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高収益の裏側

さて先のぶり返しと言おうか今度は米国発で株式市場、為替市場が再度大揺れとなっている。

事の発端はサブプライムローンが指摘されているが、この件は昨年から言われ始め今月に入ってからはその象徴銘柄であるニューセンチュリーが暴落し、昨日はとうとう取引停止から上場廃止の流れにまでなっていた。

この住宅系ではローン債権をパッケージ化して組成するデリバティブまで引き合いがあったらしく、静かに弾ける素地が醸造されていたという事か。

何れにしろ先に上海が弾けたが中国とて金融引き締めにさしたる効果が無く銀行融資が甘めになった感もあり、こうしたところの不動産投機はさながら我が国のバブルを彷彿させるに充分ではないか。


暖簾代

本日は不二家が2007年3月期連結決算の業績予想を出していたが、当然かな例の品質管理問題の影響で当初予想8億円の黒字から67億円の赤字に下方修正となっていた。

月末には銀座本社を不動産ファンドに売却するらしいがちなみにこのファンドも今が旬のシティー系、一方で支援が影響したとはいえ株価の方は事の外堅調で、不祥事発覚前の水準を越えてきているのは何やら日興に似たものがある。

さて食品系では過去に雪印があったがここまでの両者明暗の経緯として思い浮かぶのは、やはりペコちゃんのブランド力に因るところが大きいいか。

取引員も含めてあらゆる企業にいえるが、最後の暖簾代こそ軌跡であり価値である。


蓋を開けたら・・

週末のFUTURES PRESSて既報、カウボーイも本日採り上げているように主務省は取引員二社に対して行政処分を下してた。

うち一社は上場企業であった為にストップ安の洗礼を受け、約19万株の買いハナを消化出来ないオマケ付きで引けているが、特定商品高騰を囃して物色人気が一頃あっただけに残念というか甚だ遺憾な出来事である。

取引員株についてはその万年低PBRやPERの理由を以前にも当欄で指摘した事があったが、結局ディスクロに表面化して来ない不安要素が常に付き纏い、何かの切っ掛けで一気に表面化してくる怖さがある。

今後どの程度処分が出て来るか不透明な部分があるが、リクイディティー含めた収縮が懸念される。


五輪特需?

昨年から時折ニュースにはなっていたが最近特に酷く増えて紙面を賑しているのがかれこれ5,700件にも上った「金属泥棒」、側溝の蓋や車止めに始まって銅線、半鐘、蛇口、果ては滑り台までとまあ節操が無いというか、よくやるなといった世界だ。

ところで先に別子こと住友鉱や三菱マテといった非鉄大手の収益が急拡大している旨が出ていたが、ご存知主因は中国等の旺盛な需要を背景にこれら国際商品価格が歴史的な高値圏にあるという事。

上記の捌き先は主にこの中国ルートが指摘されているが需要あるところにビジネス在り、僅か一週間で百億単位の再増額修正が為され、別子の株価が17年ぶりに2,000円台回復という背景にはいろいろな物が内包されているか。


転換促進相場

さて病み上がりの日経平均はフラついた中で反落となったが、そんな中を目立っていたのが連日の昨年来高値更新となっている新日鉄であった。

「来年は新日鉄を筆頭とする重厚長大モノに嫌でも期待がかかる」と別のコーナーに大納会のコメントを書いた記憶があるが、それにしても3億6千万以上の商いをこなす凄まじさで900円の大台タッチでは関係者の上場来高値が指呼の間という掛け声も威勢がよくなるだろう。

思えば同社、昨年秋口に主要行に対して3,000億円の優先出資証券を発行しているが、現在の時価であれば転換権を行使しその安定分の比率は高まっている筈。

表向きは普通に設備投資の資金調達としているが、今までの経緯を見るとこの辺はやはり敵対的買収の防衛策の一環かもしれない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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