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先導役復活なるか

ちょうど一週間前の当欄では不動産価格の底入れ期待からREIT市場への資金流入が加速している事を挙げ旅館REITなどの新顔も登場する旨を書いたが、これに絡んでは先週末の日経紙に「REIT時価総額最高」と題してやはり市場が急拡大している旨も載っていた。

東証に上場するREITの時価総額は同紙によれば週末現在で合計6兆9,136億円と7兆円に迫り2007年5月を抜いて過去最高を更新した模様だが、本日の市場を見ても好利回りとされる銘柄を中心として高寄り後も値を飛ばし年初来高値を更新組が続出している様を見るに今週も何処まで時価総額が膨らむかというところだろうか。

また最近の不動産取引には外資系の特別目的会社が、ちょうど上記の前回時価総額が最高であった2007年以来食指を動かしている例がポツポツと出始めており外資復活の雰囲気を感じる。外資といえばアベノミクス効果からこれ以外にもETFや商品までマネー流入が顕著で、東京商品取引所が纏めた先月の外国人売買高は約96万枚と単月の売買高でこれまでの最高を塗り替えており今後循環で牽引役に躍り出る復活の芽あるや否や一段と注目される。


日銀出資証券の春

さて、国土交通省の公示地価の発表を控えこのところこれをテコに期待先行で急騰してきたものに含み資産関連の所謂土地持ち企業群があった。ザッと挙げても東京都競馬に東京テアトル、よみうりランドに東京ドーム、それに帝国ホテルや松屋等々簿価の安い資産持ちがけっこう楽しませてくれた。

果たしてこの公示では地価に底入れの兆しが明らかになったものの、所謂材料出尽くし感から週末にかけてこれらは売り先行となっているが、上記銘柄以外にもう一つ含みという観点から急騰し抜群のパフォーマンスを上げてきたものに「日本銀行」がある。

最低単元でも1,000万近くとなり、最近は100万前後日中動く事で腕に自信のある向きしか参戦しないだろうが、此処は美味しいロケーションの土地もさることながら金融政策の一環として国債、ETF等々買い入れたものが今や莫大な利益になっており、その出資証券は昨年衆院解散時の30,500円から一昨日の年初来高値94,000円まで実に3倍以上に化けたことになる。

今月中旬の日経紙には「新・日銀 脱デフレへの道」として特集が組まれていたが、「白」から「黒」への交代劇で今後の政策もこの出資証券と併せ注目されてゆくことになろう。


旅館REITの勝算

さて、先週末の日経紙には「4年10ヵ月ぶり高値」として、銀行などの買い越しが2月には月間では最高額となるなどREIT(不動産投資信託)市場への資金流入が加速している旨が
載っていた。利回りの相対的な高さが魅力となっている他、不動産価格の底入れ期待も後押ししている模様。

ところでこのREITといえば最近の面白そうな話題に、あの「星野リゾート」がこのREIT市場に参入することが一部で報じられているのがあった。投資法人を作りそこが同社から保有不動産を買い取る形になるのだろうが、当然ながら主力の軽井沢や京都の「星のや」筆頭に他の温泉旅館もこれに組み入れられる予定。

星野リゾートといえば直近では、三菱地所が来年に着工する大手町再開発地区に同社と組んで2016年をメドに外国人客を視野に高級旅館を運営する旨の発表もしており、多角的に更なる枝葉が広がりそうだ。

オフィスビル主体のREIT市場にこんな旅館REITなどの異色登場は国内で今まで例がなかっただけに興味がそそられるが、別業界から直近ではダイエー買収も視野に入れるとの報道がなされた小売大手イオンもREIT設立を表明しており、斯様な設立母体の多様化から株式に負けず劣らずこのREIT市場も今後は更に面白い状況が訪れそうである。


燃える氷

さて、今週の株式市場で「PM2.5」関連と共に週派手に値を飛ばしていたものといえばやはり「メタンハイドレード」関連だろうか?これは周知の通り独立行政法人のJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による世界初のメタンハイドレードからの天然ガス採取への期待が高まっていた事によるもの。

個別では日本海洋堀削の4日連続ストップ高筆頭に、三井海洋開発、鉱研工等の掘削技術モノがストップ高を交え急騰、また今回使われた日本海洋堀削の出資元で今回操業担当の石油資源開発や国際帝石も賑わうなどその物色対象も広がりを見せている。

さて株式市場は先取りして株価急騰なるも、最初はみなそうだが実用化には未だコストが高いのがネック。現状では割高といわれているLNG輸入価格の2倍の開発コストになる計算で、予想を下回る生産量の場合は更に倍になる計算と日経紙には出ている。斯様に課題は多く更なる技術革新も求められるが、国産エネルギー活用の第一歩を踏み出した訳で今後の成り行きに大いに期待したいところである。


引継ぎ商品

さて、先月に東京商品取引雨所が発足してからちょうど1ヶ月が経過した。先に中計策定も発表しており、昨日の日経紙でも「東商取、発足から1ヶ月」として載っていたが、東京穀物商品取引所から引き継いだ大豆、トウモロコシ等の主力含む4商品の売買高が旧東穀取時代の年明けから先月までの実績比で13%減と低迷している模様だ。

確かに季節柄穀物系はあまり活況になり易い素地ではないものの、どうも合併やら解散等で消えることになった取引所から引き継いだ商品が先細りになってくると上記の旧東穀が横浜商品取引所と合併して受け入れた商品が全滅していった様なども思い出され不安になるが、まあこちらはメジャー商品だけにそんな筈も無いだろう。

また末尾には別モノ扱い?で大阪堂島商品取引所へ移管したコメ先物の売買高が一日平均100枚前後にとどまっている事も書いてあったが、この辺同所では10月物からデリバリーの上乗せ金をゼロにする方針を決めている。本上場を控えこちらもどういった去就になるかだが、双方何れも今後は活性化の本気度が試されることになろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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