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株価もゲーム化

連休を挟みその後もズルズルと冴えない株式市場であるが、そんな中でも今週特に崩落がキツかったのはやはりSNSセクターだろうか?例の「コンガチャ問題」から今週はソーシャルゲーム界の双璧グリーとディー・エヌ・エーはじめとして関連株が崩落、本日こそ目先の灰汁抜けで自律反発とはなっているものの、両者ストップ安の週明けなんぞはココだけで時価総額が約2,000億円も消えた計算になるからこれは酷い。

消費者庁では問題になっている「コンプリートガチャ」なる仕組みが所謂景品表示法に抵触する可能性があるということであるが、課金システムを巡っては以前より段階的な規制懸念が散々言われて来ただけに、ここまで折に触れ出る悪材料で押してもなお逆に好業績を理由に買いが入ってきた市場の方に意外感があるというのが正直な感想か。

確かにこの手はユーザーをハメる?射幸性やら中毒性の高さが収益のキーとなってくるワケだが、広義ではパチンコなんぞもそうだしそう考えているとこの辺もいろいろと政治力の影がチラつくというものだ。急成長モノの出る杭は打たれるといったところだろうが、お上の規制モノも他を見てみれば医療から投資、食品関係まで果たして誰が見ても整合性のあるものは如何ほどあるだろうか?


高額消費回復

さて、昨日終了となったが三越本店で開催されていた「芸術と自然のふれあい・ガレ&ドーム展」へと今年も足を運んできた。たまに開催される此の展は、著名美術館で展示されるくらいのクラスもたまに出て来るが何れも裏面や底など裸で見ることが出来る割に大々的な宣伝をしていない分、鑑賞客もマバラでゆっくりと見る事が出来るのがいい。

今回比較的目に留まったのが1889年のパリ万国博覧会に出品されていたものと同系の透明クリスタルのトンボ文花瓶、1900年前後の深海文花瓶、それに仏ナンシー派美術館に現在収蔵されている物と同型の花形ランプの台座付きの物等であった。

ところで思えば3年ぐらい前は2,000万円超クラスが幾つか出ていたものだったが、今回の展示はそこそこレアものでも1,000万円程度で熱心なコレクターにとっては全体的に食指が動く?価格設定となっていた。事実ここ数日で上記のうち2点は既に売約済みの札、うちパンフレットの表紙にもなっていた1点は購入した顧客が直ぐに手元に引きたいとの事でその姿は既に無かった。

昨今高額消費が回復傾向にあるという記事を彼方此方で見掛けるが、こうして身近なところでこんな現象を見るにつけこの辺が改めて実感されるものだ。


人材草刈り場

さて、昨日の末尾では政府の無策に絡めて東電やエルピーダ破綻にも少し触れたが、エルピーダといえば本日の日経紙企業面には「ライバル対決、米に軍配」として破綻した同社が米マイクロン・テクノロジーを支援企業に決めた旨が出ていた。

今回の同社の入札劇では一次入札においてホニーキャピタルなる中国系ファンドが参入して来た事で一時はまたも技術流出懸念が囁かれたものだが、結局は元サヤというか元々互いに歩み寄っていたマイクロンに落ち着き一応の安堵感漂うところ。これで技術融合しサムスン追撃ともいわれているが、DRAMに限らずこの韓国勢などこのところ水面下で日本の技術者に引き合い合戦が進行している旨も一部では報じられている。

先にも書いたように直近で発表された日本の家電メーカーの赤は大手三社で2兆円近くにも上るなか、リストラなど雇用環境悪化を受けてその手の素地は十分である。そういえば当欄で2年前に「お家芸の技術力」のタイトルで優秀な技術者が他国の優遇を求めて日本を離れる裏にはその評価というか地位の低さが起因している部分もあるのではないかと書いたことがあった。

企業の事情も絡んでくるので一口にインセンティブの国際標準を考慮するのも難題だが、そうこうしている間にも様々な形で粛々と技術力が狙われている。何処かで歯止めが掛かる流れに変わるのかどうかその行方を見守りたい。


42年ぶり

周知の通りこの連休中に国内の原子力発電所で唯一運転していた北海道電力原発が発電を停止し、これで実に1970年以来42年ぶりに全原発が停止する事態となった。何かこう全停止というと妙な安堵感?も一部では見掛けるがその手のリスク度合いは核燃料如何で基本は同じ、それよりも経済界への影響が懸念される。

経産相など関西電力管内で今夏の計画停電への備えに言及してきた経緯もあるが、再稼動の道筋も見えない中をこれから昨年以上に各所は厳しい状況になりそう。一般も勿論そうだが、こと経済界で広がっている電力不足への危機感は値上げやら慢性的な円高とも相俟って空洞化に拍車を掛ける懸念も擁している。

再稼動といえば縦しんばそうなっても当面は火力のフル稼働が続くことになりそうだが、思えばこの火力も各電力会社は第一次オイルショック以降、数十年にわたって電源構成の見直しを原発主軸に進めてきたものの、先の震災時の事故以降再度この火力へ回帰する構図になっている。

ということで昨年は国難ということで痛みを分け合えたものの、夏を前に節電に値上げと顧客との板挟みになっている電力各社を見るにつけ、やはり政府の無策ぶりが目に付く。
経済的な責任を取るでもなく、震災から一年以上が過ぎても有効な対策を打ち出せず渦中の東電株はそんな中で本日もズルズルと沈没、先に国策エルピ−ダも破綻したが早急にこの無策劇にピリオドが打たれることが望まれるところ。


アクティブ口座の日中立会取引時間を延長

日産センチュリー証券は、日経225先物及び商品先物の「アクティブ口座」において、2012年5月7日(月)より、日中立会のお取引時間を延長へ。現行の9:00〜15:00から9:00〜15:10に変更。

▼『アクティブ口座』取引時間延長のお知らせ(日経225先物・商品先物)
▼日産センチュリー証券:アクティブ口座


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活性化期待と持続性

さて、世間ではゴールデンウィーク真っ只中だがこの期間を海外で過ごす人の出国が先週末成田でピークを迎えた模様で、今年は日並びのよさや自粛ムードの反動もあって04/27〜05/06に同空港を利用する旅客数は前年同期比16.3%増となり、海外旅行者数は過去最高に迫る56万人超といわれている。

斯様に海外へと向かう人あれば、国内も東京都心では新たな商業施設開業が相次いでいる事もあってこちらも盛況なよう。この辺に絡んでは先の日曜日の日経紙社説でも「街の個性で外国人を呼ぼう」として、都心での大規模な商業施設開業で東日本大震災により低迷した観光消費の復活に一段と弾みを付け、特に海外観光客を日本へと呼び込むために東京の持つ多様な魅力を発信する手掛かりとしたい旨などが書いてあった。

このG・W直前に開業したのは「渋谷ヒカリエ」だが、開業初日の2日間で来館者は約20万人、ビル内の商業施設売上は予算比で200%を達成するなど好発進となった模様。その一寸前には「ダイバーシティ」が開業したが、湾岸地域は外人客も多く訪れ上記に適った期待も抱かせ開業を待つ「東京スカイツリー」(東京ソラマチ)もこの点ではまた然り、既に経済効果の胸算用も彼方此方で出ているが、ネット等で殆ど完結できる昨今それを越える何かが商業施設には求められよう。

さてこれだけ一度に開業ともなると需要の食い合いも気になるところではあるが、それより今後を見通す場合キーになってくるのはやはり各々の持続性だろうか?消費は回復傾向にあるとはいえ回遊・再訪を課題にしたこれらの集客の持続性は未知数、六本木界隈のような安定性が定着するかどうかに掛かっているといえ、この辺の今後に注目してゆきたい。


4/30より「Exprert」新システム提供開始


岡藤商事は、2012年4月30日より利便性向上・高速処理、安定した取引環境確立を目的として「Exprert」新システムの提供を開始(システム切り替え)。新システムでは、口座情報や値洗い値段もリアルタイムで更新、また最適化版の提供によりスマホでの取引にも対応。

▼インターネット商品先物取引システム「Expert」専用サイト
▼「Expert」新システムの変更点および注意事項(PDF)
▼スマートフォン・モバイル版取扱説明書(PDF)


またシステム刷新にあわせて、専用サイトもリニューアル。同社のポイント修正についてはサービス内容を確認した上で反映致しますので、今しばらくお待ち下さい。


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太陽光バブルの行方

さて今週はいまひとつ気迷いが続いている株式市場であるが、そんな中で一際強さが目立っているのが太陽光関連株だろうか?これは週初に日経一面でも伝えている通り7月に始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度で、経産省の調達価格等算定委員会がこの太陽光発電の買い取り価格を1キロワットあたり税込み42円とする方向で調整に入ったと報じられたものが好感されてのもの。

専門家の間ではもっと安価で適正との声もあったようだが、再生可能エネルギーの普及促進の為にほぼ発電事業者の要望をそのまま呑んだ格好となっている。買い取り価格が高いほどこうした事業者の利益が大きくなる計算で関係者は一先ずニヤリといったところだが、長期にわたる安定買取で企業努力が疎かにならないだろうか?尤もこんなバブルの匂いに魅せられ強力なコスト競争力を持つ中国勢から、魑魅魍魎な向きまでの参入もあり其れなりに対峙もあろうか。

ところで日本に先行し買い取り制度を始めた欧州や米国では、それぞれ立て続けに大手太陽電池メーカーの破綻が相次いだのが最近の話。それだけに最近の太陽光発電関連株の中にはこの時のショートが原動力になり今週急騰した銘柄もあるが、上記の通り中国勢の侵食や制度の見直しで補助金が減るような事になるとこの辺の構図もまた一変してくる。

先行したところを見てもこれは起こり得る話であり、そう考えると助成も長期にわたる安定買取も絶対なのだろうかと疑問も出てくる。この補助金もどうせ我々の税金が原資になっているわけであり、この辺のバランスを上手く図ってゆかないとバブルだったと後になってわかる戦後処理も財政悪化含めいろいろ厄介になるのは想像に難くないか。


潜在的市場

昨日の日経紙国際面には「ミャンマー 陰る強調」との見出しで、EUが週初に対ミャンマー制裁の一時停止を決め同国の民主化改革を後押しする等の姿勢を横目に水面下での駆け引きもまた一方で進行している旨が載っていた。

ところでこのミャンマーといえば、昨年の国際フォーラムでの講演であのジム・ロジャーズ氏がスリランカと共に将来有望と話していたのが記憶に新しいが、まさに今民主化改革を機に消費ブーム到来の兆しがいわれておりその先導役はコーヒーという。

やはりというかこの手の国では先ず嗜好品というのが相場だが、このコーヒーでは日本勢としてUCCが早速同市場参入の計画とか。同社といえば直近でM&Aとしては過去最大規模となる欧ユナイテッドコーヒーを買収し海外事業強化を発表したばかりだが、巨大な商機が埋もれる市場を狙って各企業が虎視眈々と参入する様はまた別のところで二次的商機も創造する事になり今後も目が離せない。


下限あり

本日の日経紙には、日銀が月末の金融政策決定会合で追加金融緩和の検討に入ったことを受けた長期金利の低水準になっている様が書かれていた。目下のところまた欧州の雲行きが怪しくなってきているが、この金融政策決定会合が控えているために本邦市場はなかなか鋭角的に売ってゆく動きになっておらず消化難にも見える。

さて同じ紙面には「緩和は当然 日銀の苦悩」とも出ていたが、もともとゼロ金利とはいっても補完準備預金制度がある以上市場金利の下限は0.1%。即ち日銀がいくら資金を供給したところで当座に預ければ0.1%は確実に取れることから、金融機関が挙ってこれを行っているようでは金融緩和効果の実効性が疑わしいとの指摘は前からあった。

そんなわけではてこれが日銀は本当に苦悩なのか、つれない素振りが期待を煽る単なる演出に過ぎないのかというところだが常識的にはまだ可也の緩和余地があるというのは否めない。各所で催促相場もいわれているが、何を考えているか解らない決定に出れば単に失望に変わるのは明白であり何れにせよ月末の決定会合に注目である。


業界慣行に牽制効果の薄さ

さて、先週末にはSMBC日興証券に金融庁が業務改善命令を出すに至っているが、これは周知の通り企業の増資情報を公表前に漏洩し顧客に勧誘活動を行っていたのが金融商品取引法に違反するとの判断によるもの。主幹事の情報漏洩といえば、先月には野村の件を書いたことがあったが矢継ぎ早に二件目である。

証券取引等監視委員会ではこの対象銘柄の公表はしていないが、主幹事実績から察するに三井住友FGと、もう一つは相鉄HDと思われる。何れも国際帝石の説き同様に事前から不自然な株価の動きが予ねて指摘されていたが、当の委員会は検査対象はSMBC日興証券のみとして対象株を売買した投資家のインサイダー取引の有無については言及を避けており中途半端な感は否めない。

まあ、仕切りや大量推奨販売が公然と行われていた一昔であればこんなのはごくごく普通の光景であったと思われるが、情報を扱う証券会社への監視の目も強化され時代は変わったものだなとしみじみ。それでもこのケースでは情報伝達者はインサイダー取引規制そのものには抵触するワケでもなく、先の国際帝石でも課徴金は5万円足らずとけん制効果など出ようはずもない。業界の慣行の一つを切り崩すのもまだまだ時間が掛かりそうだ。