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時世と解釈

さて昨日の日経紙財務面では「ダンスが追い風」として、セントラルスポーツの2012年4-12月期の連結営業利益が前年同期比4割増となった模様との記事が出ていた。これを受けてか株価は本日も年初来高値更新となっているが、新学習指導要領に基づき昨年から中学校でダンスが体育必修科目となった事がダンススクールの会員数を想定より増やしている模様。

さて、そんな社会的地位位?を固めつつあるダンスであるが、同じダンスでも裏の方では昨日ちょっと取り上げたジュリアナから派生したクラブのようなところの規制は風営法を持ち出され昨年あたりから西麻布や六本木界隈の名店摘発などに見られるように締め付けが加速している。

風営法によればダンスは、享楽的雰囲気が過度にわたる可能性があり善良な風俗を害する恐れがあるものらしい。額面通りに受け取れば学習指導要領も再考しなければならないが、こんな埃を被った法を盾に大箱の摘発が相次ぐ背景には何かこう別の意図が隠れているのではないかと勘繰ってしまう。

そもそも風営法が出来たのも数十年以上も前の話、時代と共にこれらも変わっていって然るべしだろうが、これこそちょうど一週間前に「一括り論拠を裁く」として書いたこれまた根拠希薄な例で、ましてや上記の通り単に別件で本当の狙いの為の大義名分に利用されているだけだったら、それこそ関係各所等いい迷惑というものだろうか。


ジュリ扇

本日の日経紙「春秋」では、消費者物価指数上昇率のところで「ジュリアナ東京」オープン時のことが引用されていたが、思わず懐かしい名前に目が行ってしまった。ここにも同店がオープンしたのはバブル崩壊後と書いてあるが、当欄でも以前に「JULIANA時代は既に一般でバブルと言われたものははや終演を迎えていたのが事実と思う。」と書いた事があるのを思い出した。

正確にはバブル期といえばこの近所であれば「ゴールド」や「MZA有明」あたりが全盛を極めていた頃だろうか?この頃はまだ「鶴丸」も元気があり、CAが仲間と息抜きでハメを外す姿がVIPルームなんぞで彼方此方見ることが出来たものだが、斯様に当時の光景が浮かんできて懐かしい。

ちょっと前だが、久しぶりに札の辻を通る機会がありこの界隈を徘徊したが、僅かに輪郭らしきものを残す看板跡と対照的に無機質なオフィスビルが聳えており、バブルを知らない世代も多くなってきたなかでそれらは粛々と時の変化を刻む佇まいを見せていた。


セカンダリー上場

本日の日経平均は金融緩和発表後に乱調となり小幅続落に終わったが、このところの高下では日経平均への高寄与度銘柄も同様にボラタイルな展開が目立ち裁定中心の値幅構成という一部も垣間見られる。ところでこの高寄与度の中でもダントツの寄与度を誇るのはファーストリテイリングだが、同社が年内にも香港市場への上場を計画との報が伝えられている。

香港市場に上場している日本企業といえば一昨年のSBIHD、そして昨年当欄でも取り上げたパチンコ業界のダイナムが記憶に新しい。前者の場合は東証で既に存在していることで当然ながらセカンダリー上場だが後者の場合はプライマリー上場、香港はセカンダリーの場合預託証券形式となる。

こうした形式の場合低リクイディティーがネックになる懸念もあり、寄与度も高いだけに同時上場となった後の影響度等はどうなのだろうかというのも気になるが、何れにせよダイナムの上場でより一層関心が向かう事になったのも事実。市場から一旦消えていったMBO組も関心を示しているところがあると聞くが今後の動向に注目である。


輝き戻るか

週明けの本日は一服となった貴金属だが、国内は円安効果がやはり大きくTOCOMの金先現は先週に上場来の高値を更新している。他もプラチナのそれが約1年9ヶ月ぶりの高値、銀も約11ヶ月ぶりと全面高となっていたが、この貴金属といえば同じく先週にはプラチナの国際価格が約10ヶ月ぶりに金を上回る事となった。

この辺はもちろん国内も約9ヶ月ぶりに逆転現象が解消されることとなったワケだが、アノマリーに賭けて逆転直後に裁定組んだ向きは今回はけっこう苦戦が長引いた様子であったが漸くというか状況が多少改善しヤレヤレということになるか。

ここまでプラチナが回復したのは英アングロアメリカンの新CEO決定の報で鉱山閉鎖の思惑が出た事もあるが、やはり世界的な株価回復と自動車産業復活期待に因るところも大きいだろうか。そういった事を考慮すると、トヨタなどリーマンショック後の戻り高値を早々と更新しているなかコモディティの感応度はなんとも鈍かった感がある。

先物も年が明けて漸くこうした現象となったが、ETF等も株価が政権交代を好感しいちはやく8,000円台から10,000円の大台に乗せてくる過程でもプラチナ系のそれはその半分以下の上昇率にとどまっていたものだ。まあそういったタイムラグがあるからこそ裁定機会もあるといえるが、こうしたタイムラグというかプライヤーに懐疑心が植え付けられたのも前政権罪過の一つともいえるか。


一括り論拠を裁く

本日の日経平均は引けこそ小反発であったが、日中はやはりボラタイルな動きであった。乱高下といえば新興市場などは大化け銘柄がここ数ヶ月で相次ぎ、今や1日の変動幅が1ヶ月ほど前の元々の株価くらい動くのもザラで、先週からストップ高の連発を続けようやく本日は一転してのストップ安で5万円安と一服したケンコーコムなども1か月前の株価は4万円台であったからそのパターンか。

ところでこの株、ご存知ネットでの医薬品通販を手がける企業だが、3年半に及ぶ厚生省との戦いに終止符が打たれ再度医薬品のネット通販が再開されることになったものが連日囃されていた格好。まさにこれで国が負けた格好になったワケだが、これだけネットが発達し関連ビジネスが多様化した時代、規制の看板を持ち出すにも潮流の動きをくまなく理解した上で対処しないとお上も予想外?の結果が待っているということだろうか。

ところで余談だが、国が敗訴となった事例の一つにメイプルソープの写真集が猥褻に当たるか否かで税関と争った件があったのを思い出す。以前に知人のデザイナーの女性から写真集をプレゼントしてもらって以来私もファンだっただけに興味深く見守ったものだが、意外?にも芸術性が考慮されたのを機に最高裁への見方が一変したものだ。根拠希薄なものに対しては今後も公正な裁きが続く事を期待したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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