585ページ目

GOLDの犯罪いろいろ

さて、先の連休中の日経紙にも金投資のための基礎知識として金関係の話が載っていたが、週明けのNYでも約一ヶ月ぶりに1,150ドル台を回復してくるなど、再度金価格の上昇が話題になる機会が増えている。

そんな人気者?だけにこの年末年始の犯罪でもこの金絡みの犯罪が目立ったが、先ず複数件挙げられて目に付いたのが金地金の密輸モノか。オーストラリアや近場では韓国や香港などから金地金を密輸しそれを国内で換金、その消費税分を抜いてしまおうという労多くしての原始的なもの。

同じ抜くのでも、この手の消費税法違反や関税法違反ではなくて値幅を抜いて所得税法違反というパターンもあった。まだグラム1,000円そこそこの時から数年間買い付けたものを、06年以降価格が2倍以上になったところで順次売り抜け国税に目を付けられたというケース、これは相場に乗れたマトモな方か。

果ては振り込み詐欺系、その振り込ませる先がインチキ口座ではなくマトモな貴金属販売業者の口座に振り込ませ、貴金属業者には金現物を私書箱宛てに送らせ、後にそれを転売し現金化というパターン。この辺は銀行窓口でも業者への商品購入代金を振り込むパターンから警戒感が薄くなるという効果も見越し、一回200万円を超えない範囲とこれまた犯罪収益移転防止法まで抑えているあたり悪知恵のセンスが光る。

しかし盗品でも何でもそうだが、マーケットというのはそれぞれ最低限の構成があれば成り立ってしまう。上記のパターンもそうだが、EXITが比較的容易に実行出来てしまうその環境も今後再考すべき事項であろう。


主力事業の転向

さて、FUTURES PRESSでも既報の通り、先週末はスター為替証券が3/5をもって商品取引受託業務を廃止する旨が発表されている。スター為替証券といえば先に福証に上場し、現在はHDがヘラクレスをマザーにしている上場組。そういえば何時だったか数年前にこのニ市場でトコロ相場が話題になった時期もあったなと思い出す。

それはさて置きこうした取引員の中でも上場組といえば、年末には東証一部に上場する小林洋行もまた商品取引受託業務を廃止する旨を発表している。年末年始に相次いで上場組が今迄の主力事業から撤退という様は現況を如実に物語っているといえよう。

さて取引員ではないが主力事業廃止から上場を廃止にしてしまったものでは98年大証の淡路フェリーボートがあったなと何故かこれが急にアタマに浮かんできたが、これなど社名にもなっているフェリー事業を明石海峡大橋開通で廃止したもの。

上記取引員はまだ枝葉はあるものの、同様に社名にフューチャーズなどと付けていて主力事業を廃止した事から上場廃止になったパターンではSBIフューチャーズがあったが、主力事業撤退といえばそういえばその前のグローバリーなどはまた別なパターンで上場廃止になったなと。

しかし、昨今の業界模様を反映してか上場当初の万年低PBRの時代に戻ったかのような同指標の低さがまたぞろ目立っているが、上場企業はまあそれなりに株券も流通しているわけでこれら絡みでは本当に水面下でさまざまなドラマが展開されている。


国策支援の果て

連休明けの株式市場は後場からジワジワに浮上し、約1年3ヶ月ぶり高値の10,800円台回復となっていた。そんな中でやはり目立ったのはJALのストップ安であったか。

このJALについては昨年当欄でも「〜根本は特殊法人体質からの脱却遅れという部分が一番の問題だろうか」と書いた事があったが、ここ数日の間に会社更生法を活用しながら企業再生支援機構の支援で再建を目指す方向となり、上記の通り市場ではストップ安比例配分の憂き目に遭っている。直近では日本政策投資銀行のつなぎ融資枠が増額される見通しとかで急反発となっていたりしたが、なんとも株価も政党にリンクした動きではないか。

過去幾度となく再建策が論議されてきたが、債務超過問題にしても再生タスクフォースと監査法人を通した決算との数千億円もの内容相違は何処から来るのか今更ながら不思議に思う。帳簿がそうならOBも然りでこの期に及んで年金減額OB同意を渋る向きも居るなどなんとも往生際が悪い、幾つも或る労組などもそうだが機構側の解散というカードの存在を如何ほど認識しているだろう。

まあ昨年と違って株主責任を問う方向に大きく転換してきたのは前進が見られるが、此処でも形振り構わずの大型増資の受け皿組も泣くハメに。確かここは増資直前の株主総会でもこの件は一言も触れない酷さだったなと。次はマイレージ関係に目がゆくが大手紙で報道されているように完全保全の芸当が果たして出来るか、株式じゃないがこちらも一転して大幅減資?よろしくの措置が取られるや否や。

これらに絡んで優待マーケットやら新規225採用や業界関連銘柄の思惑なども次々と出るところだが、ANAと株価が逆転してからはや数年、残存社債の利回りでもそれが鮮明であったもののJALがこんな形になるとは長年に亘る国策支援のツケはやはり大きい。


Arrowhead始動

さて大発会のコメントでも書いたが、今週は東京証券取引所が2000年以来10年ぶりに株式取引システムを刷新しその「アローヘッド」の稼動が開始された。

このアローヘッド、主立ったところでは旧システムから瞬きより速いといわれる400〜600倍の処理速度になった他、併せて値幅制限の拡大や呼値の縮小などの変更が行われたがシステム変更後はお約束で当初様子見ムードという雰囲気か。それでも一昨日の不動産のゼクスなんぞを見てみると大発会が2,029円の終値であったが、寄付いてからわずか30秒そこそこで300円安の1,729円へ急落、その後は271円高の2,300円まで急速に切り返してあと再度急落、結局500円安の1,529円とストップ安で取引を終えるなどシステム変更ならではの動きを見せ付けている。

そうそう、そういえば商品先物でもTOCOMなんぞはシステム変更後にはプラチナやら石油製品やらで寄付き直後からこんな動きが見られたものだが、斯様な仕様になるとディーリングの中身も変わってくるだろうなと。ゲーマーでも教え込めばある程度は稼げた向きが苦戦するようになり、昨年当欄でも取り上げた早稲田OBマネーゲーム愛好会なんぞの見せ玉多用な活躍も難しくなる可能性あり。まあ、中には正統派への回帰でいい浄化作用だと捉える向きもあろうか。

斯様にシステムの大幅刷新を期に一気に海外の投資マネーを呼び込もうという目論みだが、現段階ではあらゆる事柄が未知数なのはいうまでもない。誘致の成功がありや否や、その裏では上記のような従前ディーリングの苦戦が予測されこれらが収益主体の向きは再考の必要性あり、個人ベースでもTOCOM同様に安易な成り行き注文などの執行リスクにも注意といったところだろうか。

しかし、思えば昔は営業マンが板状況を逐一報告するのが上顧客へのサービスだった時代から、誰でもネットで板一覧が閲覧出来るようになった時は感動を覚えたものが、はやこんなところまで来たとは時の流れを感じるが、これでも日進月歩だけにまた古くなる日が何時の時代か来るのだろうな。

PS・ところでこの(arrowhead)、長い間(矢尻)との認識であったが、今日は七草粥云々と雑談している途中で(慈姑)を指す事もあると初めて知った。その矢尻型の細い葉からの由来らしいが世の中まだまだ知らないこと多数。


欧州流のIR

休みも短く年が明けた実感もそう鮮烈にあるわけではないのだが、街ゆくビジネスマンなど暮れと同様に企業のカレンダーなんぞ幾つも手に歩いているのを見るとやはり睦月だなあと感じる。

さてこのカレンダー、昨年は多くの企業が経費削減とやらで刷るのを止めてしまったところが散見される。JALのキャビンアテンダントカレンダーなどは私も長年使っているがこれも残念ながらもうお終い。ココはなんでもカレンダーのみならずエコノミークラスなどは今後新聞までなくすのを検討中とか。まあ、今が正念場のJALだけに仕方がないのかもしれないが、カレンダーなど名物であっただけに知人のキャビンアテンダント達の中にもこれを惜しむ声が多い。

ところでカレンダーもIRよろしく見てもらってナンボとの部分が多いが、お堅い日本と違って一寸海外に目を向ければ近年やたらと増えているのセクシー系か。JALのカレンダーではさすがにヌード版など無いが、同じ航空業界ではいろいろとお騒がせなあの某格安欧州系では慈善団体基金集めの為とかでキャビンアテンダントのヌードカレンダーが存在するし、バークレイズが触手を伸ばしたロシアの某銀行なども上級マネージャー始めとして女性行員をモデルにしたヌードカレンダーが存在する。

そこで日本、大手メガバンクなど株主を嘲笑うかのように巨額のファイナンスを繰り返しているが、せめてもの罪滅ぼしで微々たる配当と共に株主優待でこんなカレンダーを配る試みなど如何?株数に応じて内容も変化させたりとくだらないアイデアは尽きないが、まあそんな器量というか逆立ちしても無理だろうな。ただこの手の緩みを持たせるような部分も時には疲弊した金融界には必要かとも思うが。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

7

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31