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輝き戻るか

週明けの本日は一服となった貴金属だが、国内は円安効果がやはり大きくTOCOMの金先現は先週に上場来の高値を更新している。他もプラチナのそれが約1年9ヶ月ぶりの高値、銀も約11ヶ月ぶりと全面高となっていたが、この貴金属といえば同じく先週にはプラチナの国際価格が約10ヶ月ぶりに金を上回る事となった。

この辺はもちろん国内も約9ヶ月ぶりに逆転現象が解消されることとなったワケだが、アノマリーに賭けて逆転直後に裁定組んだ向きは今回はけっこう苦戦が長引いた様子であったが漸くというか状況が多少改善しヤレヤレということになるか。

ここまでプラチナが回復したのは英アングロアメリカンの新CEO決定の報で鉱山閉鎖の思惑が出た事もあるが、やはり世界的な株価回復と自動車産業復活期待に因るところも大きいだろうか。そういった事を考慮すると、トヨタなどリーマンショック後の戻り高値を早々と更新しているなかコモディティの感応度はなんとも鈍かった感がある。

先物も年が明けて漸くこうした現象となったが、ETF等も株価が政権交代を好感しいちはやく8,000円台から10,000円の大台に乗せてくる過程でもプラチナ系のそれはその半分以下の上昇率にとどまっていたものだ。まあそういったタイムラグがあるからこそ裁定機会もあるといえるが、こうしたタイムラグというかプライヤーに懐疑心が植え付けられたのも前政権罪過の一つともいえるか。


一括り論拠を裁く

本日の日経平均は引けこそ小反発であったが、日中はやはりボラタイルな動きであった。乱高下といえば新興市場などは大化け銘柄がここ数ヶ月で相次ぎ、今や1日の変動幅が1ヶ月ほど前の元々の株価くらい動くのもザラで、先週からストップ高の連発を続けようやく本日は一転してのストップ安で5万円安と一服したケンコーコムなども1か月前の株価は4万円台であったからそのパターンか。

ところでこの株、ご存知ネットでの医薬品通販を手がける企業だが、3年半に及ぶ厚生省との戦いに終止符が打たれ再度医薬品のネット通販が再開されることになったものが連日囃されていた格好。まさにこれで国が負けた格好になったワケだが、これだけネットが発達し関連ビジネスが多様化した時代、規制の看板を持ち出すにも潮流の動きをくまなく理解した上で対処しないとお上も予想外?の結果が待っているということだろうか。

ところで余談だが、国が敗訴となった事例の一つにメイプルソープの写真集が猥褻に当たるか否かで税関と争った件があったのを思い出す。以前に知人のデザイナーの女性から写真集をプレゼントしてもらって以来私もファンだっただけに興味深く見守ったものだが、意外?にも芸術性が考慮されたのを機に最高裁への見方が一変したものだ。根拠希薄なものに対しては今後も公正な裁きが続く事を期待したい。


歌会始の儀

本日は新春恒例の「歌会始の儀」が皇居・宮殿「松の間」にて開かれた。ちょうど一年前にもお題であった「岸」に触れ、この歌会始めが妙な神通力を持つ株式市場について書いたことがあったが、当時物色の柱となった橋梁系は昨日の首都高速道路有識者委員会の発表から奇しくも一年後の本日も尚物色されていたのが印象的であった。

もっとも一年もこのテーマが蒸し返し物色されるほどであるからそれ自体中期的に問題視されていたのは明白なところだが、今年のお題は「立」。今年も「辰巳天井」ということで兜町連中は相場が立つなどと験を担いでいたものだが、これまでのところでもこの歌会が意識されるにつれ好調なパフォーマンスを誇っているのが幾つか散見された。

以前にも書いたように「家」の大和ハウス、「水」のウォーターフロント大相場などが作られ、一昨年の「葉」からJTが安定的に値を上げてきているなどこのお題はなかなか侮れない。といったところで来年のお題は「静」。鬼が笑うのをよそに一年先取りするのが兜町界隈、早くも関連銘柄には仕込みが進行しているとの噂もあるがさてそのパフォーマンスは如何に。


絶好のタイミング

本日は経済財政相発言による円安一服から日経平均こそ後場は多少ダレたものの、相変わらず個別の回転が凄まじい。大型ならまだしも中、小型なんぞで一寸仕手化したものなどは数回転でそれこそ発行済株式をこなしてしまうケースが多数散見され個人含めたデイトレーダーの存在感が浮き彫りになる。

そういえば先週末の日経紙にはマル信の取引が急増している旨が出ており、大手ネット系7社の今月の1日平均(4〜9日)売買代金は先月平均の約2倍になったという。周知の通り規制緩和で証券取引所が受け渡し前の証拠金使い回しが可能になり、マル信利用が急増したという構図だが昨年後半からの金融緩和期待の好材料出現もあって絶好のタイミングに乗ったという感じか。

売買代金も不振を極めていた頃は商取のプロップのように狭いパイでの食い合いが多かったが、こんな甘い香りに釣られて新参者が急増すればリクイディティに大いに貢献することになり腕に覚えのある向きにはまた一段と取り易い環境になるというものだ。

ところで取ったら取ったで収めなければならないものだが、政府は個人が投資から得た配当や譲渡損益を通算して課税する仕組みを拡充、損益通算対象を公社債等債券にも広げる方針を固めた。上記の件も含め個人の眠っている資金が動き出すように税制面からも環境を整えるという事だが、それこそ先ず配当・売買益課税軽減措置は恒常化し最終はやはり全ての損益通算体制ということになろうか。


卓上論者でも当たる年?

さて、本日の日経平均も政府・日銀の連携強化による強力な金融緩和策への期待から続伸しての引けとなった。一昨日の日経紙にも株価見通し上げ相次ぐと出ていたが、こうなると上がってきたから上方修正、上方修正されたから上がるのスパイラル現象となり楽観ムードが蔓延してくる。

見通しといえば日経恒例の「経営者に聞く今年の見通し」は、昨年の大納会を年初来高値で締めた株式の急騰によって判で押したような年末高という大半の回答が当たってしまったという珍事?となった。

こんなまぐれ当たりから今年の見通しもどれだけ風呂敷が広げられるのかと思っていたのだが、意外にも年明けの日経紙のそれは大手証券など恒例の年初安・年末高という数年間続いてきた「お約束相場観」が今年は一寸違っていたのが印象的。有望銘柄にしてもアベノミクスにおけるその経済人脈から、昨年まではキャピタルゲインという観点からは相手にもされなかった重厚長大銘柄等これまたどの程度をもって有望というのかどうかだが当たってしまう?かもしれないなと。

ともあれこうした機運で長年眠っていた資金や口座が喚起され血の巡りが良くなるのは悪いことではない。劣悪環境下での企業努力から強靭な体力を構築しリバウンドでも経済も回るようになれば、あれだけ散々云われていたリーマンショックやら欧州危機まで必要悪だったとの論が出てくるから面白い物だ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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