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さよなら0990

さて、今週はNTT東日本と西日本が、電話での情報番組の提供に使われている「ダイヤルQ2」サービスを2014年2月末で終了するとの報があった。近年のインターネットの普及に伴って利用者が減少していることに因るものとしているが、これは一寸前の両社のLモード同様に相場関係業者に多用されていた時代もあり当時が懐かしい。

こんな報があったことで久し振りに思い出したが、確かに最近ではメッキリ存在感が無くなり一頃業界紙には0990の番号が犇めき合っていたものもすっかり見なくなったなと。アダルトやツーショット等で社会問題化したこともあったが、今は殆ど消えてしまった街の投資顧問屋等の相場情報もその内容よりもいかに最後までフルに聞かせるかの話術がポイントで、その中毒性を上手く利用し一社で何本も提供するなどそういった意味ではこちらもツーショット系と然程構造に変わりは無かったか。

しかし報道によれば現存する番組は55番組というから存在は薄いとはいえもうそんなに廃れたのかと時代を感じる。まあiモードもルーツを辿ればQ2という話もあり日進月歩の世界、Q2のダークな部分を餌に肥えて今は善良顔している企業もあるが、また一つ時代の産物が消えるのは感慨深い事だ。


火の無いところに煙は?

昨日の欧州市場ではイタリアの10年物国債利回りが再度上昇、3営業日ぶりに7%台に乗せてきている。既に昨今の金融市場の材料は日和見な欧州情勢一色でそれに株価も一喜一憂、ここへきてユーロそのものの構造問題を指摘する向きも増えてきたがもともと事情が違う向きをパッケージ化する事に無理があったか。

そんなワケでデレバレッジの動きも活発化しており、昨日の日経紙でも投資家に分配金を毎月払う国内最大の投資信託「グロソブ」がイタリア国債を7日までにすべて売却した旨が載っていた。ECBの買い支えも虚しくこの水準ではさすがに持続不能の向きも多くコレに限らず見切りで国債価格が下落、追加損失回避で関連の処分売りがスパイラル的に進行するさまは資金調達の件も含めそれこそ最近の東電やオリンパスにも似たものを感じる。

こんな時に先週は米格付け会社のS&Pは仏の格付けを巡って誤送信したという一幕があったが、その慌てぶりがかえって怪しまれ火の無いところに煙は立たないといまだに仏格下げ懸念は払拭されていない状態、それにしてもタイミング的に最悪というか出来過ぎと勘繰られても仕方あるまい。

欧州ではこんな折に今度は金融規制強化という新たな要因も加わり、年末を控えた市場にまた一つ不透明要因が加わることになる。


2011年度ネット取引データアンケート調査返答結果

11月8日(火)から11月18日(金)の期間で実施しております「2011年度商品先物ネット取引データアンケート調査」の返答結果を日々こちらにて掲載して行きます。


※アンケート調査のご案内については8日(火)10:00までに全社配信済みです。もし未達の場合はメールにてお問合せ下さい。

【アンケート回答企業一覧(返答順):11/21現在 10社】

岡地、岡藤商事、北辰物産、岡安商事、エイチ・エス・フューチャーズ、ドットコモディティ、フジトミ、エース交易、フジフューチャーズ、日産センチュリー証券

【アンケート未回答企業一覧3社】

カネツ商事、コムテックス、(ひまわり証券)


総裁連動株価?

本日より明日まで恒例の日銀金融政策決定会合があるが、日銀といえば先週此処の株が遂に40,000円の大台を下回ったのが話題になっていた。昨今の個別銘柄は実に20年ぶりとか30年ぶりの安値に沈む個別銘柄が多いが、当欄でこの日銀株に触れたのが8月でその時は約10年ぶりの安値であったが、これで実に約26年ぶりの安値になった。

さて株価の衰退よろしく段々と細ってきたのが、例の金融緩和策の一環として株価の下落局面で基金を通じ行うETF買いか。上記の8月は1日あたり256億円を買った日もありその買い入れ合計は1,732億円であったが、9月は同合計が1,561億円、そして10月は同合計が742億円、今月というと今のところは同合計が328億円と明らかに勢いが鈍っている。現在までに基金のETF購入総枠半分超を費やしたが、為替介入は一発で8兆円投入というからこの辺の采配は如何に。

しかし見ていると日銀総裁というのも影が薄い。バーナンキ氏など見ていると賛否両論あるものの一応は雇用拡大と経済成長を最優先課題に掲げる旨の明確化が目立つが、今の日銀総裁にはこうした責務の発言も無ければ明確なビジョンも全くといっていいほどない。先週末の日経紙「まちかど」ではこの日銀株が換金される様を「日銀株より日銀券を志向する投資家は、デフレがまだ続くと判断しているのかもしれない。」と書いてあったが、となれば介入効果も虚しくまだ円高継続という見方にもなるが。


亡霊

渦中のオリンパスだが、週明けの本日は一転して買い気配からストップ高の比例配分となった。これは勿論のこと証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑で法人を刑事告発せずに、課徴金納付命令の金融庁への勧告にとどめることを検討していることが分かったと一部で報じられた事に因るもの。これで上場廃止基準に抵触しないということになると上場存続の期待が当然出てくるワケで上場廃止を織り込んだ売りがそっくり買いに回るという単純な構図で、似たような境遇?の大王製紙まで今日はストップ高まで一時買われる始末。

何れもこの先どういった結末になるか東証等の胸先三寸だけに一般的には分かりようもないが、監理銘柄で売り禁になっているだけに売り方なんぞは利食いしてしまえば解禁になるまでもうショートを持てなくなり、その前に一転上場廃止ともなれば尻尾までいただく快感を逃してしまうということで悩ましいところか。まあこれは買い方にしてもそうだろうが、投信から政府系ファンドまで今のところトッとと処分した向きとジッと耐えている向きとで二分されており各々の性格が出るというものだ。

しかしこの件、先月に当欄で触れた際に「漫画に出てくるような粉飾隠蔽紛いの処理」とコメントした通りそのままの漫画のような結末であった。公の前で笑いものになっても黒い物を白と言わなければならないサラリーマン社長の悲哀を会見では感じたが、今頃こんな事例が出てくるとはまさにバブル期の亡霊という表現こそ相応しい。街では今迄書いてきたようにバブル期の象徴であった物が次々消え行く昨今、今更ながらこの当時の副産物が表面化するとはある意味感慨深いものがある。

こんな古典がこれまで通用したのも独裁国の如く企業も長期政権ならではの為せる技であったのだろうが、彼方此方の独裁国がおかしくなってきているように綻びが露呈するのも時間の問題であったか。しかし先に書いたようにコーポレートガバナンス然り、日本有数の大手監査法人にしてもこんな事例が上手くスルー出来るなら国際的な信頼性も失墜するということになる。またこの先には東証としてどう処分付けるか、大証との統合でこれから新しい一歩を踏み出そうという中、その結論にもまた注目が集まる。


新生マリオンの顔

本日の日経紙には三越伊勢丹HDが来春、羽田空港に「メンズ館」を出店する旨が載っていたが、このメンズ物で最近気になるといえば先月には有楽町に「阪急メンズ・トウキョー」がオープンしている。このマリオンには同店と共にその後西武の閉店セールがまだ記憶に新しい中を「ルミネ有楽町店」もオープンしているが、過日近所に所用があった序にどんなものか一寸覘いて来た。

オープン直後だけにそこそこの人手であったが、エントランスには先に世間を騒がせたあの海老蔵の写真が掲げられ銀座地区へ対しなんとも挑戦的な感、それは兎も角ザッと見た感じではなかなか小奇麗にハイブランドも纏まっており、「セルジオロッシ」や「ナラカミーチェ」などレディースに傾斜しているブランドなどなかなか国内では品数が乏しいメンズ物がそれなりに揃っていたのには一寸感動。感動ついでに、衝撃の日本撤退をしたあの「ベルサーチ」も再度復活していたのがまた印象的で、ホンノリとバブル再来の香りさえ感じた。

メンズ特化ということで上記新宿伊勢丹のコピーも連想したりしたものだが、失礼ながら風俗マネーがコアの消費層とされる伊勢丹メンズとはやはり毛色が違う。イタリア系ラグジュアリーブランドなどウィンドーショッピングでホンの一寸会話しただけにもかかわらず、何れの店も店員が名刺を差し出し何時でも使ってくださいと実に丁寧な応対。個人的な感ではなにかこうメンズを謳ってはいるものの女性こそが金を落しそうな感じがする。

対する「ルミネ有楽町店」も所詮はアゲハ系ブランドで固めた駅ビル系を想像していたのだが、意外?にもココもまた店員の対応は商品知識からマナーまで素晴らしく、「有楽町イトシア」や「プランタン」などもウカウカしていると顧客が流れそうな感もした。

何れにしても関西で成功した「阪急メンズ」、初の(脱)駅ビル形態の「ルミネ有楽町店」、共に成功できるかどうか今回試金石となるのは間違いなく、呉越同舟で迎え撃つ三越伊勢丹と松屋など銀座勢と併せまた目が離せなくなってきた。


前哨戦のグルーポン

さて、周知の通り先週末にはクーポン共同購入サイト最大手である米グルーポンが、米ナスダック市場にはれて上場の運びとなっている。注目の初値の方は公開価格を40%上回る28ドル、終値は公開価格より31%高い26.11ドルで引け好調な滑り出しとなった。

終値で計算すると時価総額は円換算で約1兆2,900億円、これと同クラスの上場企業といえば京セラや住友商事クラスになるが、こちらの場合は創業わずか3年であるからなんとも驚きの規模である。

この手の上場では今年5月に「リンクトイン」を取り上げたが、ココに続いて上場した「ジロー」なるオンライン不動産取引会社も新規上場時には公開価格の3倍まで値を飛ばした経緯がある。ただ同社はこの段階で赤字企業、知名度は抜群ながら「グルーポン」も今後はココも赤字体質をどう捉えた評価になってくるかだが、競合他社が続々とこのビジネスに参入してきているだけに予断を許さない。

何れにしても元々上場に伴う調達額が7億ドルとかつてのグーグルに次ぐ大きさで、夏以降出ては消える進行状況からIPOは凍結状態でココは再開後の動向を占う試金石でもあっただけにモルガンなどホッと一息というところだが、これが終ると今度の焦点はやはりフェイスブックということになるか。


11/12付で「新オアシス」サービス提供開始

岡地は、2011年11月12日(土)付で取引システム「オアシス」をリニューアルし、サービス開始。新オアシスでの大きな変更点は

・注文入力画面の相場表、気配値にAJAXを採用
・マルチブラウザに対応(IE、FireFox、Safari、Chromeなど)
・Macにも対応
・全てのチャートで日足から分足、Tickまで自在に設定が可能に
・部分約定した注文だけをまとめて決済する『注文別仕切注文』

など。またスマートフォン版オアシスも準備中とのこと。

▼2011年11月12日(土)より、オアシスがリニューアルいたします!


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TPPと既得権益

さて先月末の日経紙世論調査では首相が交渉参加に意欲を示すTPPに「賛成」が45%で、「反対」が32%となっていたが、このTPPの意見集約などを明日に控えて不利益を被るとされている各種協会などの反対意見広告も目立ち、ビジネス誌等でもこのTPPが格好のネタにされている。

このTPP、自由貿易を柱とする海外との包括的な経済連携協定の一つで主要貿易国との間で関税の壁等を取り払い連携を深める狙いだが、国の成長に不可欠な一方で安い輸入品流入等で影響を受ける業種もあってこれが反対派を勢いづかせている。農業関連と共に医薬品業界をも戦々恐々とさせ、株式市場では直近まで物色難から消去法で買われていた医薬品ポストも軟調な物が目立ち、武田薬品など主力も直近で年初来安値を付けるに至っている。

確かにこのTPPはメリット・デメリット双方が混在し一概に賛成とも反対とも言えるものではないが、反対派でやはり目立つのは農業関連、10月の末頃だったか日経紙でも前農相が到底受け入れられなく徹底して戦うと激しく反対の意を表明していたが、それもその筈TPPはこの農水始めとした現業官庁の既得権益が破壊の方向へ向かうのが自然。こういったことが絡む為にマスコミ報道もプロパガンダ的歪曲が一部指摘されるが、結末はどうあれこうした国策絡みの件は利害関係が露骨に浮き彫りになる。


逆さ合併なるか

週明けの本日の日経紙一面を飾っていたのが、「東証・大証 来秋合併」というタイトル。予てよりかれこれ一年近く水面下で模索され折りに触れ当欄でも取り上げてきたが、報じられているところによると上限付のTOBで大証株の過半数を取得、合併新会社を持ち株会社と4子会社に再編という形で合併比率の詰めなどを急いでいる模様だ。

これら報道を受けた当の大証は本日買い気配から反発となっていたが、さすがにこの手の話も数を重ねるごとに当初ほどの関連株反応も鈍くなっている感じがするが、任天堂など大証がマザーのものも再度材料を蒸し返す動きで反発となっていた。

この件を前回8月に触れた際に、株式交換、TOB案、上限付TOB案の三案を挙げたが最終的には一番複雑な最後の案に落ち着いたか。今回は国策が掛かる特殊例とはいえ取引所がこの手の逆さ合併を敢行したことではたして今後一般が似たようなケースを持ってきた場合承認が緩くなるのだろうか?裏上場が緩くなるとまた如何わしいことを考える輩が出てきそうだが先ずは完結が先というところか。

ところで日経紙といえば、あの日立・三菱重工の経営統合と先走ったリーク以来「羹に懲りて膾を吹く」の如くなりを潜めていたが裏が取れたのか久し振りのリークを打ち出してきた。これでまたも前回のようになったらそれこそ萎縮してしまいそうだが、この先には懸案の商品取引所との統合案も控え国内再編は焦眉の急とされているだけに上手く纏まって欲しいところだ。


リーマン型

昨晩の米株式は300ドル近くの急反落となったが、その一因ともなったのが米商品ブローカー大手「MFグローバル」の破綻か。これについては既に先週あたりから身売り話が出て株価も暴落、そろそろカウントダウンとの噂がまん延していたのだが、正式にニューヨーク連邦破産裁判所に米連邦破産法11条を申請、自己資本を大きく上回る身の丈以上の欧州系国債大量保有がトリガーになった模様だ。

さてこの米連邦破産法、日本でいうところの民事再生法というところになるが、今回は「リーマン・ブラザーズ」が破綻したときと同様のケースで、申請後に入札をかけて他へ譲渡というパターンか。ただこの辺はインタラクティブ・ブローカーズの名が挙がっていたものの現時点では不透明。リーマン・ブザラーズ型といえばこのブローカー、その資産規模こそリーマンには敵わないが、それにしてもあの不正会計の「エンロン」や自動車大手「クライスラー」の間くらいに位置し立派?な大型破綻にランクされる。

同社破綻の報で世界各国の関連金融機関はその対応に追われているが、身近なところでは「MF Global FXA証券」が急遽営業休止、建玉の速やかな決済をお願いしているが委託者サイドも今回のように噂になり騒がれていた時間がある程度あった場合など防衛策を早めに取れる行動力は是非身に付けておきたいところ。

一連の欧州危機を引き金としての米金融大手破綻例としては今回のケースが始めてになると思うが、今回は特殊な例としても引続き二番手が出てしまうのかどうかこの辺には注意しておきたいところ。