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スピードを感じる経営と株価

さて、このところ日経平均もなかなかモタついた毎日が続いていたが、本日は3日ぶりに14,000円大台回復となった。これまで指数への高寄与度銘柄がダレてこの辺も影響大であったが、そんな中でも唯一ソフトバンクが気を吐きなんとかこれらのマイナス相殺に一役買っていた格好。

本日はシティの格下げが響いて大幅続落したものの、このソフトバンクといえば直近では時価総額が一時9兆円の大台を超えてあの三菱UFJFGを抜いたのが話題になっていた。これまでほぼ定位置が決まっていた時価総額時上位の第2位にとうとう躍り出ることになりますますの影響力も感じるが、時価総額が9兆円を越えたのは13年ぶりのことでこの時はITバブルがはじける直前で改めて当時の勢力図等が思い出される。

ところで時価総額が名門企業を押えてその上に躍り出たとこれ以外に話題であったのは、5月のガンホー株か。同じエンターテーメント界の雄オリエンタルランドを抜き一時は任天堂さえも抜き去ったが、このガンホーもまたソフトバンク系である。

この離れ業をやってのけたのが連日のストップ高によるものであったが、今回のソフトバンクも約2ヶ月で時価総額を1兆円も増やしており、両者共経営のスピード感がそのまま時価総額増加にリンクしている恰好だ。


箪笥株の行方

さて、先週から幕張メッセでは国内最大の家電・ITの国際見本市「CEATEC JAPAN2013」が開催され、ライフイノベーション部門にはNTTもエントリーしていたが、このNTTといえば先に所在不明の株主47,000人分の株式45万株を来年にも処分すると発表している。 

これに続いて先月末にかけて報道があった企業には川崎汽船の2,550人分にあたる約46万株や、J・フロントリテイリングの株主1,700人分にあたる約29万株を処分という件もあった。更にNTT以前には丸紅や、先々月には京王電鉄が自社株として買い取りを執行している。

まるで換金しに来ない宝クジのような存在だが、たまに見かけるみずほの呼びかけ告知にこんな奇特な人も居るのかと首を傾げて見ていた私も、実際遥か昔に売却した株式が書き換えされないまま端株分の配当通知云々が長年届いていた時期があった。きっと所謂本当のタンス株がいまだに多く存在するということなのだろうが、債務消滅の時効というのもあるので執行後であってももう一度可能性のある向きは確認して損はないだろう。


日進月歩の技と趨勢

ベルギーのアントワープで開催されていた世界体操選手権において週末の種目別決勝では、白井選手が男子床で、亀山選手が男子あん馬で、そしてベテラン内村選手が平行棒でそれぞれ金メダルを獲得する快挙の報があった。

中でも今回は世界で彼しか成功例がなく、特に注目されていた白井選手の金を取った床運動は圧巻であった。金を取る決め手になった今回のF難度「後方伸身宙返り4回ひねり」は既にFIG(国際体操連盟)に新技申請しこれではれて「シライ」と命名されることになったが、あのミュンヘンオリンピックで生まれた「ツカハラ」から約40年、今では若干17歳の高校生が自身の技を国際的に刻む時代になったということか。

実際上記の世界を驚かせたツカハラこと「ムーンサルト」も今では高校レベルでは普通に大会練習等で彼方此方でお目にかかれるし、先のロンドンオリンピックでのオランダのゾンダーランド選手のD難度以上3種の連続技を見るに末恐ろしい感さえ覚えるが、個人的には停留することの無い流れに美しさを見出していたあん馬の近年の倒立系や、ロンダードから入る跳馬等にはやや違和感を覚えるところ。

斯様に体操界も本当に日進月歩を感じざるを得ない。一昔前の体操といえばやはり美しさが要であったが、今や前人未到の大技を繰り出してDスコアを吊り上げてメダルを狙うのが趨勢になってきている感じがする。


53年の呼称に幕

コーヒーを飲んでいてふと思い出したのだが、今週初めの日経紙・経営の視点には「世界のネスレ なぜ強い」として手厚い福利厚生やその突出した営業利益率等が載っていた。それに倣うべく先に上場したサントリー食品インターナショナルもグローバル企業へ脱皮する為の指標としているのが同社であるという。

ネスレといえば先にネスカフェを刷新した際に半世紀使ってきたインスタントコーヒーの呼称をやめレギュラーソリュブルコーヒーとする旨を発表している。これに対してコーヒー業界からは消費者がレギュラーコーヒーと誤認する恐れがあると一部困惑の声も上がっている模様だが、製品開発も日進月歩で従来の呼称では定義できない商品が出来つつあるということだろうか。

とはいえ日本進出100年目の同社にはやはり先導力を感じざるを得ない。文中にも書いてあったがネスカフェは日本市場だけでも年間120億杯相当を販売、日本人が呑むコーヒーの四分の一を占めるという。イメージ先行でスタバあたりが連想されそうだが、アンバサダーなるユニークな制度も手掛けており包囲網は強固である。

他にもイオンがキットカットを模倣したPBを作った際にも「中身をPBと入れ替えたとしても必ず売れる」と言ったという同紙の以前の記事も記憶に残るが、この一件ではブランドの類似品だけでPBは成長しない事を確認した格好になった。最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきているが、この辺とも併せブランド価値は何かというものをあれこれ考えさせられる。


何れの矢となるか

さて本日のTOCOMでは金の急落が目立っていたが、欧米株式相場の戻りでリスクオフ姿勢の和らぎから時間外での大幅安を映した格好になった。ところでこの金といえばちょうど一昨日の日経CNBCで「ジム・ロジャーズが語る世界経済と金2013」と題しての放映があった。

前半には金市場コンサルタントアナリストのジョージ・ミリング・スタンリー氏が、金市場における政府や中央銀行の存在が需給面でこれまでとは違った変化が生じている旨の話等があり、その次はジム・ロジャーズ氏の対談であったがアンチアベノミクス派だけに、10年20年後振り返った時これは日本を崩壊させる最後の矢だったと評価されると厳しい意見も。

経済再生の鍵となる基本方針の三本若しくは四本の矢も彼から見れば崩壊のトリガーとなるようだが、主要国銀行が巨額の紙幣を刷り続ける様を、「人工的に作り出された流動性の海は枯渇しそして苦しみがやってくる」と例えたくだりもまた非常に印象的であった。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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