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活況の裏で

さて、1週間ほど前の当欄では「遅レス」のタイトルで、末尾ではネット系証券で「最近は約定が上がってくるのがとてつもなく遅い時がある。〜この辺また執行リスクがクローズアップされてきている。」と書いたばかりだったが、本日は10時過ぎあたりから楽天証券の約定が上がって来なくなるトラブルが発生した。

ヤレヤレまたかといったところだが、彼方此方見てみると取消注文も受け付けない上、約定したらその時刻など見るに発注から30分も40分も経ってからの約定となっており、これでは日計りを楽しむどころの騒ぎではないだろう。加えて当然こんな事態の時にはコールセンターなどスムーズに繋がるはずもなく、投資家の不満は更に募るばかりとなるのは想像に難くない。

こういった事態になった時こそディスクロひとつ取っても各社のカラーが出るというものだが、この辺はどうだろう?本日の出来高は新日銀総裁の異次元緩和直後の大活況に次ぐ62億株台と過去2番目の大商いであったが、活況の裏でまたぞろ斯様に新たなリスクも醸造されておりますます個々の防衛も要となってこよう。


機運とジレンマ

本日の日経紙には「日本のおじいちゃん、おばあちゃんへ。」なるタイトルで三菱UFJ信託銀行の教育資金贈与信託の広告が早くも出ていたが、これは周知の通り先に挙げた孫への教育資金としてまとまったお金を非課税で一括贈与出来る制度のスタートによるもの。

また、その前の頁では「地銀、日本版ISAに力」として、来年から始まる少額投資非課税制度に対応し、八十二銀行、北國銀行や京葉銀行がこれらに向けたセミナーや特典、商品投入で顧客獲得に乗り出す動きがこういった地銀系にも広がり始めた旨も載っていた。

斯様に相次ぐ制度改革やここ最近の金融系への関心も後押しして金融各社が思い思いの戦略を打ち出してはきているが、やはり商品開発など大手と中小以下ではその差が鮮明に出てきている感は否めない。本来であれば業界を挙げて盛り上げるところであるが費用対効果で弾いて逡巡というところも多く、この辺はやはりETF創成期をどうしても思い出してしまう。


日経平均プランいろいろ

さて、昨日記の様にここ数ヶ月は段階的に日経平均が次々と大台替えを達成し、直近に至っては僅か1週間そこそこで大台替りを達成。先に書いたように慎重派アナリスト連中の予想が次々と撃沈されているが、それはともかくこんな地合いになってくるとやはりというか彼方此方で出てくるのが所謂「日経平均関連プラン」か。

例えば昨日から大丸東京店では日経平均終値が100円以上高くなれば百円単位で値引きするという「株価連動バーゲン」をスタートさせたが、早速初日は300円引きとなった模様だ。株価が上がったらサービスしましょうというのは何も大丸に限らず、これに先駆けて既に1ヶ月も前に小僧寿しは日経平均終値が前日より上がった場合、翌日には先着30人に中トロ1貫無料と発表している。

しかしこの手は何も今のように地合いが良かった時に限らず、一昔前の株価低迷時でも台場の綺麗な夜景が売りの某ホテルが日経平均の終値が宿泊料金になるプランをやったことがあったなと思い出す。非投資家層にもアベノミクス効果をという意味で上記も面白いが、オプションのエッセンス等を絡ませて更に面白いプランなど一寸考えただけでも幾つも出て来るわけで話題作りのマーケティングもいろいろと知恵を絞る時ではないか。


遅レス

本日の日経平均は5年4ヶ月ぶりに15,000円大台を突破、相変わらず活況を呈しているが東電一社で出来高が6億株を超えるなど凄まじい商いである。捌く方もシステム頼みというところになろうが、週明けには野村総研が証券会社向けに提供しているシステムが一時取引所のシステムに接続出来なくなるトラブルが発生していた。

さて、システム障害といえば米国でも米最大のオプション取引所CBOEで、ソフトウェアの不具合から先月には取引が3時間半停止するという一件があった。また昨年でもあのフェイスブック上場の際のナスダックの障害や身売り話までに及んだナイト・キャピタルの事件もあった。これら何れも高速化が負担になってそれに付随するものに起因しているということだが、既にHFTは広く普及しており後退は考え辛く今後均衡をどう測ってゆくのか大きな課題か。

しかし足元でも上記の通り昨今の大商いの影響なのか、最近になって約定が上がってくるのがとてつもなく遅い時がある。出来ているのは画面で歩みを見ていれば一目瞭然なのだが、日計りなど早ければ既に決済完了しているくらいの時間を報告までに要している事例もあり、この辺またぞろ執行リスクがクローズアップされてきている。


先手と出方待ち

本日の日経紙一面には「FX取引 円・ドル4倍」として急速に進行している為替相場の円安・ドル高を受けて個人投資家のFX取引が、日銀新総裁が大規模金融緩和を決めて以降の1日あたりの売買金額が前年平均の約4倍に膨らむなど急拡大している旨が載っていた。

斯様な取引高増加と言えば証券の如くこちらの業界も笑いが止まらないイメージではあるものの、一方では月内に自主規制団体である金融先物取引業協会などは不透明な価格形成を規制する指針を月内にも打ち出す方針となかなか浮かれムード一色というわけではなさそうだ。

この自主規制といえば先月はバイナリーオプションにおいて、予想する期間が2時間より短い商品は提供を禁ずるなど予想期間や1日あたりの取引回数を規制し、顧客の資産に応じ投資出来る金額に上限を設ける等の自主規制案もまとめられている。

この手の「射幸心」関連とされるものは昨今は自主規制を先手先手で打つ傾向になってきているが、その後はけっこう明暗別れる傾向もまた鮮明でこの辺はまた注視しておきたいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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