐震化や非常用電源確保等の対策済みで迅速な決済機能を回復としているが、これらと併せてまた首都代替拠点に関しての議論も頭を擡げようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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