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後ろ向きなEXIT

本日の日経紙商品欄には、東京穀物商品取引所と関西商品取引所が経営統合も視野に協力策を検討すると昨日発表した旨が出ていた。

先月も共同研究会設置の提案書で触れたと思うが、今や関西商取は全国4取引所の売買高に占める割合が1%を切っている。しかしこの1%以下などという数字で記憶にあるのはもう最後の頃の横浜商取や福岡商取くらいだが、そういえばこの福岡商取は関西商取に吸収されていたな。横浜商取も東穀取に吸収されたが引き継いだ商品も辛うじて面影を残しているのは生糸先物のみとなってしまったが、最後に残ったこれもとうとう上場廃止の方向へ向かっている。

斯様に考えると単独で現存している事自体が不思議だがそこはまあいろいろ事情あっての事か。しかし吸収?されるにしても重複商品もあり、同紙では東穀取とは現物と指数ですみ分けの可能性を探ると出ているが、上記のような横浜商取の道を辿るハメになるか去就が注目される。

ただ、マクロで見れば巨大取引所の再編などの足元というか、踝以下のところで国内諸事情に因る障壁を抱えているなどは何ともローカルな域を出ない。漸く重い腰を上げ何時の日かマトリョーシカ?の如く整備されるまでのモラトリアムはさてどのくらいあるのだろうか。


バイブルの影響力

週明けは達成感からか終日冴えなかった株式市場であったが、本日は株式投資のバイブル?「会社四季報」と「日経会社情報」の発売日であった。昨日の日経紙などでその広告を目にし、はやそんな時期かなとも思ったものだ。

さてこのどうにも収まりの悪い小太りな本、ちょっと前までは口座さえあれば送っていたのかどうか彼方此方の各社から一斉に送られて来たものだが、昨今その数も徐々に減って来ているのも世の表れか。

あらためて昨年や一昨年のモノをパラパラとめくって見るにつけ、最高益更新企業やそれに近い企業がいとも簡単に市場から消えていっており、各頁に出ている来期予想や計画も今となってはなんとも虚しく見えてくるもので実に諸行無常の響きありである。

しかしここ一年で斯様に外部環境の急変もあって収益予想一つ取っても困難極めているだろうがそこは所詮予想、よく逆から読んでウソヨなどといわれているが、絶対的な物としてあれこれ考えるのはヨソウ程度の余裕を持たせて見るくらいでちょうどよいのではないだろうか。


埋まらない温度差と営業力

本日の東工取は主力の金が僅かに数円、また石油製品にしても寄り後はレンジ内での相場でロックされなんとも凪のような相場であったが、東工取といえば今週の日経紙には昨日そして今日と「東工取改革 多難な船出」としてここ新システム切り替え前後を絡めての記事が載っていた。

本日の?では同システム導入前から引き摺る東工取と取引員との温度差が指摘されていたが、例えば上場銘柄の問題一つ取っても別段東工取に限った事でなく他の取引所も意思疎通に疑問を感じる事は非常に多い。この辺は数年前からある取引所の統合論のあたりから既に醸造されているが、この手の規模どころか先の模擬売買のようなところの段階でさえリクイディティを提供する向きの意見が無視されるというのが現状である。

反面プロであるところの企業や投資家から吸い上げた意見は色濃く反映させ上層部としては自己満足一杯だろうが、主力層を一新したければカネを投入するだけでなくそれなりの営業力も要求されよう。

05年以降の勧誘規制強化などというのは一つのトリガーに過ぎず、カウボーイも常々指摘しているように、まあやはり今までの各種数値自体が常識的に他から見れば異常であったというのは否めまい。今後斯様にマトモであればというところへの数値回帰が粛々と進むであろうが、ただ諸外国との生い立ちの違いという部分を認識しなければいつまで経っても理想像には近づけないだろう。


“箱”としての役目

昨日は金融審議会が纏める報告書案の全容が明らかになったが、既存株主権利を損なう恐れがある第三者割当増資などの資金調達手法についての情報開示ルールを強化し、違反企業には課徴金を新たに加える旨も盛り込まれる事になった模様。

コトが起こってから重い腰を上げるのは毎度の事だが、先に東証の上場制度整備懇談会などでは300%を超える希薄化を招く第三者割当増資について上場廃止まで含む提言をしている通り、確かに株式併合等でマジックを使えばそれこそ4倍常識どころではなく数十倍まで新株発行が出来てしまうインチキも罷り通っていたのは事実だし、この辺はさすがに放置し過ぎただろう。

しかし今迄喉から手が出るほど資金需要に迫られた上場企業は、もう箱の役目を終えて消えたところ含め新興市場中心に山ほどあったが、数年前までこうした箱を発掘し営業に飛び回っていたアレンジャーの連中はその後の展開と共に随分美味しい思いもした向きも居よう。

斯様に美味しいところはさんざん既に喰われた後という感もあるが、まあこの手の話は別に証券に限った事でなく他もまた然り。怪しいファイナンス物の匂いに誘われてつい手を出した方も悪いとはいえ、少数株主が利用され切捨てられるのもそろそろ見直されるべきだろうか。


隠れ蓑にされるSRI

本日は林業関係の案件で相談があったのだが、こうした植林関係といえばちょうど昨日はキリの苗木植樹と5年間の育成管理権利を無届で販売したとして、金融商品取引所法違反の疑いで都内の会社が挙げられていた旨が各紙で報道されていた。

謳い文句としては地球環境に貢献し金も儲かるとの事だが、ここ数年エコとか社会的責任云々とかは本当に旬で何にしろ使い易い?言葉だ。上記のような原始的な詐欺モノは論外として、マトモなところで最近では一部証券系から昨年触れた記憶のあるワクチン債のお勧めも頻繁に来るようになった。

数多ある金融商品でも今一つ仕組みが理解出来ないまでもその利回りの高さに目が眩み、怪しい気持ちも其の前には霞んでしまうというパターンがそもそもの引き摺り込まれる発端だが、こうしたエコなど気運となっている事も重なって怪しさ?が消えるどころか逆に社会貢献もしているという自負を擽る部分があるので尚更厄介である。

先月はインフルエンザに便乗した詐欺商法を懸念したが、この辺のSRIを語った類も手を変え品を変え出てくる可能性もあり注意するに越したことはない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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