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ワラント

G・SがWTIやロンドンの金スポットのリンク債を原資産とするワラントを発行する事になった事で、コモディティーには今ひとつ不得手な証券関係者からのヒアリングが多い。

このワラントに関しては当欄で何度も触れているが、直近では3/10付で「石油ワラント」についてコメントしている。

今回はよりフィジカルに近いものとなり、またいろいろな合成ポジションが幾つも考えられそうだが、こういった商品の販路ももう少し拡大してくると垣根を越えたいろいろな意味での啓蒙活動に大きく貢献出来ると思うのだが。

優遇策

昨日の続きだがTOCOMは他に豪スマーツ社の市場監視システムを来年から稼動させるとも発表している。

スマーツの件は前々から言われていた事で、特にディーリング部門においては対策を協議しているところもあったような話も聞いているが、効果のほどは如何だろう。

これによって摘発した相場操縦に近いケースでも先ず会員に確認するとTOCOM側は表明しているが、先にコメントしたリクイディティー問題に深く係わっている部分だけに宝の持ち腐れにならねばよいが。こ

れに限った事ではないが、将来の為に目先に走るような特定者優遇策は避けてほしいものだ。

リクイディティー

TOCOMは先週の理事会で、第2四半期の出来高が予算を10%ほど下回った事を明らかにし懸念を表明した。

会費収入が絡んでくるのでナーバスな部分と思うが、稼ぎ頭の石油製品が営業日の約半数をストップ制限に抵触させている状況では穏やかではあるまい。

リクイディティーというのはやはり要で上場株式等廃止基準にはこの項目が謳われるくらいだが、これに比べれば商品は何を基準に上場維持が為されているのか不可解な物も散見される。

それは兎も角、今回はキーコモディティーがこの状況になった事でTOCOMは原油よろしく主力二製品の取引単位引き下げを検討に入るが、この状況を改善する為のプライオリティーをどう采配するのか興味のあるところ。

リプレイ

予てより時間の問題であった人民元問題を中国人民銀行は本日2%幅切り上げると発表した。

この抜本的見直しは94年以来であるから実に11年ぶりとなるが、貿易赤字の絡みで米国からの制度見直し圧力にあとは何時発令するかというタイミングであった。

長年の管理相場が撤廃される事で経済への影響は必至、これまでも折に触れ商品相場や株式市場で中国がテーマとなった経緯があるが、各々過去に物色された中から蒸し返し相場で大相場への取組を作る銘柄が出て来る可能性は高くザッと洗って見るのも一考か。

手段

本日は日本ユニコムが28万9千株のストックオプションを取締役等に付与したとの報が出ていた。権利行使がほぼ時価となってはいるが株主資本その他の尺度からけっこう堅めのお約束ラインである。

ストックオプションといえばあのエンロン不正会計でこれが悪用されたのをすぐ思い出しそうなものだが、数年前の改正商法施行によって導入し易くなったこの手は本来経営者自らがリスク負担し業績向上を内外に約束する意味合いがあり、良い方向で今後様々な形として出て来る事を期待したいものだ。

主軸交代

このところドルが堅調、対して円は売られ今もロンドンで1年2ヶ月ぶりの安値推移となっている。

国内政局混乱もあるがユーロにしても一頃の主軸の勢いは無く金利の関係がここへ来てクローズアップされたといった感じである。

実勢では脆弱なところだが金利の先高感その他スペックの都合で今の位置を演出しているあたりは、今のガソリン環境にもある部分似たようなところがあるが消去法で煽られる物ほど投機化し易いのも事実。

過剰流動性資金は依然縦横無尽である。

義務範囲

現在某投資家が大手N証券を相手取って「オプション取引」で訴訟を起している件がニュースにあったが、勧誘段階の説明義務違反や適合性原則の部分から駒を進め、取引開始後の助言義務が最高裁で指摘された点においては今回の商品先物業界の委託者保護ガイドラインもチラつく部分が多分にあるのではないか。

上記の件は当初のセルボラ思惑もとんだ方向へといってしまい、ショートで散々担がれたのが主因らしいが同様の解釈を誘うケースは幾らでもあると思う。

判例が溜まるまでその解釈が注目される。

存在感

あまり話題にならなかったが先のロンドン同時多発テロの株価への影響で幾つかのヘッジファンドがかなりマズイとの話も出ていた。

この手では米自動車双璧の格下げによって純資産が急激に目減りし危機説が出た春先が思い出されるが、今こうしてヘッジファンド懸念が直ぐに取り沙汰されるようになったのは、今迄参入しなかった性格の資金が大量に流入しその存在が急速に巨大化してしまっているからに他ならない。

様々な要因で氾濫した弊害が今後クローズアップする懸念も当然出て来るか。

利用基準

東穀取の役員や会員メンバーが欧州訪問し、先物業界関係者と交流して来た旨の記事を時事で見たが、歩みの遅いアジアマーケットでも一応関心は持って頂いている模様だ。

中の一文に「海外業者は、流動性があり、独自の動きをする商品に着目」とも謳ってあったが、実際のところは特異な体質を持つ取引所に関心があるのではないかとも思う。

この辺は数年前にパラジウムを絡めてコメントした事があったがまだまだ日本の市場は?特異?、外人勢は別なところで着目している。

七夕

さて本日は五節供の一つ七夕、七夕といえば柿本人麻呂始めとして万葉集にも100以上もの歌が詠われており、その歌もやはり天の川の織姫と彦星の美しい悲話を綴っている物が多いが、これまた他の節供よろしく元は中国から来た物。

一方で七夕の呼び方は機織りした布を祖霊に祭る棚機つ女の行事から「たなばた」としているらしい。

日本にあったこの話しと中国伝来の話が織る女という事で融合し読み方共々今の形になったらしいが、久し振りに歌も幾つか眺めて見るとけっこう和むものである。

種蒔き

活況な商品を横目に今ひとつパッとしない株式市場であるが、そんな中でも本日目立ったのが極東貿易のストップ高始めJASDAQからは3ケタ台のカワタがザラバ146円高まであって連日年初来高値更新である。

もちろんこれらの現象は5/16付けでも触れた投資顧問会社に拘る前日付けの大量保有報告に刺激された物だが、いやはや派手に物色されている。

明日も提灯人気が続けば格好の利食いの受け皿にされそうだがまあそれも相場、既に高額納税ニュースの後からコツコツとこの関連に分散投資していた向きは地道な努力が実ったという事である。

相殺需給

石油製品の高騰が依然として目立つTOCOMであるが、本日はゴムも全限一代の高値更新とその勢いが凄まじい。

教科書通りの絵に描いたような逆鞘出世だが、毎度ながら商品は鞘が作らせる売込み型になると嵌ってしまうパターンが多い。

株式の場合同じ売り込みでもオルタナティブ系の運用残が勘違いされて、踏み上げが起こらない踏み上げ期待などされてしまう事もしばしばあるがその点、商品は判別がつき易い分より親切ともいえるか。