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隠蔽で拡大

さて、本日の日経紙社会面には「14厚生基金で106億円損失」として、投資運用会社プラザアセットマネジメントなるところが運用していた2つのファンドの資産価値がゼロになった結果、少なくとも14の厚生年金基金で多額の損失が発生、2008年以降資金繰りの悪化を説明せずに新たな勧誘を続けていたという件が載っていた。

既にココは昨年に金融庁から業務改善命令が出て多額損失が喧伝されていたが、上記の資産価値がなくなってしまった2つのファンドは米国の生保を売買対象とする投資商品で、これは当欄では2年前に一度「〜契約も解約より換金率が高いことから契約者との成約もし易く、その契約者の生死で運用利回りが決まるので外的なファンダメンタルズとの相関性がほとんど無いというのがウリ〜」と取り上げた事があったのを思い出す。

年金に絡んだこの手の事件では一昨年のAIJ投資顧問の年金消失発覚が記憶に新しいがココは同社の投資先の一つ。資金繰り悪化を隠蔽して新たな勧誘継続というのは以前の安愚楽牧場事件もあったが、年金モノの場合はトップの裁量というのもあり信託の問題性とも絡めてまた議論が再燃しそうだ。


HOXSIN投資家予想指数ページをリリース

北辰物産は、2014年5月16日(金)付で、金、白金、ガソリンの相場予想を投資家の皆様に投票してもらう仕組みの「HOXSIN投資家予想指数」ページをリリース。

▼HOXSIN投資家予想指数


明日の相場、皆様はどのように見ていますか?
相場に取り組むトレーダーは、とても孤独です。時には、色々な人の相場観を聞いてみたいと思う事もあるでしょう。
一つの材料に対しても、相場の上げ下げの判断は、投資家によって様々です。他の投資家の方が、現在の相場に対してどのような見方をしているかは非常に興味深いものですが、中々それを知る術はありません。
当指数は、単純に明日の相場を大勢の投資家の方々がどう予想しているか投票して頂き、データー化したものです。明日の相場見通しに対して、投資家が相対的に強気か、弱気かを示すものになっており、大勢の投資家の相場観を反映させた、北辰物産「投資家予想指数」を参考指標の一つとしてお役立て頂ければと考えております。

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何所が違う?

さて、先週15日付けの日経紙夕刊社会面には「早大OBらを強制捜査」として、証券取引等監視委員会がネット株取引において所謂「見せ玉」を使い、不正に株価を吊り上げていた疑いがあるとして早大の投資サークルOBらの関係先を強制調査していた旨が載っていた。

これを見た時は数年前の早大OB事件が何故今更?とも思ったが、2009年のその件ではなく今回はまた別件であった。同じ投資サークルの同胞が挙げられたにも関わらず同様の手口でまた挙げられるというのも全く学習していない気もするが、近年ではアルゴを逆手に取るようなテクを駆使する輩も出てきて個人レベルも日進月歩である。

しかし、この行為自体を擁護するつもりはないものの摘発の境界線とはどの辺に敷かれているのだろうか?市場には外国籍含め魑魅魍魎のヘッジファンドがウヨウヨしているが、所謂「狩り」行為も横行しており個人でやっているこれらと何所に違いがあるのだろうか?というアルゴなど頻繁にある。

むしろ上記のような狡猾アルゴを逆手に取った方が摘発されるなどこの辺が逆に不信感を募らせている部分もある。2009年の事件の時に当欄では末尾で「活躍のフィールドが変わればまた貴重な力となるのは否定できないところ」と書いたことがあるが、この背景はこんなところからも来ている。


13年9月末までの「電子取引に関する状況推移」を掲載

日本先物振興協会は2013年9月末までの「電子取引に関する状況推移」を掲載。

▼電子取引に関する状況推移(2013年9月末まで/PDF)

これによれば9月末時点では

全口座数   :34,888口座(証拠金の預託されている口座数)
電子取引口座数:25,218口座(証拠金の預託されている電子取引口座数)
有効口座数  : 7,082口座(建玉のある口座数)

となり、預かりの電子取引比率は60.1%、売買高は51.1%。


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ガラ法?

今週気になったニュースとして政府の規制改革会議が客にダンスと飲食をさせる営業とダンス教室について、風営法が定める風俗営業から外すべきだとの提言を纏めたという件があった。

当欄ではこの辺に関して昨年初めに今の風営法を、「額面通りに受け取れば学習指導要領も再考しなければならない」と書いた事があったが、この規制改革会議では「健全なダンス文化や関連産業の発展の支障になっている」という理由から風営法所管の警察庁に同法改正案の査定を促すという事で、ヤレヤレ果たしてといった感じがする。

更に風営法に関しては8年くらい前に第2号というよりは手軽に第5号に流れている旨を書いた事もあったが、つい最近も3号営業絡みで起訴された経営者に対し大阪地裁が無罪判決を言い渡した件もあった。

同紙にも書いてあるがもともとこの風営法、戦後に客と踊り子との売買春の温床になるとして規制されてきたものだが、先進国においてこんな埃をかぶった法を現代社会まで継続させてきた方が驚く。風営法では無いがこれと似た件には小中学校等で行われてきた「座高測定」と「寄生虫卵検査」も近々廃止される事になったという報もあった。

携帯でさえガラケーなどと揶揄されるが、さしずめ上記のアレコレはガラ法とでも呼ぶのだろうか?この煽りで数々の文化を生み出したクラブが消えていったがある面では被害者だった側面もあろう。


リスクオンもまた

本日の日経紙マネー&インベストメントでは「商品市況でリスク先読み」として海外情勢に敏感な商品市場の動きに目を光らせれば、商品投資だけではなく株式や外国通貨への投資でもリスク回避などに役立つ情報が多い旨が載っていた。

この辺に絡んでは今月1日に「本当にそうなの?」として、ウクライナ情勢に絡んだロシアの経済混乱でパラジウム等の供給が細る事で末端までいろいろ影響が出ている旨を書いたが、本日は商品面にも「ニッケル5割高」としてこのロシアの供給不安等でLMEの地金価格が2年3か月ぶりの高値を付けている旨も載っていた。

これらの材料を基に上記のようにリスクオフもいいが、非鉄の低迷相場が一変したような時こそ関連株を拾わない手はない。代表格の大平洋金属なんぞは2月の安値から実に6割近くも上昇し週明けは年初来高値を更新、ほか別子も3月安値から4割近くも上昇し年明けからの低迷相場の中で異彩を放っている。

アベノミクス相場で総かさ上げの時は市況敏感株も今一つ連動性に欠けたものであったが、年明けから往って来いの全般低迷相場期には水を得た魚の如く動く習性もまた健在である。


多角化

本日の日経平均は急反発、堅調だった大手不動産中心に業種別では不動産が上昇率トップとなっていたが、不動産といえば中国国家統計局が発表した1-4月の不動産投資は前年同月比16.4%となった旨のロイターの記事を見かけた。

シャドーバンキング等も絡め成長減速感も言われて久しいが、上記の不動産絡みでは欧州の有名ブランドが足元ではけっこう進出している。例えばブルガリは地元大手と組み上海で40階建てビルの上層階にホテルを開業する計画があり、アルマーニも地元大手と組んで四川省成都で高級マンションを建設中である。

各社共に事業多角化の一環で、同国でしか購入・利用できない分野を開拓し新たな収入源を探ろうというものだが、果たして成功するか否か不動産以外でもブランド系はアンテナの類も多数ありそれらと併せて興味深い。


アジア彼是

週末の日経紙夕刊には東南アジアの証券取引所が海外の投資マネーを呼び込み、経済成長を後押しする狙いでイスラム・ファンドやインフラ・ファンドなど独自色を出した商品の多様化など投資商品の品ぞろえを競っている旨が載っていた。

当欄ではつい先月も地銀などが出資する「ハラルファンド」について取り上げたが、やはり世界で約163兆円超とされるイスラム系金融資産の取り込みには他国も余念がない。上記のイスラム・ファンドはフィリピンが年内にも47社で構成する「イスラム株価指数」をつくり、指数に連動するETFを導入する模様だ。

ところで東南アジアの証券取引所といえば、かねてより大和証券グループがミャンマーの証券取引所に協力体制をとっていたが、日本取引所グループと同社はこのほど取引所の運営会社に出資する方針を決めている。ミャンマーといえば最近も経済開放で度々メディアなど取り上げる機会が多くなったが、訪問客の急増に対応する為に国外からホテルの進出が相次いでいる旨も書かれていた。

投資マネー争奪やらホテル戦争やらと、所謂ラストリゾートに対する期待はこうした過程で大きく今後も目が離せない。


集団心理

本日の日経平均は反発となったが、高値から上げ幅を削るなど昨日の急落からするとなんとも心もとない動きであった。しかし市場関係者の間では欧米諸国と比較しても下げのきつい昨日の急落を見るにやはりといった感じで思い出してしまうのが「Sell in May」か。

アノマリーというより米から格言扱いできたのでアノマリー云々で取り上げてきた「ジブリの法則」等とはまた違うものの、それでもここ4年のあいだ続き昨年の今年は外れと騒ぎユーフォリアに満ちていた最中での暴落や、連休明けの昨日の急落を見るになるほどこれも健在といった感もある。

格言やアノマリーは夫々もっともらしい理由がついているがどれも主因特定ができないアノマリーはいつ途切れるかわからないのがわかってはいるものの、連休前のプットが軒並み2倍から4倍に化けたのを目の当たりにしたりするとまたイベント感覚でエントリーしたくなってしまう投資家も多く、こういった集団心理がまたその連勝記録?を助長させているのかもしれない。


働きかけ

昨日の日経紙には「貯蓄から投資 出足まずまず」として、NISA口座開設数が制度開始時点で政府が2020年の目標とする三分の一近くに達し、同紙が大手証券5社とネット系大手証券5社に利用状況を聞き取り調査したところ同口座を通じて3月末時点で5,000億円規模の資金が流入とまずまずの出足となっている旨が載っていた。

実際に投資した金額平均は投資枠の6割といったところだが、先月も当欄で取り上げたように東証など最終的には単元を100株に一元化するような方向や、REITも続々と分割を実施するなどNISAに合せた動きであるのかのように小口化が相次ぎ企業側も投資家への働きかけが顕著である。

そういえば今年に入って突如としてストップ高するような銘柄には株主優待再開というようなモノも含まれていたが、この優待にしても導入済みの上場企業が3月末時点で過去最高の1,114社に達するということ。また従来より少ない投資額でも受けられるような制度改定をしたところも出てくるなど上記と併せ特徴的である。

しかし気になるのは、企業側こそこういった動きがあるもNISAそのものはこれ以上歩み寄りの余地は無いのだろうか?100万という枠に限定された非課税期間、損益通算の問題、マル信も不可、その担保にもならない等々挙げだしたらキリがないほど使い辛さ満載、いい加減NISA側も真剣に改善を考えるときだろう。


本当にそうなの?

昨日の日経紙のシリーズ、揺れる資源調達には「歯科治療も変えた」としてウクライナ情勢に絡んだロシアの経済混乱で、世界首位の生産であるパラジウムの供給が一段と減るとの懸念から製造販売元から末端までいろいろと影響が出てきている旨の記事が載っていた。

ところでこの記事の末尾には金歯が10年前に比べて倍以上にもなっている話が載っており、「パラジウムやプラチナ、金を極力使わず価格が安定したセラミックなどを利用するのが増えてきた」云々と出ていたが、あの実質解け合い騒動になったパラジウム暴騰劇の時でさえ被せモノの末端価格は変動が無かった記憶があるが今回はどうやらそんな感じではないらしい。

それにしても、「価格が安定したセラミックなどを利用するのが増えてきた」というのは本当なのだろうか? セラミック系は少なくとも上記のメタルものの数倍くらいの値段が通常、例えばジルコニアやオールセラミックでなくともグレードを更に下げたメタルボンド等の合成モノでもまだ金歯なんぞより価格は高いのが普通だがどうなのでしょう?

保険モノ含むところから自費モノまでそんな動きが起きているとはにわかに信じ難いが、まあ昨今格差社会がますます広まっている歯科業界の側から見れば自費モノは経営を支える重要なキーとなっているだけに、日経の記事が本当であれば資源価格混乱は歯科医にとっては大歓迎といったところでしょうかね。


循環停滞

昨日の日経紙・スクランブルには「IPO後遺症悩む個人」と題して、3月以降のIPOの初値が公開価格を下回るような冴えない動きを続けていることで、IPOで潤った個人マネーが主力株や次のIPO銘柄に回って相場全体が活気づくメカニズムが働きにくくなり、連れて新興指数も下落している旨が載っていた。

同項の冒頭にも出ていたが例えばジャパンディスプレイ、これも直前に公開価格割れとなった日立マクセル同様に公開価格割れで上場、その後も上値の重たい動きを続けていたが週明けには上場時の会社側予想から一転サプライズな下方修正発表で急落、続いて本日も序盤から続急落となっている。

同社に関しては話題性はあったものの、業種自体が常に競合に晒され既に市場から消えていったエルピーダの連想も一部にあり当初より海外勢には警戒されていたのだが、それでも下限で決まったとはいえ公開価格は高過ぎたと言わざるを得ないだろう。しかし、上場時からの動きを見るにやはり株価は正直と改めて感じる。