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円安で乗れず?

先週あたりから週明けには1ドル100円大台が見られるとの呼び声も高かったものの、果たしてここ数日はこの大台を前に足踏みと焦らせるような動きを見せている円相場だが、企業群でははやこの辺が好感されて為替感応度が高いものから循環物色され年初来高値をかわるがわる更新という流れになっている。

自動車なんぞはこの流れだが、こんな「陸」モノとは対で「空」の方はなかなか冴えない動きが続いている。双璧のJALやANAも配当目当てで賑わって以降は年初来高値更新がお預けになった格好になっているが、当然ながらこちらは逆に円安が懸念されるというパターンである。

JALの再生に関してANAとは確執が継続され未解決な部分も道半ばであるが、両者共にこんな為替だけでなく足元では鳥インフルなどそうそう無視出来ない問題も出てきており、何処でアベノミクスの恩恵にあずかることが出来るのか株主ならずとも気になるところではある。


取引参加者の意識改革

今週も週明けから日経平均は大幅続伸し年初来高値更新となっているが、先週末の日経紙にはこんなアベノミクス効果で2012年12月〜2013年1月の間で個人投資家の約8割が金融資産を増やしていたことが日経マネーの個人投資家1万人調査で分かった旨が載っていた。

こうした中には積極策を取らないまでも値洗い改善の効果組も応分に入っていようが、各種マネーコラムのタイトルには乗り遅れた向きも未だ間に合うとか、手っ取り早く値上がり益を狙う目的でレバレッジ型ETFの物色が盛んになっているような記事も出てくる等、新たに投資にチャレンジしようという向きも増殖しつつあるのを感じる。

一方で本日の日経紙サーベイでは、現預金以外の資産比率を現状維持にしたいという向きが54.9%となっている旨が載っており、では比率を上げるのにはどんな条件が揃えばよいかとの問いには、どんな条件でも上げないとの回答がトップになっていた。ところでその少し前の頁にも「株高でも焦る日証協」とのタイトルがあったが、会員への信頼感がネックになっているという部分は考えさせられる。

デフレ一色で市場が味方しなかった昨年迄と違い環境が整った今は啓蒙のチャンスなのはいうまでもなく、こうした機会を無駄にすることなく企業のIR同様に各所も啓蒙を再考すべきではないだろうか。


選択肢

さて昨日も触れた金だが先週記で「行列再び」として、GINZA TANAKAあたりでは金の売買を目的として再び行列が出来ている旨を書いたが、今週に入っても相変わらずの行列光景もその中身は先週の主に売却色から今週は一転購買色がぐんと濃くなっている旨の記事を見掛けた。

しかし今回のように一般的に尋常で無い相場の物は現れると彼方此方でその背景を謳う経済記事が溢れてくるが、今回もけっこう合点のいかないモノが多く金買いの対極でアベノミクスを酷評するものなど違和感を感じるし、また金製仏具が売れている件に関しても家宝としてとか果ては火事に遭っても価値を残す事が出来る云々の解説が為されていたモノもあったが、ぶっちゃけのところこの手は「節税対策」というのが本音だろう。

まあその辺はともかくも金の購買に3時間待ち云々との報道を目にするに付け、例えば先物の現引きやはたまた数あるETF等でも物を引けるモノもあるし、また小口でも同等のパフォーマンスとなるものも多数ある訳で、そういった選択肢等においてもますます啓蒙の必要性を感じざるを得ない。


山高ければ・・・

昨日は新しくこちらの金関連情報サイトがオープンしているが、見出しにも羅列されている通り金の国際価格が直近で急落を演じた。中国の1-3月期GDP成長率が市場予想を下回ったことで中国景気の減速懸念が嫌気されたというのが一応は理由の一つとされているが、GSの絶妙なタイミングでの推奨もいろいろと思惑を増幅させている。

斯様な暴落に見舞われると、年初に慎重に今年のレンジなんぞを説いていた関係者などの予測もあっという間に外れるというものだが、この辺は年初の日経平均の見通しなんぞと同じことで、年間などというスパンで予測してしまう事が如何に意味を為さないものなのか改めて考えさせられる。

さて、コモディティはショートするにも株式のそれとニュアンスが違う向きも多く気軽に?ショート出来るというところも便利だが、株式の方は差し詰め金関連ということではやはり別子こと住友鉱あたりがそれで、直近年初来安値を付けて急速に戻り歩調になっていたのも束の間、一気に二割近くも急落となり他の財閥系モノも揃って連れ安といったところ。

その辺は兎も角、そんな中を今週末から高島屋新宿店では金の買取と販売の専門店を導入の予定とか。金の催事モノは大手中心によく仕掛けられるが、百貨店で常設を設けるのは珍しい。まあこんな運びになるのもここ最近近年で金の注目度が高まったことのなせる技だろうか。


豚の次は鳥

一寸前までPM2.5やら黄砂やらと中国から飛来する脅威の話題に事欠かなかったが、今紙面を連日賑わせているのがやはり鳥インフルエンザか。これまた中国で感染が相次いでいるワケだが、はやパンデミックを先取りして株式市場ではマスク関連や感染管理品、検査キットまで急騰し、本日も年初来高値を更新しているモノが目に付いた。

こうした関連が突飛高しているのを目にするにつけ思い出すのが、4年前に騒がれた豚インフルエンザだろうか。あの当時は家庭用消毒薬の2か月分の在庫が数日で姿を消し、無いモノねだりの極みではマスクなんぞネットオークションで数倍から10倍の狂乱価格で落札されたような事件?もあった。

また関連株も以前触れた当時は「今後同様なことが起こるや否や三度目、四度目の各相場を迎えるにあたり今後どのように各々学習効果が発揮出来るのであろうか。」と書いたことがあったが、こちらは過敏に反応するが勝ちとばかりに記憶力の勝負になってくるものの前回あれだけ騒いだ割に何時の間にか事態は沈静化していった経緯をふまえ、ここでも正確なディスクロと適切な行動が求められようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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