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PTSも夜間も

このところ金が弱含み昨日まで期先など約2週間ぶりの安値を付けていたが、そんななかでETFも乱高下、昨日など寄りからの値上がり率ランキングには仕手系銘柄群に交じってETFS金上場投信などがあったのが目に付いたが、なるほど商いがまだ16株程度では斯様に値が飛ぶのも致し方なしか。

金関係で値が飛んだといえば、ちょうど1週間前のTOCOM夜間取引にてわずか5分間の間に金が50円安と急落したのが一寸した話題になっていたが、約7,000枚の爆弾などプログラム売買によるものと考えられている。

こんな乱高下ではもう一つ最近目立つものにコモディティーではないがPTS市場がある。けっこうマトモ?な銘柄が突如として急落したりするからこれもときおり話題になるのだが、システムも自動化や高速化の発達と共にやはりこうした問題は常に付いて回る。

このPTS、既に取引量増加については何度裳取り上げてきているが先月のSBIジャパンネクスト証券の月間売買高は月間で初めて1兆円を突破、もう一つのチャイエックスジャパンも先月の売買代金は10%増という。商いの薄いETFなどは当然ながら、ある程度のリクイディティのあるものでもこの手の執行リスクにはまだまだ注意が怠れない。


残存利益

昨日は中央自動車道・笹子トンネル天井崩壊事故でその関連株が急騰した旨を書いたが、本日も昨日の地合いを継いで日本橋梁など筆頭にそういった関連株がザラバで派手に値を飛ばす場面が見られた。

この日本橋梁といえば、トンネル事故が起きる先週から買われていたが、これは同業の橋梁メーカーのサクラダが先週パンクしたために「残存者利益」期待への思惑が募っていたもの。このサクラダの一件でもう一つ敏感に反応し激しい動きをしていたモノにやはり先週私的整理の発表をした中山製鋼がある。

この中山製鋼、当欄では今年の6月に「GOING CONCERN」と題し末尾には「〜業界大手が筆頭株主になっている企業も登場したところが興味深い。一昔前と違って近年は再編の嵐で不採算部門への見直しが顕著、上記の通り大手が筆頭株主でもウカウカしている場合ではないということか。」と書いたが、これは同社のことであった。

こうしたパターンでは海運市況低迷から同様に厳しい立場におかれていた第一中央汽船も筆頭株主である商船三井の支援を仰ぐ格好になったがどの業界も厳しさ満載、日立や三菱重工の事業統合も発表されているが今後も再編の流れが加速してくるか。


災いをテコに?

本日の日経平均はザラバで約7ヶ月ぶりに9,500円台を回復するも、一部達成感もあり後場はややダレるなど強弱感対立するなかで辛うじて3日続伸となったが、やはり師走入りということで今年も材料株相場の様相が出てきている。

中央自動車道・笹子トンネル天井崩壊事故で、トンネル熊さんこと熊谷組やハザマ、ピ−エス三菱や日本橋梁までその関連銘柄がストップ高含む急騰を見せた。もともと自民党政権復帰の可能性から国土強靭計画による公共投資拡大に期待がかかりこの先週までの上昇でカラをある程度呑み込んでいただけに、粘っていた向きの踏みも週明けから一役買っている模様。

またトンネル関連ほど派手さはないが、北朝鮮の人工衛星と称する長距離弾道ミサイル発射予告を受け、防衛庁もパトリオット搭載準備を進めるなどまたかという二番煎じながら石川製や豊和工、東京計器など防衛関連も軒並み高。何かこう災いばかりが好材料になっている感だが、強弱間の対立するところで平均の伸び悩みをカバーするために資金の回転を効かせるのにはこの手の材料は渡りに船でなんともタイミングが良いといったところか。

余談だが、トンネルというとやはり思い出されるのは佐藤工か。今も市場に上場していれば真っ先にストップ高コースだっただろうが、バブル崩壊と共に市場から消えてしまったいま当時の時折見せた大相場がなんとも懐かしく思い出されるものだ。


本領発揮

昨晩の米株式は反発、再度大台を窺う展開となっているが「財政の壁」回避へ年内合意の期待という他に今年もヘッジファンドの45日前ルールも健在といったところか。ところでヘッジファンドといえば週初の日経紙にはハイリスク・ハイリターンを求めるヘッジファンドが、南欧で最も厳しい状況のギリシャの債券や株式の投資に乗り出している旨も書かれていた。

リスク選好はこれにとどまらず本邦もターゲットにされており、不振を極めている大手家電や鉄鋼、紙に至るまでボロボロに売られた企業のCDSにも積極的な投資姿勢を見せているとも先に報じられている。上記などギリシャの動向如何では資産の毀損が著しくなる可能性もあるが、これら可也危機を折り込んだ水準と判断し上手くいけば1年で2倍に増えると見ている模様とか。

ちなみにユーロ圏が今週決定したギリシャ支援策では同国に自国国債を買い戻させることで合意、このまま行けば額面の遥かディスカウントで手当てしたファンドは思惑通り多額の利を手にすることになる。また、上記のCDSも取得以降の株価崩落や格下げラッシュによって既に倍以上になった模様。

このところ世界景気の減速で、ファンドもアジア含めて運用難から資金獲得にも苦戦し清算も増加傾向といわれていたものだが、しかしこうしたリスク選好型が増えてくると今では消えてしまったものの一昔前にパラジウムを買い占めたタイガーファンドのようなものも出てこないものだろうか?商社も挙って参入していた当時と違って商品市場も枯れてしまっているだけに話題性だけでも賑わいを期待してしまう。


両建賛否両論

さて自民党総裁の派手なリップサービスで順調に円安が進行してきたがここへきて本日は午前中の下落も一服で揉み合いとなっていた。同総裁の発言トーンを巡ってまだまだ思惑含みとなりそうで、今後もその実効性を見極める事になりそうだがそういえばFXマーケット絡みでは週初の日経紙夕刊で「両建て」について触れていた。

何とも懐かしく?なってきた用語だが、今では商品で基本禁じ手となったこの手法、当初はFXも難しかったものだがけっこう個人レベルでも生き残っているものだ。単純に見れば一時凌ぎの追い証や損失拡大回避という大義名分のもと手っ取り早く手数料が刈り取れる便利な性格上裏を返せば顧客には負担が掛かるもので、腕に覚えのある向きが税金対策や優待取りで使う意外理論的に見ればそのメリットは無いというのが一般論か。

ただ、この同紙に書かれていたので印象的だったのは「含み損か実現損かで個人投資家の心理状況は大きく違う」との一文。この例では含み損であったが、逆に含み益を両建で温存する向きも居るなど一般的投資家の特異な属性というものも見え隠れしてくる。この辺は難平などもまた同様の問題が被る部分もあるが、専業でなく個人目線で論じている限りそもそも賛否平行線だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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