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業態変遷

往年の仕手系株で以前大相場を演出し、今なお直近まで折に触れ人気化していた東証二部のユニオンホールデインングス傘下のUSS証券が、本日コスモフューチャーズを吸収合併と発表した。

その比率は取引員1,000株に対し証券会社1株であるが額面の違いから実際は1対1と対等合併というように見える。

元のユニオンそのものもそうだが、最近の二部や新興市場には投資銀行業務に業態転換したところが増殖し、そのコード番号自体が殆ど意味を為さなくなった上場企業が多い。

これらはある意味別のステージで盛んにM&A展開しているが、取引員をどう絡めてゆくのか注目してみたいところ。

実質価格

昨日は一服となった原油であるが、オイルショック以来の上昇率が指摘され危険水準に近づいたとする時事の記事があった。

以前にもここで原油と株式のキレイな逆相関を書いた事があったが、それも当時の現象に止まり本日の株式は年初来高値を更新し2001年8月以来の12,300円台を回復している。

経済そして株式もコスト上昇を充分に吸収してゆけるという証なのか、若しくはオルタナティブ系の運用残の部分もあるとはいえ十数年ぶりの高水準に積み上がった売り残のパワーが為し得る技なのかどちらとも言えないが、所謂体感として伝わって来ない限りは市場の流れに未を委ねる他ない。

売買機会

お盆真っ盛りという事で休み明けの本日は流石に幾分閑散とした感じであったが、昨日くらいまでは知人の店含めその他あまり普段と変らない人口密度を感じた。

ところで相場の方は3日連続で史上最高値を更新したWTIを見ながら国内は製品がストップ安とある面盆特有の動き、株式の方はこの日にしては活況で各所でディーリング相場が展開されている。

盆休みくらいユックリという声を他所に最近中毒になったネット系トレイダーの商いが各市場の板を見ていても窺えるが、まだまだこの手は新たな層として増殖しよう。

投機醸造

いやはや原油の急騰は破竹の勢いとなっているが、当然CRB指数の方も再度320ポイントを舐めに来ている。まさに春先の高値を射程権に捉えているがエネルギーに傾斜した構成替えをした事が大きく影響している部分もある。

ちょうど日経平均も幾度の変遷を経てハイテクの比重を高く構成した事で一時はハイテク指数と揶揄された時期があったが、オイルが市場をリードしている今CRB指数も同じような現象が起きる事になるのであろうか。

何れにせよこれがベンチマークであるならば、株式投信がよくやるようにとても理論では買えない銘柄にも追随買いを機械的に入れなければならないファンドがまた大挙する事になるか。

再来

一連の郵政民営化法案で一時売られた株式は本日もほぼ全面高で年初来高値更新、次いで円も急反発となっている。

先のテロ事件でも目先の弱気派ショートが格好の餌にされた米株式の例があったが、今回もそれの映しを見ているようでもある。

オプションの詳細を見ている向きはこの再来もある程度は予測出来たと思うが、それにしても過剰流動性のパワーは凄い。

ジャンル問わずにこうした投機の部分のパラダイムシフトがまた求められている。

IR考

本日金融庁は、金融サービス利用者を保護する観点から顧客満足度に関する調査を実施するよう銀行や保険会社などに要請すると発表の旨が時事で出ていた。

この辺の事はけっこう前から言われていたことだが漸く表に出て来た感じ、調査結果踏まえいろいろとオマケが付きそうな問題もあるが、自主的にこの辺をディスクロしてまた触感の違った営業も面白いとも追う。

なにかこう世間的には優等生でない業界群は以前よりこの辺に長けており見習うべき部分は多いのも事実。

主体変遷

注目であった郵政民営化法案は予想外というか既定路線というか造反もあって否決され、衆院解散の運びとなった訳だが、マーケットの方は国債や円が弱かったものの同様に採決前に売られていた株式は所謂材料出尽くし感からか引けは小反発となっていた。

この造反もあのマニフェストを持ち出すと甚だ滑稽というのが一般論で、一昔前は政局混迷といえば外人筋が最も嫌う要因であったものだが、この反発もデイトレーダーの貢献度は高く既報の通りここ数年で売買主体が変ったのか否かをこうした場面で感じる今日この頃である。

今週初めには経産、農水両省が中部商品取引所が申請していた鉄スクラップの上場を認可したが上場は10月、取引要綱等既に出ているが世界初とあってどんなものか興味深いところである。

どんな業界にも取引慣習というものがあって、一般に商品が新規上場する際にはこの部分を軽視した為に鳴かず飛ばずという経験を既に東穀や東工取もしている。

この辺は非常にナーバスな部分で両者納得という均衡点はまず見出せないであろうが、少しでも歩み寄る部分が今後出て来ると上場後は可也今迄と違った物となって来るのは必至であると思う。

個人パワー

本日の日経平均はザラバではあるが1年3ヶ月ぶりに12,000円台を回復した。そんな中を本日は、イートレード証券が先月の売買代金が初の4兆円突破となったと発表、個人の売買代金シェア首位を勝ち取った格好だが他も同様、斯様にデイトレ族は増殖し続けている事の表れだが投資金額帯で言うと500万未満が全体の3割強を絞めているらしい。

昨今低位株が尋常ではない出来高を伴って物色される事が多いが、背景にはこうした小口資金事情が色濃く反映されていると見るのが自然だ。

主力との物色対象が更に色分けされる相場が続くか。

カラー

先週は出来高が8万枚突破と、ザラバ移行後の最高を更新したゴムのストップ安が本日目立っていたが、同じTOCOMでも軽油は出来高がたった1枚と明暗。これについては既に休止の方針を表明しているが、これが影響したか続く形で福商も小豆を休止の方向で打出している。

各所とも銘柄リストラ開始といった格好となっているが、こうした部分での代謝は是非活発化して欲しいものだ。

取引所側としては一般と当業の天秤で采配難しい場面もあるだろうが、この辺も取引所間でいずれカラーがハッキリしてこよう。

新バブル

本日の株式市場ではデパートの松屋等が物色されたのが目立っていたが、総じて本日国税庁発表の路線価絡みが材料となっている。その路線価であるが13年ぶりに上昇、これはバブル崩壊後では初めての事となったわけだがリート等の金融商品設定が所謂重かった物件にリクイディティーを持たせたりしたのが大きく貢献したといっても過言ではないだろう。

結局こうした資金は棚に乗ればオークション状態となり吊り上げが始まるが、溢れた部分が都心部から地方へ波及するか否か新たなバブルという位置付けで見ておこう。

回帰

過日、六本木のジョエル・ロブションで打合せがあったのだが何度訪れても思い切った無駄な空間が美しい。

この手のカウンター形式は他も銀座のレディタン・ザ・トトキ等が展開しており、最近の新興レストラン系では特に増殖している。所謂“対面”重視で前出の店も人事評価基準はこの部分がかなりシビアにチェックされているらしい旨を幹部から聞いた。

一方マーケットでは今や周知の通り非対面のオンライン取引シェアは日を追って範囲を拡大し続けているが、こうした物に限らず日常生活が殆ど非対面化する中をある面こうした回帰現象に出逢うと成る程妙に納得してしまう。