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美術品事情

本日は第二木曜日ということで日経紙には「アートレビュー」があったが、アートといえば印象派で有名なクラーク美術館の代表的なルノワールなどの名品の数々がちょうど兵庫県立美術館で開催されている。

ところでこのルノワール絡みで今週あったニュースに13年前に世田谷の住宅から盗まれたルノワールの絵画が、英国ササビーズのオークションに出されて落札されてしまっていたという件があった。気付いたのが被害者というから流石というか網を張っていたのだろうが、盗難美術品のデータベースに登録されていなかったことで盗品チェックもすり抜けていた模様だ。

もう一つ、盗品ではないが美術品ネタとしては先月には約1万5千円で買ったという江戸時代初期の日本の古美術品が非常に貴重な品と判明し、やはりオークションにて欧州の美術館が9億6千万円で落札したとの報もあった。なにかこう貴重な品々の流出が目立つ記事ばかりだが我が国はこと美術系に関しては上記の盗難一つ取っても警視庁サイドの登録もせずこの分野は発展途上という感は否めない。

欧米では若手がファイナンス系とのコラボで美術品ファンド等を立ち上げる動きまであるが、日本は先ずこういった盗品然り、借り入れもまた然りで名画を巡る国際協力の在り方にはまだまだ課題が山積みという感がある。


残り5ヶ月

さて、クレディスイスによるアンダーパフォーム変更や本日などは日経平均の急反落もあって往って来いに下げてしまったが、先週末はJPXが7月下旬以来の1万円大台を回復していた。これの材料とされたのが、来年春に売買システムの更新期を控えたTOCOMに対しJPXがシステムの共同利用を提案したとの一部報道。

TOCOMは前にも書いた通り2009年に現行の売買システムを採用したが、これが来年の5月には更新の時期を迎える。当然ながら単独更新はキツイということでCME等に提携の打診をしていた経緯があるが、此処の仮条件としては5年で90億円弱、それに対して今回のJPXのそれは5年で60〜70億円という。

また、政府の総合取構想から将来統合の可能性を期待した買いの手もあったようだが、この総合取に関してTOCOM側では年初に今年半ばか遅くても年内には結論を出すと明言していた。その今年半ばは既に過ぎているが、なお単独でのシステム更新も選択肢に残しているとの報もある。残り5ヶ月の間に結が出るか否か引続きなりゆきを見守りたい。


ヘッジ再開

このところモタついている金相場だが、本日の日経紙商品面にも「金相場の上値重く」として国際指標となるニューヨーク先物市場が7月中旬以来の安値を付け、景気回復期待からファンド資金が流れ込んで積み上がっている原油市場とは対照的な様子になっている旨が載っていた。

金は量的緩和縮小観測、原油は上記の通り景気回復期待ということでそれぞれ解り易いが、かつてのインフレを材料に相互に連動という習性も近年の経済環境の変化からこういった構図も過去のものになりつつある。

過去といえばもう一つ、一昔前にごく一般的であったヘッジが復活しつつあるとも同紙国際面に出ていたが、ここに出ていたロンドンに上場するロシアのペトロパブロフスクは金生産の半分をヘッジ、他にもここには出ていないものではオーストラリアのオシアナゴールドもヘッジ取引を開始している事が判明しており、今後この手が広がりを見せてゆくのかどうか注視しておきたい。


バルス!で一回転

さて、先週末は日テレ系の金曜ロードSHOWで「天空の城ラピュタ」が放映され、所謂バルス祭りがツイッターの世界記録を塗り替えたとかが話題になっていた。今年は大手ネット系企業の参戦までに至り、新年の「あけおめ」ツイート記録を更新したというからなかなか無視出来ない現象だろうか。

ジブリものといえばもう一つ、ちょうど1年前くらいに「ジブリにはショート?」として、金曜ロードSHOWにてスタジオジブリの作品が放映されると、その後は円高になり株価も下落するというアノマリーものを書いたことがあったが、こちらも健在。ちょうど米雇用統計に重なるというのもあるが、放映後の円相場は一時1円以上も急騰し、果たして週明け本日の日経平均も200円以上の急反落となった。

これでまたしてもこのアノマリーにハクが付いたというものだが、実際のところ放映前に機械的に日経平均のショートと円のロングをセットで組んだ向きは多く、こちらはツイッターとはまた違った祭りへの参加といったところだろうか。

まあ、実際に冗談でエントリーした向きも週明けにはしっかりと利益を頂いたワケでこれでまた信者が増えそうなものだが、しかしこんな祭りで世界記録樹立とかジブリトレードとか騒がれる日本はやはり平和だなとつくづく。


足利銀行上場申請

さて、昨日書いたクロニクルのように上場廃止から破綻の道を歩むモノがある一方で、破綻劇から再生するものもありで、10年前に上場廃止の憂き目をみたあの足利銀行を傘下に抱える足利ホールディングスが東京証券取引所に上場申請との報があった。

再上場は年内を想定して調整している模様だが、破綻銀行の再上場といえば06年のあおぞら銀行以来だろうか。ちなみにこのあおぞら銀行の再上場で多額の売却益を得たのは西武再上場を巡って揉めているあのサーベラス、二匹目のドジョウならぬクジラ狙いというところだがはたして今回も上手くいくかどうか?それは兎も角、当初の再上場予定からリーマン・ショックやら東日本大震災やらで遅れること数年、破綻から10年目にして漸く再生が完了となる。

しかし足銀株で思い出すのが、この株で数千万円儲かったとかでクリスマスイヴの前日に名古屋のテレビ塔の展望台から大量のドル紙幣をバラまいたという元銀行員という男性か。円ではなく何故ドル紙幣を?としたのは日銀が国策としてドル買い介入を行っていることに憤慨したからなどと嘯いていたのも面白かったが、これに触発された中毒者も多く依然破綻株はマネーゲームの対象になっている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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