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4月の催し色々

さて、エイプリールフールが終るとここ近年は直ぐにイースターとなるが、イースターというとどうも日本ではクリスマスに比べれば静かなものだ。投資家でも先週末の海外市場休場が「Good Friday」というのは知っていても、「Easter」は知らないなどという例もあるくらいでなんとも理解に苦しむものである。

それでも一部インターナショナルマーケットでは子供向けの「Kinder」がレジ近辺にディスプレイされたり、欧州系のパティスリーショップにはイースターエッグが早くから並び、先週末は例年の如く『ニコライ堂』や紅梅坂の近辺は多くの外国人で賑わいを見せこの季節を物語っている。

例年このイースターには大使館関係者などの都合もあり知人宅でパーティーが催されるのだが、そこで振舞われるラム料理もこれまたこの時期独特のものである。料理といえば欧州ではこの時期食料品を扱う店までもが閉まる場所も多い事もあって、そういった点で逆にこの時期イースター関係の食材が豊富に手に入る日本は便利という外国人の意見もよく聞く。

新年度に入っているが、外国勢と共に厳かな鐘の音色とこうした催し物で漸くリセットされる気分になってくるものだ。


花冷え下の華

さて、昨年は期末と新年度の合間をぬって『池坊展』へ出掛けたが、今年もまたお誘い頂いたという都合もあって今週は同展を観てきた。今年の桜開花は平年より7日ほど早かったらしいが、花冷えも影響してか会場付近の上野公園は昨年ほどの混雑をみせていなかった感も。

ちょうどボルゲーゼ美術館展が開催されていた事もあって平日でもそこそこ人が多かったが、池坊展の方は余計な人の流れもなく丁度いい感じであった。さて、昨年はトロピックな素材の多用を新鮮に感じたが、今年も昨年見たアンスリウムやストレリチアに加えモンステラなど大振りの葉や珍しいオーキッド類も目立ち、その組み合わせの完成度はさすがに見事であった。

この組み合わせといえば、竹などが意外にトロピカル素材に合うのが解ってきたが、アンスリウムに桜や紫陽花とか、百合に松とか胡蝶蘭に桜等々素人目には通常合わせに考え辛い物を縦横無尽に合せしっくり全体を纏めてしまう技にはやはり感服。それにしてもどれも素材が素晴らしい。

ところで昨年の秋には当欄でフラワーデザインコンテストのクイーンズカップに触れ、花と組み合わせた物に毛糸球や羽毛など面白い素材を指摘した事があったが、今回の池坊の中にも芥子に色とりどりの風船をあしらった作品や人形を添えた作品もあり、思わずそれらを彷彿させる一面ありでまた新しい感性を感じた。


国際商品への反応度

さて、もう年度末だが今月は久し振りに「日経・東工取商品指数」など大型商品の上場があったが、もう一つ商品モノの上場イベントといえば9日付けで触れた、ETFセキュリティーズの国際商品価格連動型の14本のETFの東証上場もあった。

前回のETFセキュリティーズ物といえばメタル系5本の上場であったが、今回はDJ-UBS総合商品指数とそのサブ指数4類型商品指数、9種類の個別商品指数連動型である。このDJ-UBS総合商品指数など商品投資に際して広くベンチマークとして利用されているが、初日のそれは寄りの一本値で売買代金は9万円一寸と可也寂しかった。

他、初日の概況としては初モノと囃されたガソリンなどは寄りから9%上昇して終了と一部報道されていたが、これも後場に入ってからの寄り後のわずか20口の値付けで値が飛んだに過ぎず、TOCOMでは既に立会い休止が決定したアルミニウムなども寄り一本値で売買代金は5万円ちょっと、穀物指数に至っては出来申さずと総じて様子見気分が強かった印象である。そんな中でも目立ったのはCFD等でも一部人気のある小麦で初日の値付けも最多?で、売買代金も345万円超と上場初日の全14銘柄合計売買代金の約半分を占めた。

それにしても今回は一気に14本の投入。こんなペースからすると今年はETFの品揃えが100銘柄の大台を超えるのはほぼ確実だろうが、上記にも見られる通り要となるのはリクイディティー、値付け商いで辛うじて上場維持してきた商品先物銘柄の如くの指数系一部など含め、これの確保が適わないモノは淘汰の波にさらされる動きもあるのだろうか。


幻の関西連合

昨日は三越にて売り上げに寄与?している中国人観光客の様子に触れたが、百貨店といえば先週はこの三越の近所にもある高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリングが経営統合を破談にした旨の報道があった。

この高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング、有力リサーチ会社の百貨店評価項目別でも上位に並んでおり、その二社の統合は2年前には当欄でも「まさに関西連合」として期待したものだが、当時もこの話が出る直前までいわれていたように高島屋の単独路線が結局は続くことになるか。

しかし大型案件の破談についてはつい先月に「相次ぐ破談」としてコメントしたばかりだが、手を結んでみたものの産業界に限らず水面下では環境の急変も手伝ってマルになるパターンも多いとつくづくだが、やはりこの業界規模的な問題は避けては通れない道だろう。

実際、百貨店業界は昨年の全国売上高が実に24年ぶりの低水準になるなど市場縮小が継続、こうした環境下での合従連衡の流れであるが、他社も含めて構造的な問題が変わらない中このポストは中堅中心にそうした動きは不可避、まだまだ水面下の動きに目が離せない。


購買力襲来

昨日は一寸付き合いで三越に立ち寄ったのだが、エントランスを入って直ぐに異様な光景に出くわした。それは一階のコスメフロアにおいて「資生堂」コーナーを占拠し、在庫品までが殆どカラになるまでの買い漁りを演じていた中国人観光客の集団行動。新聞やTVなどでは見たことがあったが、実際間近に見るとなかなか恐い感さえ覚える。

ちょうど知人が居たので聞いたところ、資生堂が巨大市場を睨んでの中国進出が奏功して現地ではアッパーミドル層中心にそのネームバリューは絶大であるとか。狙われているのは現地未展開の製品や一部高価格帯の物、詳細なリストが用意されているあたり目的がハッキリしている。

所謂当地リミテッドエディションというところなのだろうが、それにしても凄い買い方である。何処かで聞いた事があるが観光客一人の背後には十数人のオーダーが控えているパターンが多いとか、また更に他の定番モノでもゴッソリ手当てしてゆく裏には、日本で買うからこその品質に絶対的な安心感があるというからこれもお国事情を表しているいい例だろうか。

しかしこんな光景、他人事のように見ているが「人の振り見て・・」とはよく言ったもので、ちょっと思い出してみれば一昔前にはパリの「ルイ・ヴィトン」やミラノの「アルマーニ」などでも大挙して斯様に買い漁っていたのは日本人だったなと。本日の日経紙一面には中国の吉利がポルボ買収で最終合意とも出ていたが、こんな末端消費だけ取っても底知れぬパワーを感じざるを得ない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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