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円安駆け込み

周知の通り政府は、次期日銀総裁として金融緩和に積極的な現アジア開発銀行総裁を起用する人事を固めている。この報でドル円は一時2010年5月以来の94.77円まで上昇、お約束のように日経平均も年初来高値更新と高いが、こんな急激な円安によって高くなるのは何も株に限った事でなく輸入モノもまた然り。

高級ブランドなどこの手の為替動向(いつものことながら特に円安方向)には極めて機敏に対処し、仏のLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは日本のルイ・ヴィトン・ブランドの一部商品の価格を中旬に平均で12%引き上げている。

これで駆け込み需要あるや否やと注目はしていたが、某大手百貨店では同ブランドの今月1〜14の売上高が前年同期の2倍に膨らんだという。ただ全般でも主力の大手百貨店では今月に入ってからの高級ブランド売り上げが前年同期比で25%前後の伸びを、見せ何れも1月の伸び率を上回るという。

この辺の数値を見ても株高効果の力を感じるが、しかしこんな高級ブランドに限らず一般モノでも身近なところでガソリンは11週連続高、輸入小麦の買い付け価格も3週連続高となっており、値上げが全く気にならない向きは扠措きそうでない向きもそれなりに円安の恩恵を享受出来る投資関係など防御策?に嫌が応でも関心が高まってこようか。


隕石の真贋

さて最近のニュースでは、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州周辺に隕石が落下したとの報があった。被害地域は10地区に上り落下の衝撃で多数の負傷者が出た一件だったが、隕石といえばほとんどが海に消えるために地上へ来るのは希で落下の予測も天気予報のようにはいかないらしい。

これだけ大きな破片が落下したということでその捜索の方も気になるところだが、同州副知事によって隕石捜索は1日限りで週末には既に捜索を中止したことが明らかにされている。騒動沈静化の狙いとの見方もあるが、やはりというかその直後からにわか隕石ハンターによる偽物の出品がネットに相次いでいる模様。

一部にはロマンを誘う貴石だけあってロレックスのメテオライト等にも隕石が使われているが、世界初の隕石素材を配し時計の中心には太陽系を模したプラネタリウムが取り付けられているルイ・モネのメテオリスなど3億7千万円の値札が掛かる。また米大学にアマチュアが持ち込んだ隕石に85万ドルもの値が付いた件もあってこれに引っ掛け一稼ぎを狙う輩が出るのも自然なところだろうか。

昨日は金を取り上げたがモノによってはこの金の数十倍の値が付くわけだから凄い価値だが、ところで隕石といえば日本でも約一ヶ月ほど前に茨城県を中心に関東の広範囲で大爆発音を伴う先行が多数目撃されたとの報があったが、あれは結局何だったのだろうか?


金レパトリエーション

昨日の日経紙商品面には「独連銀、保有金を自国へ移動」として、ドイツの連邦銀行が先月に国外に保管している保有金のうち674トンを、2020年末までにフランクフルトにある連銀金庫に移し国内保管率を50%まで引き上げると発表した旨が載っていた。

この独といえば公的な金保有量では米国の8,133トンに次ぐ3,396トンで第二位となっているが、これほどの規模でなくとも、この記事を見て思い出したのが一昨年だったか外貨準備の中で金の保有量を増やしつつあるベネズエラが、その国外の銀行へ預託している金準備211トンを国内へと引き上げる動きが報道された件である。

このベネズエラ、国内の金産業を国有化するとの法令にも大統領が署名しているがそれは兎も角も、もともと上記の独は昨年の秋くらいに連邦会計監査院が独連邦銀行の海外に保有する金準備についての検査を行う旨の事が昨年の秋くらいに言われていた経緯がありその辺も絡んでの決定なのだろうか?

翻って本邦、日銀からは保管場所の公表さえなくまずこんな話は出てこない。この独が外貨準備に占める金の比率が70%を超えるのに対して日本は僅かに3%台。独は1973年以降は金の売却をしていないそうだが、日本の場合は40年も日銀金輸入実績がないばかりか逆に金の輸出は最高水準という純輸出国という特異な存在が際立っている様は色々なことを考えさせられる。


今年は何社

米市場が休場とあって本日の株式市場は手掛かり材料に乏しい中を小動きで推移し、東証一部の出来高は26億株と今年初の30億株割れとなっていた。後場は凪のような状態で、結局値上がり1075銘柄、値下がり496銘柄、変わらず128銘柄であったが新興市場など依然として値動きは荒い。

今年一発目のIPOとなったメドレックスなどがそんな例で、公募・売り出し価格の2倍以上にもなる買い気配値を切り上げ初日には値が付かない人気で昨日には3,560円の年初来高値まで急騰したものの一転して本日は2,515円の安値引けと急落、また次に続いた買取王国も然りで初値2,000円から翌日には3,000円まで急騰し本日は安値2,206円と往って来いである。

未だ赤の企業で回転が急がれるのは想像に難くないが、先に上場していたミドリムシ生産のユーグレナ等はこれらのIPOの時にはストップ安まで売り込まれその背景には換金の用もチラつく。ところでIPOといえば今年は60社〜70社との予想が多いが、アベノミクスで地合いが劇的に改善されてきているだけに今後のIPOインデックスがどう推移してくるかこの辺にも自ずと関心が向かうところ。


助勢転じて阻碍か

先に発表となった2012年10-12月期GDPは前期比年率で0.4%減とマイナス幅が前期から大幅に縮小、円高是正や大型財政出動期待から政策主導で輸出や消費が待ち直しているというが、その円といえば週末のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本が名指しされなかったという安心感から大幅円安となっている。そんなワケで果たしてというか週明けの日経平均も冴えない週末の相場から一転して234.04円高の急反発となった。

まさに政府の思惑通りに粛々とコトが運んでいる感じだが、そんな一助となればとの思いからなのか今回のアベノミクスでは政府・与党の要人がアナリストの如く相場の具体的水準に言及する報道がやたらと目に付く。この辺に関しては週末の日経紙社説でも政治家は相場から距離を置いてと書かれていたが、確かに特定の思惑を誘発するのは間違いないところか。

昔も自民系で相場に言及し物議を醸し出した向きは居たが、世論も上げ賛成のなか訝しがる向きも少ないのかもしれない。こんな時代には一方で相場格言の一つ「相場のことは相場に聞け」というのを持ち出してトボけた政府要人もまた混在したが、確かに今はVIが高水準なだけにその影響度から波乱要因となるのは明白だろうし、何とか乗り切ったG20後のいま海外勢と新たな軋轢を作らない為にも自重するに越した事はないだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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