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合従連衡最終章へ

昨日はパリの同時多発テロを受けて日経平均が大幅続落となったが、そんな中でJXホールディングスや東燃ゼネラル、出光興産から昭和シェルまで石油ポストの反発が一際目立っていた。この辺は言わずもがな石油元売り国内首位のJXホールディングスが、同三位の東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入った旨が各所で報じられた事に起因している。

石油業界再編と言えばもう数年にわたり燻っているが、つい最近では出光興産と昭和シェル石油の夏場から出ていた話が具現化し先週12日には合併基本合意が為されていたばかり。当欄でもこの話で首位のJXに大きく迫ると書いたが、こうした追い上げへの危機感の表れが更なる規模拡大を目指す後押しをしたのは想像に難くない。

一夜明けた本日の市場でも冒頭の主役?二銘柄と併せ日経平均高に紛れて地味ながらコスモエネルギーHDが年初来高値更新してきているが、今後の焦点は同社の動向だろうか?これまで東燃ゼネラルとほぼ互角の売り上げだったが今回の統合で2強体制となる構図からこうした石油業界再編ドミノもいよいよ同社の身の振り方で最終局面に突入してくる。


資源下剋上

先週金曜日の日経紙マーケット面には、プラチナが下げ止まらず2008年12月以来ほぼ7年ぶりの安値まで沈んでいる旨が載っていたが、個別のそんな事情もあって先週末の商品市場全体の値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数は184.77と2002年12月以来、13年ぶりの安値をつけている。

これまでの安値は夏場に当欄で何度か取り上げた通り12年8ヵ月ぶりの安値となった8月下旬であったが、当時の中国発景気減速に加えて俄かに台頭してきた米の年内利上げ観測で投資資金が更に商品市場から引き上げられたのを背景に今回これを下回る事態となった。

こんな夏場からの背景もあって日経夕刊の「なるほど投資講座」でも資源開発を手掛ける商社は下期も厳しい状況が続くとの指摘が載っていたが、これに絡んでの一寸サプライズな話では伊藤忠商事の2016年3月期純利益見通しがあの三菱商事を抜くという件もあった。資源ビジネスの出遅れで蚊帳の外?視されてきた同社の下剋上は、逆に改めて資源ビジネスのリスクを思い知らされる。


2015年度ネット取引データアンケート調査返答結果

11月11日(水)から11月25日(水)の期間で実施しております「2015年度商品先物ネット取引データアンケート調査」の返答結果を日々こちらにて掲載して行きます。


※アンケート調査のご案内については11日(水)7:00までに全社配信済みです。もし未達の場合はメールにてお問合せ下さい。

【アンケート回答企業一覧(返答順):10社】
岡地、北辰物産、コムテックス、楽天証券、フジトミ、岡藤商事、岡安商事、日産センチュリー証券、サンワード貿易、EVOLUTION JAPAN

【返答のみの企業(返答順):1社】
フジフューチャーズ

【回答なし(返答順):1社】
カネツ商事


天邪鬼

さて、2015年4〜9月期決算発表も漸く一服といった感があるが、総じて今年の上方修正企業は円安・原油安、米国需要好調などが要因となり、一方下方修正企業は中国経済悪化や新興国経済減速など中国が主因といったところだったか。

それはさておき、最近の個別は好決算で上昇、決算悪で下落といった教科書通りの動きばかりでは無くなっている。例えばちょうど一週間前の5日の発表ではサンケン電気が今期経常を一転して赤字に下方修正したものの、翌6日は蓋を開けたら急騰。一方、SUMCOは非開示だった今期経常を10%増益とサプライズ決算一覧にも入っていたものの、蓋を開けたら6日は暴落といった具合だ。

その週は他にも日医工が15年9月中間期売上高が2ケタ増収で着地し16年3月期の見通しも上方修正してきたものの、決算発表直後に株価は急落。薬品ポストでは他にも科研製薬や持田薬も好決算の発表だったものの決算後は売られる展開となっていた。

これら肩透かしの急落となった後講釈では市場予想平均に届かずとか、2Q増収率がプラスでも弱かったとか上方修正が売上高のみといった失望感が売り圧力になったと言い、逆のパターンでは悪材料出尽くしのショートカバーといった意見があったが、今後は次の期待値まで読み切る目利きも必要となるハードルをどうこなすかがポイントとなってくる。


続々組み入れ

昨日の日経紙にはかんぽ生命の全面広告が載っていたが、上場したばかりのこのかんぽ生命含めた郵政3銘柄の一服後の切り返しが進んでいる。この背景には英FTSEが算出する日本株関連指数への同三銘柄組み入れ等がある。

本日もこの中では郵便定額貯金などの限度額拡大観測やJPタワー名古屋竣工も材料に日本郵政の上場来高値更新が目立ったが、FTSEに続いて来週には日本郵政、ゆうちょ銀行の2銘柄が国際分散投資の有力指数であるMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタルインデックス)の算出対象に算定される。

更に年末には郵政3社がTOPIX採用も決まっており、それぞれの指数をベンチマークとするパッシブファンド等のリバランスにおいて上記FTSE連動資産は時価総額の約2%程度、MSCI連動資産は同7%、そしてTOPIX連動資産が同10%保有として全体総数では浮動玉の2割程度を保有する計算と見られているが、過去のMSCIモノでは概ね算入日の高値が目に付くケースも多くこれらの用を先回りした提灯動向絡め注意が必要である。


即金屋?

さて、昨日の日経紙夕刊にも載っていたが、医療機関の診療報酬請求権を買い取り「レセプト債」と呼ばれる債券を発行していたファンド3社と運営会社が破綻した問題が表面化しているが、その残高は約227億円に上るといい投資家は今後償還を受けられない可能性があるという。

今回のレセプト債は普通に回す限り詐欺的仕組みでもないのだが、いわば一昔前の兜町界隈に乱立していた即金屋のようなものだろうか。現金受領までのタイムラグを無くすかわりの数%の差額分がいわば金利相当分になるワケで、即金もテッポウ等が絡まない限りトラブルが起きるモノでもなく仕手筋の関係者から果ては外務員まで何かと重宝したものである。

とはいえ、この診療報酬債権が絡んだものではちょっと前にも問題になった米MRインターナショナルのMARS投資なるモノもあった。こちらはもっと大規模に約1800億円を集め今なお宙に浮いているが、その発行体から扱いの規模など多少金融を齧った者ならやはり何か胡散臭さを感じてしまうものなのだが現状この手の事件は後を絶たない。


2015年度 商品先物ネット取引データアンケート調査について

毎年商品先物ネット取引を取り扱う商品先物取引会社を対象に実施している「商品先物ネット取引データアンケート調査」、16回目となる本年2015年度は10月末時点のデータを対象とし、11月11日(水)〜11月25日(水)の2週間で実施いたします。

▼2015年度 商品先物ネット取引データアンケート調査概要

11月11日(水)午前中に10月時点で商品先物ネット取引を行っている取引会社【12社】に対してアンケートのメールをお送りし、集計後12月中旬に全データを公開予定です。

尚、アンケート項目などは以下の通り。


【取引データアンケート調査内容(主要項目)】
※全て一般顧客からの受託を対象としたアンケートとなります。

1. オンライン取引 口座数:口座(2015年10月末現在)
※10月末時点でのオンライン取引総口座数(証拠金の預託されている口座数、否累計口座数)。
2. オンライン取引 実働口座数:口座(2015年10月末時点)
※上記総口座数のうち10月末時点で建玉のある口座数
3. オンライン取引部門 預かり証拠金総額:円(2015年10月末時点)
※10月末時点でのオンライン取引部署預り証拠金総額。
※2013年よりホールセール部分も加味した数値も項目追加。
4. オンライン取引部門 月間売買高:枚(2015年10月度)
※10月度のオンライン取引による月間トータルの売買高
※2013年よりホールセール部分も加味した数値も項目追加。
5. 一日あたり平均注文件数:件(2015年10月度)
※10月度取消し・不成立なども含む一日当たりの平均オーダー件数
6. 一日あたり平均約定件数:件(2015年10月度)
※10月度一日当たりの平均約定件数(取消し・不成立などは除く)
7. 自社オンライン取引サービス内容の確認・修正など
※自社サービス内容について記入、及び追加・修正ください。

当アンケート後に各項目評価ポイント、及び一目瞭然コーナーを修正・更新いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


11月アンケートに併せネット取引評価ポイントテーブルを改定

11月実施ネット取引データアンケートと同時に各社サービス内容アンケートも行いますが、それに併せて「評価ポイントテーブル」を微修正、トータル190ポイント(前回変わらず)にてアンケート後に再集計しランキングを行います。



本年も項目・ポイント改定では、大きな部分での変更はなく

1.取扱銘柄>東京ゴールドスポット100
2.取引環境>ブラウザ

等においてポイント振分を変更しました。詳細につきましては以下項目・ポイントテーブルにてご確認下さい(変更箇所は赤・青文字で表示)。

▼商品先物ネット取引/一目瞭然:評価ポイントテーブル(11/9改定)

当アンケート後に各項目評価ポイント、及び一目瞭然コーナーを修正・更新いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


帳尻合わせなるか?

週明け本日の日経平均は4日大幅続伸となったが、郵政三社上場後も引けで約2か月半ぶりの高値まで盛り返すなど衰えをみせない地合になってきていることもあって、週末の日経紙マーケット面でも夏場の相場波乱で運用成績が悪化した海外ヘッジファンドが反転攻勢の機会をうかがっている旨が書いてあった。

とはいえ上記の通り7〜9月期の運用総額は約2兆9000億ドルと4〜6月期に比べ3%の落ち込みを見せ、その減少幅はあのリーマン・ショック直後の2008年10〜12月期以来の大きさとなっている。また全体の運用利回りも9月まで4カ月連続でマイナスを計上、年間でマイナスになれば4年ぶりという水準。

そんなワケで米国最大の年金基金カルパースなどヘッジファンドでの資金運用を縮小する旨を表明し、これまで数千億円規模の運用をしていた向きが続々と閉鎖や生産準備に入る動きもここ進んでいる。一方で同紙では急速な持ち高の結果手元現金の高さから最後の仕掛けに動こうとしている向きの指摘もありこれらの動向から意外値が出る可能性もありやはり今年は最後まで気の抜けない展開が続きそうだ。


郵政祭り二日目

さて、昨日の郵政三社上場から今日もこれらに関してだけ興奮冷めやらぬ地合いは続き、かんぽ生命筆頭に本日も揃ってこの三社は大商いを集めて高値更新、特にこのかんぽ生命など前後場二度にわたって二日連続のストップ高水準に急接近する場面もあった。

一方で相変わらず指数上昇の割に個別は全く物色意欲が沸かずダラダラと売られる展開が目立ったが、上記の通り郵政一色ということで本日の日経紙スクランブルも郵政祭りに触れていた。これにはやはり初の民営化株であるNTTの存在に触れずにはいられないがポストに投函されていた当選通知を手にさて上がるのか?と逡巡した当時からもう28年も経った。

そんな記憶も懐かくなってしまったが、そのNTT上場当時はほんとうにバブル真っ盛りであった。同紙ではこのNTTから28年、投機と一線と書いてあったが原油動向や金融緩和の長期化等当時とダブる部分も多いなか過剰流動性は本当に一線を画しているのだろうか?政府も「出し方」を学習してきた足跡が見られるがホットマネーの性格だけはなかなか変わっていないようにも感じる。


巨鯨同時上場

本日は周知の通り東京証券取引所に、日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の郵政グループ3社が上場のはこびになった。注目の初値は日本郵政が1,631円と売出価格より16.5%高、ゆうちょ銀行は1,680円と同15.9%高、そして最後に値が付いたかんぽ生命は同33.1%高と下馬評通り何れも好スタートとなった。

ブックビルディングから高配当に加えて低PBRという事もあり売り出し価格は何れも仮条件の上限で決まっていたが、ストップ高まで買われて引けるなど最もパフォーマンスが良かったかんぽ生命など需給関係がそのまま表れた格好か。そんな訳でこれら初値で計算した3社時価総額は16兆6,000億円強と、1987年に上場したあのNTTに次ぐ規模となった。

売買代金も全市場でETFを除き3社で1〜3位を独占、3社合計で約6,204億円と東証一部全体の約2割を占めることになりこのあおりで新興市場など資金流出著しく個別株はもう用無しの如くボロボロに売られるハメになったが、その構造上急激な成長シナリオは見えにくい構図で、グロースというよりはバリュー系で長期投資マネ―をどれだけ呼び込み貯蓄から投資の起爆剤になるかどうかが課題か。

ともあれ郵政民営化を掲げた小泉改革から10年を経て漸く郵政株の売却が始まり、民営化プロセスは最終段階に入ることになる。


ハロウィーンサプライズ?

今週は日経平均が19,000円の大台を超える場面があるまで回復してきたが、ECB総裁が資産買い入れプログラム規模拡大の必要性を12月の次回会合で検証するとした事や、その後中国人民銀行が予想外の利下げを発表するなど世界的金融緩和の機運があり、本邦も明日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和への期待が高まっている事も背景にある。

市場では個別も緩和トレードなる動きが彼方此方で見受けられ、ちょうど1週間前に日経新聞社と日本経済研究センターが都内で開いた景気討論会でも出席者からは世界経済の下振れリスクを考えると日銀は追加金融緩和に動くと予想する声が挙がった一方で、所得から支出への前向きな循環が続いているとの見方から追加金融緩和は見送られるとの意見も出ている。

これまでハロウィーンには円が75円台の戦後最高値を更新したり、昨年は突如としての追加金融緩和が株式市場に予想外の「お菓子」をプレゼントした格好になった。今年はこのお菓子を早くも先取りする格好が一部見られるが、さて思惑通りにお菓子はもらえるのかどうか、ここへきて見方が交錯しVIも高止まりするなか明日の会見が待たれる。