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巨大企業の呪縛

昨日は村上ファンド等に絡めコーポレートガバナンスコードについて触れたが、会計不祥事のゴタゴタの影響で前期決算発表が遅れに遅れた東芝が各所の人事を見直し、このコーポレートガバナンス改革も打ち出すことになった。

とはいえ今回の会計操作の事件は、つい先週の2020年オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム使用中止騒動と同様にどうも責任の所在が有耶無耶にされたまま幕引きが為されてしまう気配が濃厚だ。日経の社説にもこの問題を日本市場の不信につなげるなと書いてあるが、この手の企業にありがちな呪縛は容易には是正されないというところか。

ところでマーケットの方だが、特設注意市場に指定する方針という。過去記憶に新しいところではオリンパスやその前のIHIのそれがあったが、経済界の重鎮を数多く輩出した企業のこんな失態で頼みの外人勢への心象というか市場全体へのイメージもまた懸念されるところで、これらの払拭が急務になってくる。


双方襟を正す

本日の日経紙金融面には「取締役選任に厳しい目」と題して、6月の株主総会において主な資産運用会社のうち半数で取締役選任案への反対や棄権の比率が高まるなど、投資先の企業統治や収益力に厳しい目を注ぎ始めた旨が載っていた。

取締役選任案への反対といえばこれより先に話題になったのがやはり黒田電気の臨時株主総会だっただろうか。この辺に絡んでは7月に当欄でも「血は争えない?」と題し物言う株主としてかつて一世を風靡した村上ファンドを取り上げたが、同ファンドが推していた同社の社外取締役の株主提案は60%の反対で否決される結果となった。

復帰戦第一弾は黒星?となった格好だが、そもそもこうした復活劇の背景には今年のコーポレートガバナンスコード適用に再度商機を見出したという部分も大きいだろう。とはいえ上記の通り思惑通りに事が運ぶというワケではなく一筋縄ではいかないものの、企業側も当然ながら従前の対応は通用しなくなっている。

上記二様の株主は全く異質のカラーではあるが生保も会社提案に反対票を入れるケースが出始め、村上ファンドも結果こそ黒星とはいえ議決権行使助言会社大手の一つは賛成推奨の結論を出している。コーポレートガバナンスが北風政策になるか太陽政策になるか今後も折に触れその真価が問われる場面が出てこよう。


53年の歴史に一旦幕

今週あたまの日経紙・春秋には、建て替えの為に営業を一旦休止する「ホテルオークラ東京」本館の事が書かれていたが、帝国ホテルやホテルニューオータニと共に日本を代表する「御三家」名門ホテルの本館が31日、ロビーで行われた記念コンサートと共に53年の歴史に一旦幕を閉じた。

取り壊しが決まった他の有名建造物同様にこのオ−クラ本館もオークラ・ランターンや梅の花を模した家具、壁の多胡石、西陣織の屏風壁等々幾つもの日本美術の粋を結集させた建造物なだけに、国内外から多くの著名人が取り壊しから救おうと嘆願の動きが見られたが、やはり次世代を睨んで世界レベル水準を標榜するには老朽化の問題は避けて通れなかったというところだった。

このオークラ開業は前回の東京オリンピック2年前の1962年であったが、今回も東京オリンピックの1年前の再開業を目指すという。この赤坂・虎の門エリアではキャピトル東急や赤プリ、それに六プリもその元々の姿が消えてしまったが、相次ぐリニューアルの背景にはインバウンドも睨み名立たる外資勢に対抗し得るブランド価値向上の意図が見え隠れする。

御三家と外資勢、利用してみると本当に良くわかるのだがそれぞれそのホスピタリティは全くカラーが違う。そういった観点から贔屓筋の客層は被らないと思うが、外資勢とはまた違った独特の色という武器を大切にし継続出来てこそ日本ブランドの価値が一際光るものとなろうか。


閉鎖的有耶無耶

昨日の朝刊には東京都の広報紙が織り込まれていたが、それを開くと先ず目に飛び込んできたのが「 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムが決定しました 」とのタイトルで今話題のエンブレムの写真が掲載されていた。ところがその日の昼には早くも東京五輪組織委、エンブレム使用中止の方針との速報が飛び込んできた。

しかし大会組織委員会はつい4日前に改めてエンブレムの選考経過を説明し、この会見では事務総長も審査委員代表も「発想、思想から全てが違いオリジナルと確信している」との弁を述べていたのも束の間この原案に対しても疑惑が生じた挙句突然の中止決定となり、新国立競技場問題と立て続けでの極めて異例の事態という感は否めない。

夕方からの事務総長の記者会見を見ていても釈然としない感が満載であったが、つまるところはこれだけ公共性が高いビッグイベントな割にその選考が極めて閉鎖的でかつ責任の所在も曖昧だったということに尽きるだろうか。新国立競技場然りこれでまた血税も応分に泡と消えようが、この手の組織絡みの閉鎖性改善の道のりはまだ遠く思える。


短期選好

本日の月替り新甫の日経平均は、円の急反発や中国景気の減速懸念が再度強まり大幅続落の安値引けスタートとなった。いまだにVIX系のETFなど値上がり率ランキングに出てくるだけあって、戻りにしても下げにしてもジェットコースターのような相場が続いているのは成る程自然なところ。

ジェットコースター相場といえば先のギリシャショックの時には日経レバ型への急激な資金流入が続きその売買代金は軽く4000億円を超え過去最高になった経緯があったが、今回の中国ショックでも2万円大台を割ったあたりから純資産が急増しこの影響で先週末の前場には野村アセットが日経レバ型の設定上限接近を理由にETFの新規設定一時停止を発表するに至っている。

ギリシャの時はこれらが底割れを回避するのに一役買ったとも云われているが、以前にコモディティETFを取り上げた時にも書いたようにレバ型はその間接効果を擁するだけに相場の値動きを増幅させる要因になる。とりわけ本邦勢はその回転日数にも見られる通り、短期が恒常化しつつあるだけにその辺の影響には注意しておきたい。


2016年1月からのマイナンバー制度について

岡藤商事は、2016年1月から開始されるマイナンバー制度について、商品先物取引口座におけるマイナンバーの通知についてを掲載。

▼マイナンバー制度について


商品先物取引口座をお持ちの全てのお客さまは、
ご自身のマイナンバーを岡藤商事に通知していただく必要がございます。

※通知いただいたマイナンバーは、法律で定められている支払調書を税務署に提出する際に利用いたします。

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特定層への戦略

さて、この時期は恒例で「ワールドウォッチフェア」が開催されるが、今年の催しも本日で終わった。今年は18回目を迎え「長久〜時の流れと共に〜」と題したものであったが、並み居る海外の有力勢に交じって本邦勢もそれらと遜色のない値札を下げて意欲的な新製品を打ち出していたのが目に付いた。

今年の6月、ファンドの大量保有を巡って株価と共に大きく揺れた東証一部の宝飾販売会社TASAKIもその一つであったが、同社の最高峰モデルであるオデッサなどトゥールビヨンまで搭載しなるほどスイスの老舗宝飾時計勢にも引けを取らないくらいの出来栄えの物も披露していた。

ところでこれら時計といえば先週末の日経紙には「高島屋が時計専門店」と題し、国内最多規模となる80強の国内外のブランドを集めた専門店を10月に日本橋地区で開設する旨が出ていた。この高島屋、6月には美術品のネット通販を若手の富裕層に向けて開始したばかりだがその流れに続くものか。

今年のワールドウォッチフェアではたまたまかもしれないが意外?にも数年前の中国人の爆買い的なパファオーマンスは見かけなかったが、東京五輪に向けてこうしたインバウンド需要や上記のネオ富裕層の取り込みが思惑通りに奏功するかどうかこれらの戦略にはまだまだ注目である。


流出いろいろ

さて、ちょうど一週間前には日本年金機構がサイバー攻撃を受け約125万件に上る年金受給者や加入者の個人情報が今年5月に流出した問題に関する内部調査の報告書を発表しているが、背景には情報管理のルールが徹底されなかった事に加え、大量に送られたウイルス入り標的型メールへの対応に多くの問題があり情報流出を防げなかったとされている。

ところで個人情報流出といえばもう一つ、この年金問題報告書の発表と同じ日に問題になっていたものに、世界最大規模の既婚者向け出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」がハッキング被害に遭い盗まれた情報の一部がインターネット上に公開されるという事件が起きた事も報道されている。

日経紙夕刊の社会面にも「不倫SNSの会員情報流出」と題して出ていたが、「人生一度きり」という交際倶楽部系オーナーが言いそうな謳い文句に乗り世界48か国で約3,800万人の登録があり、うち日本の会員も約180万人も居るというからいやはや皆さん盛んである。

しかし上記の年金機構の個人情報流出では既に怪しい電話など果たしてというか悪用例が出ているが、早速こちらも金銭を要求する類の悪用が出始めているという。年金と違ってこちらは自業自得とも云えるがさぞ日本の会員も戦々恐々だろう。この運営会社は今年ロンドンで株式公開予定となっているというが、はたして無事公開の運びになるのかどうかこの辺も興味深い。


CRB指数12年8ヶ月ぶり低水準

本日の日経紙商品面には、シカゴ市場で大豆先物価格が一時6年ぶりの安値をつけた旨が載っていたが、斯様に国際商品価格が下げ止まる気配が無い。国際商品の代表的な指数、ロイター・コアコモディティCRB指数は直近高値だった昨年6月から40%も下げて実に12年8ヵ月ぶりの低水準を記録している。

このシカゴ大豆6年ぶり安値と同じ面には「原油相場、底値を探る」として専門家による原油価格の見通しも出ていたが、こちらも大豆同様に6年6ヶ月ぶりの安値に沈んでいる。この一年こうした原油安で世界の景気が拡大すると指摘した解説を彼方此方で見掛けるようになったが、中国をはじめとし足元の世界経済鈍化は周知の通り。

コモディティーの金融商品化でETFの運用残高も急増し有力ヘッジファンド勢も挙って資産規模を膨らませてきたものだったが、このところの商品安で運用成績が悪化しここへきて今夏は米カーギル系や英大手など主力どころが相次いで運用停止の憂き目に遭っている。その裏で一部システマチックトレンドフォロー業者の台頭が見られるというが、この市場もまた役者が変わってくるのだろうか。


アパレル今昔

さて、昨日の日経MJ一面には「ワールド 惰性のツケ」と題して、百貨店からショッピングセンターへの販路拡大をいち早く進めるなど先進的な企業と評され、かつてアパレルの雄を誇っていたワールドがリストラを進めるさまが載っていた。

アパレルといえば一部上場モノでも試行錯誤の日々が続いているがこのワールド、一昔前のDCブームを牽引したタケオキクチを擁しその他にも無数のブランドをぶら下げているものの、今思えば確かにその数の裏でブランドの境目が見えなくなっていたような気もする。

しかし同社といえば一頃株式市場でも有力筋として市場を席巻したのも今は昔、自社も10年前の2005年にMBOによる株式非公開化の選択をした際に当欄でこの件を取り上げた事があったが、株主と経営側では立場がまた違うもののこの選択がよかったのか否かいろいろと想いが巡る。


たった4日で450倍化!

先週から崩落が続いている世界の株式市場であるが、本日も日経平均は895.15円安と大幅に5日続落となった。まさに買い方にとっては戦々恐々とした週末であったがやはりショートしている向き以外は明けないほうが良かった悪夢の月曜日になった。

先週末の日経紙には市場関係者による年末までの想定レンジでが出ており、うち一人は下限19,000円を挙げていたが、本日はあっという間にそれを大きく割り込む始末。こんなプロでなくとも先週末辺りは値頃感からマル信で買いを入れた向きも多くこうした鋭角的な下げではこの手が一番厄介だ。

他、オプション市場も阿鼻叫喚の世界。9月物の16000プットなどちょど1週間飴の月曜日にわずか2円だったものが本日のナイトでは一時なんと505円に大化け、その一本前の15750プットに至っては先週の火曜日にわずか1円であったものがやはり本日のナイトでは一時450円と単純に450倍!にも化けている。当然ながらインザマネーだったコールなど4ケタをウロついていたモノがわずか50円以下まで暴落の憂き目に遭っている。

また為替なんぞも然りだが、こんな光景は東日本大震災やリーマン・ショック以来の事、語り継がれる記録がまた作られた感がある。


STAPを彷彿

さて、2020年の東京オリンピックがめでたく決まったものの、擦った揉んだの末にザハ氏による新国立競技場のデザインを白紙に戻すなど当局のお粗末報道が収まらぬなか、今度はオリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに関して模倣疑惑が表面化し渦中のデザイナーに関するニュースが連日にわたって報道されている。

もともとこれはベルギーの国立劇場ロゴの図案そっくりだという指摘から始まったものだが、これに対して記者会見で反論した傍から直近では国内でもサントリーのキャンペーン賞品であるトートバッグの一部のこれまたパクリが表面化し一部認めた事で取り下げから発送中止に追い込まれている。

ところでこんな一連の報道を見ていると思い出すのが、あの理研のSTAP細胞事件か。あの時も当初は論文の捏造が小さく報道されるにとどまっていたものだったが、彼方此方から検証結果が持ち寄られ拡散しあっという間に大事件に発展してしまった経緯がある。ネットが発達している現代は削除履歴始めとし彼方此方から膨大な証拠?が集められこれだけ見せられたらもう逃げられないだろうという気にさえなってくるから怖い。

しかし、これまで大手がバックに控え実績があるとはいえパクリがいわれているものがグッドデザイン賞を受賞したり、今回のオリンピックもまた然りで巨額の金が動くのは想像に難くはない。デザインに対しての考え方が全く違い意志が揺らぐことはないと会見では話していたが、常識的には最後はモラルの問題だろう。