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社会貢献商品

さて本日はある案件の中で所謂フェアトレード関連の提案書を拝見させて頂いたのだが、フェアトレードといえば直近で記憶にあるのが独自路線を貫く銀座の松屋か。

過日所用で立ち寄った際に目に付いたのが、夏場まであったDiorアクセサリーコーナーが消えて替りに「SHOKAY」や「Motherhouse」などが出店していた事である。

何れも設立数年で認知度は薄いと思うが、「SHOKAY」はヤクの毛を使ったニット物、「Motherhouse」はバッグ製品で両者とも安定買い付け・委託でチベットやバングラデッシュの生産者を支援するという立派なコンセプトを持っている。

そういえば今年の初めだったか「ワクチン債」なる金融商品について当欄で触れた事があったがこれもSRIでそうした範疇か、こうした金融・ファッション・食品等々、またDMでもCRM(cause related marketing)を謳った物が日に日に増えてきたが個別ではいろいろ個人的に違和感を感じる物あれど各々を通じてのメッセージ効果も期待したいものだ。


円キャリーの落し穴

本日は品川界隈で先週から来日しているヘッジファンドの関係者とランチ、彼は春先からあのアイスランドの破綻の可能性をいつも話していたのが記憶に新しいが、アイスランドといえば朝日紙あたりも取り上げているように今同国を襲っている恐ろしい事といえば所謂円キャリーで作ったさまざまなローンの返済額がこのところいきなり倍になっている事だ。

カラクリは今更言うまでも無く同国通貨クローナの暴落、まあその金利差を見れば今迄一度も見た事の無い通貨であろうが為替差損の注意書きであろうがそんな事は目に入らないまま円の選択というのもFX取引よろしく解らないでもないが、円キャリーが成立する大前提そのものがあまりにも甘く見られていた点は否めないだろう。

本日はまた折りしも一段と各国通貨が急落、この辺の次の展開もまた彼からいろいろと聞かされたがまるで既定路線のように語っているあたりが上記の件然り、リーマンの件然りで今迄曲りなりにも具現化しているだけに一層不気味に感じる。

そういえばここ品川も駅前に老舗の「京品ホテル」があるが、リーマン破綻の余波から小会社サンライズファイナンスは破綻した事で事実上廃業の憂き目に遭っている、もう少し小粒?なところでは当欄でも触れたアーバンコーポレーションの破綻であのミシュランで一つ星を獲得したフレンチの巨匠アラン・デュカス氏のビストロ「ブノア」が突如として消えた件もあったが、まあまだまだこれからか。


利権のネタ

本日とある所でダマスカスナイフなる物を見せて頂きその波紋の美しさにはとても感動したのだが、ところで同じナイフでも本日政府は殺傷能力の高いダガーナイフ等刃渡り5.5センチ以上の刃物の所持を禁止、銃器所持も規制強化を閣議決定した模様。

これらもともとは痛ましい事件を契機として俄かに持ち上がったものだが、問題はこれでまた法規制が増えその都度規制実行と称して人と予算が適切に使われるか否かである。

この辺に関してはコンビニ等に思わぬ売上効果を齎したあのタスポも無視出来ない存在、混乱の多いわりに未だにその導入効果が疑問視されているがこれに係わるカネは軽く1,000億円規模に上るとか、消費側の選択肢があるにしろこうした費用も税に紛れさせ捻出されているし財務省絡みの天下りやら何やらでこれまた結構な利権である。

ところで何時だったか総務相がネット上の犯罪予告検知ソフトの開発費には数億円かかるといった報道を見た向きが殆ど費用をかけずに同等サービスを製作した事が話題になった事があったがネタがあれば増殖する官の肥大、今迄もイロイロなカード類でもその手の話はあったが一体何の為の税なのだろう?


狭義の視点

週明けの日経平均は続伸し辛うじての大台乗せ、特にこのところ値嵩優良株が異常な安値云々と煽る?記事が彼方此方に目立つ事からこの手に買い物が集まった部分もあるだろうが、そんな時世だけに日曜の日経紙には投信の確定申告についての記事があった。

さてこの税制改正であるが、先週には自民党あたりが現行の証券優遇税制を09年以降も延長する方向で検討に入っている旨報じられているが、時事が報じたフィディリティ退職・投資研究所によるアンケート調査では実に67.9%が新証券税制を「評価しない」と回答している事が明らかになっている。

もともとまやかしめいた税制は昨年末や今年の8月だったか何度か当欄で触れた事があったが、ちなみにこのアンケートの理由で2割以上に上ったのが確定申告が必要になるというもの、まあ株券電子化にしてもこれで株式保有補足が全て可能になり売買履歴を全て筒抜けにするわけで、「ある」部分のリクイディティが削がれる可能性も大である。

暴落による所謂自律修正一巡後からのモチベーションが一番重要だが、こうした机上で作られるものもまた大きく影響してくる事の認識はあるのだろうか?


消費パイ縮小

さて昨日の日経紙には主な小売・外食各社の連結業績が発表されていたが、中でも百貨店は軒並み二桁減益で後に更なる下振れ懸念が出ている。

ところでこの百貨店を巡っては既に三越と伊勢丹・大丸と松坂屋・阪急や阪神等々の統合を今迄触れて来たが、先週末に既報の通りこの阪急阪神を擁するH2Oリテイリングが今度は単独路線を貫いていた高島屋と業務・資本提携を結ぶ方針を固めている。

まさに関西連合といった感じだが、昨年の夏に当欄にて「百貨店再編劇序盤」というタイトルを冠した覚えがあるが、首都圏の激戦区においては大手でさえ数十年の消費を眺めてきた店をどんどん閉鎖、もともとが「攻め続けるしかない」とも言われる形態なわりに差別化の難しさからリスキーな投資となる確立が高いだけに、こうした統合も今の時世では自然な流れだろう。

こうなると残る単独路線を貫くところの動向も気になるが、それはそうと閉店する三越池袋の跡にはヤマダ電機が進出とか、一頃は勢力の移り変りをよく示しているともいわれた風景だが家電量販店も構造的にはいずれオーバーストア、この業種もまた再編が吹き荒れるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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