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双子パンダ

さて、周知の通り今月の4日に妊娠の可能性があることが発表され展示が中止になっていた上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」が、日付が変った深夜に無事に2頭を出産した。この上野動物園では4年ぶりとなるパンダの誕生で、双子というのは初めてのことであり前回のシャンシャンに続いてまたも6月の誕生となった。

早くも何時一般公開になるのか気になるところだが、29年ぶりの子パンダ公開となった前回は両親が中国から貸与された直後の11年度から6年ぶりに450万人を超えたものだったが今回はどうか。しかし思えば両親のシンシンとリーリーの返還期限は今年2月だったものが令和8年まで延長されているが、従来の返還期限の翌月のおめでたであったから実にラッキーであった。

ところでパンダ出産といえば関係者が気になるのは所謂「パンダ銘柄」ということになるが、やはりというか双璧の精養軒と東天紅はいずれも買い気配でスタートしたものの、あと東天紅は寄り天の格好で両銘柄共に大引けは安値引けとなっている。この辺は妊娠報道の際に一度相場を作ってしまったので止む無しという感もあるが、何れにしてもこのコロナ禍の沈滞ムードのなかで光る嬉しい報であったのは間違いない。


鉱山株彼是

先週の日経紙・グローバル市場では金鉱株の米ニューモントやカナダの金鉱大手バリック・ゴールド、また新興国でもパラジウムで4割のシェアを持つロシアのノリリスク・ニッケルや南アフリカのプラチナ大手アングロ・アメリカン・プラチナ株などいずれも5月まで上昇基調であった世界の鉱山株が軒並み調整している旨が出ていた。

鉱山株といえば著名投信の組入れ対象としても定評があり、例えば南ア・オーストラリア等の金鉱企業株式を主要投資対象としたブラックロック・ゴールド・メタルなどその上昇率から投信ランキングで度々取り上げられてきたものだが、昨日の住友金属鉱山の年初来安値更新にも見られる通り商品の一服と共に調整色を強めている。

ところで鉱山業界といえば南アのインパラ・プラチナムがカナダのノース・アメリカン・パラジウムを買収したり、中国の紫金鉱業もカナダの金鉱会社コンチネンタル・ゴールドを買収したりとM&Aが粛々と進行しているが、直近で銅相場高騰の牽制を露わにした中国もかつて資源安を好機に積極化してきた経緯がありその先の展望が気になるところでもある。


ETFの存在感

さて、本日の日経平均は米早期利上げの可能性が台頭した事などを背景にザラバではその下げ幅が1000円を超える大幅続落となったが、そんな中で米のVIX指数が警戒ラインといわれる20を約1か月ぶりに上回って来た事を背景に本日の値上がり率10傑には2位のVIX短期先物指数や9位の日経平均VI先物指数がランクインしていた。

また下落幅も上記の通り2月26日以来の大きさとなった事で、日経平均やTOPIXにJPX400系などのダブルインバース型やベア2倍型なども商いを集めていた。これらは言わずもがなETFのラインナップだが、先週末の日経紙・グローバル市場では「ETF残高世界で1000兆円」と題し5月末時点で世界のETF残高が4月末比2.8%増加し初めて9兆ドルを超えた旨が出ていた。

国内でも5月末時点で公募株式投信の残高が過去最高を更新しておりうち4割はETFが占めるなどその存在感が増している様子だが、一時1000円を超えた大幅安ですっかり鳴りを潜めていた日銀も本日は4月以来約2か月ぶりにETFを701億円購入しているなどこの辺も規模膨張に大きく影響しているのは間違いのないところ。

いずれにしても売買の機動性が高いうえ冒頭のようなVIXやVIなど一昔前には叶わなかったモノへ投資出来る枝葉が広がって来たのは感慨深く、金融緩和で膨張するホットマネーの受け皿として今後も対象資産の値上がりと共に資金流入も応分の伸びが継続されるのは想像に難くないか。


改定で見直し機運

本日の日経紙マーケット面には「物言う株主、親子上場標的」と題し、今月に改定されたコーポレート・ガバナンス・コードが上場子会社に高い統治体制を求めており、保有する小会社に比べ市場での評価が低い親会社はアクティビストの標的になり易いなど株式市場で親子上場銘柄への関心が高まっている旨の記事が載っていた。

ここでは冒頭で小会社の協和キリンが親会社のキリンHDの時価総額を抜いた件が挙げられていたほか同社を含め小会社が医薬メーカーの例が幾つか挙げられていたが、当欄でも先月にこの件を取り上げておりこれら以外でも特に時価総額が親会社パソナグループの5倍超にもなるベネフィットワンなどを挙げていた。

他にも時価総額が親会社ノーリツ鋼機の3倍超にもなるJMDCなど日経紙の一覧に載っていた以外でも挙げれば幾つも出て来るが、確かに親会社の営業利益に占める割合が3割を超えるなど子会社を完全子会社にするメリットが大きいという観点などからはこの一覧に載っていた大日本住友製薬など候補に上がってこようか。

前回は現実味に乏しいものの極端にいえば親会社の株を保有している株主は会社解散で小会社の株式を現金化すれば利益が出る勘定と成り得るとも書いたが、既にアクティビストによる保有が粛々と進行している企業もありこの度のコーポレート・ガバナンス・コード改定は下鞘に甘んじている企業に改めて説明が求められる契機にもなろうか。


完全オンライン化へ

さて、この時期彼方此方の企業から定時株主総会の招集通知が届くが、今年は殆どが緊急事態宣言下にあった事で当然乍ら昨年に続いて招集通知にもかかわらず今年もまた「新型コロナウイルス感染拡大防止及び皆様の安全・安心の観点から株主総会当日のご来場をお控えいただくようお願い申し上げます。」等の一文が封筒に記されて企業が殆どであった。

斯様な事情から株主総会のオンライン化が課題となっていたが、これまで総会は会場を設置する事を条件にオンラインで行われるのが認められてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ改正産業競争力強化法が参議院本会議で可決・成立した。これによって国の事前確認を受ければ完全オンラインの形式で株主総会が開催出来るようになる。

こうした事で今年の総会ではこれに絡んで定款変更議案を諮る企業も少なくないが、感染症対策はもとよりこれまで何度となく言われてきた僻地開催企業への参加のハードルが無くなるなどメリットも多い一方、セキュリティ含めた通信インフラやなりすましの問題も課題になってくるが、何れにしろこれも以前より議論されていたものの踏み切れなかった件がコロナ禍で背中を押された事例と言えこうしたチャンスは生かしてゆきたいもの。


訳あり銘柄明暗

本日の日経紙・経済政策面には「経産省が頼る首相の一文」と題し、政府が18日に閣議決定する予定の成長戦略の原案にSPAC(特別買収目的会社)の解禁方針が盛り込まれた旨が書いてあったが、これに絡んでは当欄でも今月のアタマに「白紙小切手?」と題し取り上げていた通りでここから解禁に向けて侃々諤々といったところか。

この項の中ではSPACが先行する米国では本来なら上場基準を満たさないような企業が上場するリスクがあるとの一文があったが、昨晩のNY市場ではSPACを通じナスダックに上場した新興電気自動車メーカーのローズタウン・モーターズが今月に入ってから突然製品を生産開始する資金不足に陥り事業継承に疑義が生じているとSECに届けを出した事で約19%安と急落、まさにこれを象徴するような一件が市場をザワつかせていた。

一方でテスラのマスク氏によるビットコイン決済再開表明などから4万ドル回復となった相場を背景に多額のビットコインを保有するマイクロストラテジーは約16%高と大幅高し、ミーム銘柄のAMCエンターテインメントもイナゴ勢の呼びかけで再度浮上し約15%高と市場でも明暗が分かれた格好だが、S&P500種などが史上最高値を更新する裏で何れも問題銘柄の乱高下が実に不気味に映る。


政府銘柄の蜜月

さて、東芝の株主総会を巡っては当欄でも春先に株主側要求による異例の臨時株主総会について触れていたが、今月の株主総会を目前に控えた先週に昨年の定時株主総会が東芝と経産省とが連携しアクティビストの提案を妨げようとしたなど総会運営について調査した第三者の弁護士から「クロ」判定の調査報告書を受け取ったとの発表が為された。

早速本日の午後には東芝の取締役会議長が記者会見にて陳謝、株主の信認を得るのは難しいとして報告書で関った社外取締役及び執行役を退任させる旨を報告しているが、大株主だった米ハーバード大学や3Dインベストメント・パートナーズなどに経産省側が接触し無言の圧力で議決権行使判断に一定の影響を与えたというから何とも闇が深い。

皮肉?にもこのニュースでザワついた11日には東証が上場企業の経営に関するルールを纏めたコーポレート・ガバナンス・コードの改訂版を施行している。確かに東芝といえば原発から量子技術に至るまで或る意味国の安全保障の一翼を担っている面もある事で他の一般的な上場企業とは異なる顔を持つ特異性はあるものの、官による企業への関与が何所まで許容されるのか、企業統治改革そのものの信頼に関るだけにこの辺も明確なところが求められようか。


カップヌードルのシールが・・

さて、先週はTVでも取り上げられるなど一寸世間がワザついたニュース?に日清食品がカップヌードルの蓋留めシールを廃止にするという発表をした件があった。私の周りにはそもそもこのシールの存在自体を知らなかった者も居たが、それは兎も角もちょうどこの発表と同じ日にはプラスチック廃棄物削減をめざすプラスチック資源循環促進法が参院本会議で可決されている。

上記のカップヌードルの件もこれの廃止でプラスチック使用量を削減するのが目的というが、この新法成立でこれまで小売店や飲食店が無償で提供してきた使い捨てのストローやスプーンについては、レジ袋よろしく有料にしたり代替素材へ転換したりする対応を義務化する事が出来るようになりコンビニや外食産業は其々が対応を迫られる事になる。

斯様にプラスチック廃棄物の削減気運が盛り上がっているが、あるデータではプラスチック廃棄物の排出量の割合ではレジ袋が約1.7%、また今回の新法で対象となった使い捨てスプーンやストローに至っては1%にも満たない0.17%という。そんなワケでこれらが有料化されたとしてもプラスチック問題解決に直結する事も無いが要は問題意識の啓蒙だろうか。

実際に早いものでプラスチック製レジ袋の有料化から来月で1年が経つが、この啓蒙が浸透してきたのかどうか最近ではエコバッグなども普及しレジ袋を辞退する向きはコンビニで7割程度に、またスーパーでは8割程度にものぼっているという記事も見たがさて今回も同様の動きが広がるかどうか一先ず注目である。


物価上昇の良し悪し

一昨日の日経紙・グローバル市場では「銅価1万ドル時代」と題し、代表的な非鉄金属である銅の国際価格がLME(ロンドン金属取引所)の先物価格で先月1万ドル超となり2011年2月に記録した史上最高値を10年ぶりに更新したが、脱炭素の気運から世界のグリーン革命を背景にして一時的な高値示現では無いとする見方が書かれていた。

世界需要の半分を占めるようになった中国の需要が前回の波なら、今回の波はその需要に匹敵か上回る可能性があるグリーン革命によるものという。ところで銅が高値の波を作る度に起こる社会現象として銅合金製品を狙った盗難事件多発というものがあるが、果たして今回も度々TVや紙面を賑わす盗難劇がぼちぼち出て来るのだろうか?

その辺は兎も角、直近では牛肉がこの中国需要の波に呑み込まれ国内外食企業や中小のスーパーなど急遽対応を余儀なくされている模様だが、気になるのは斯様に脱炭素と共に世界景気回復の流れから冒頭の銅はもとより原油に穀物、木材から上記の牛肉などの商品価格が軒並み急騰している点か。

既に食用油は今年に入って大豆相場の高騰を背景に一部で値上げが3回目となり、大豆に連れ高となった小麦の影響で小麦粉やパスタなども一部値上げが発表されている。原料価格高騰が価格改定を上回るケースで企業が更なるコスト高の転嫁を進めれば上昇圧力も自ずと強まる事になるが、物価上昇もロケーションで良し悪しが二分されるだけにアフターコロナに向けこの辺も注視しておきたい。


Vで蒸し返し

さて、4月には松山英樹氏がゴルフ4大メジャーのマスターズ・トーナメントで日本人初の優勝を飾ったのが記憶に新しいが、この興奮冷めやらぬままこれに続いて今度は女子ゴルフのメジャー、最高峰ともいわれる全米女子オープンで周知の通り笹生優花氏が大会史上最年少タイでの優勝を成し遂げている。

松山氏のマスターズ・トーナメントからまだそう日が経っていないものの、株式市場ではまたぞろ関連銘柄に対する蒸し返しの動きが一斉に出て昨日は前回ストップ高となったシャフト製造大手グラファイトデザインはじめゴルフウェアのデサント、ゴルフ場運営の東急不動産HD、またゴルフ場予約サイト運営のゴルフダイジェスト・オンラインも一時10%の大幅高を演じていた。

本日も日経平均が反落となる中、上記のデサントは続伸し年初来高値を更新、また東急不動産HDも続伸し年初来高値を更新している。前回も書いたが息の長い相場へ発展する可能性は望むべくもないご祝儀モノとはいえ、このコロナ禍で蜜にならずプレーの出来るゴルフ人気は実際高まっている模様で蒸し返しの持続性もこの辺が背景になっている部分が大きいか。


To the moon

さて、今年2月にはSNSで連携した個人の共闘買いからひと月で約20倍にまで大化けしたゲームストップ株が米証券ロビンフッドまで巻き込んでいろいろとマーケットをザワつかせたが、先週は映画館大手AMCエンターテインメント・ホールディングスが同様な共闘買いで乱高下し、上記のゲームストップ株も蒸し返しの動きで約2か月半ぶりの高値まで再度急騰したのが話題になっていた。

なにせ今月に入ってから1日は23%高、その翌日2日に至ってはサーキットブレイカー発動を交え再開後もなお急騰を続け終値は95%高と暴騰し上場来の高値を更新、この日だけでも倍増だがかれこれ年初来ではおよそ30倍もの大化けを演じている。この株高に乗じて最大で1155万株を売り出す増資計画の発表で3日はさすがに一服となったが、1日の売買代金があのテスラをも凌ぐ日があるなど熱狂冷めやらぬといった感だ。

上記のようなこの手の銘柄は米個人投資家の間では、何所までも値上がりする意を込めるTo the Moonの合言葉と共にMemestock(ミームストック)なる新語で扱われている模様だが、暗号資産が下落し足元でダウ工業株30種平均も史上最高値まで指呼の間と迫っているものの小動きの展開が続き短期のホットマネーは虎視眈々と次のミーム銘柄を狙っている。

日本のイナゴ勢?とは違って最近の彼らはオプション市場も利用してディープアウトを買い上げたりプットでヘッジしたりとデリバティブを駆使しているだけに自ずとVIXなどへの影響力も高まって来るが、これが顕著になればひいては全体へ及ぼす影響度も高くなってくる可能性もあるだけにこの辺も注視しておきたいところか。


白紙小切手?

さて、前回当欄でSPAC(特別買収目的会社)について取り上げたのは4月半ばのことでその際の末尾にて日本では未だ解禁されていないと書いていたが、先月末の日経紙総合面では「日本版SPAC解禁検討」と題し政府が米国で広がったこのSPACの解禁を検討、今月に閣議決定する成長戦略に明記する旨が出ていた。

これが先行している米では今年1月から3月で既に調達額は750億ドルに達し、IPO全体の実に70%以上をSPACが占めるなどラッシュの様相を呈している。直近でもSPACを通じた上場で過去最大といわれるシンガポールの配車大手グラブが今年中に米ナスダックに上場する見込みだが、アジアでもそのシンガポールが上場ルール案を公表、香港も年内には解禁との一部報道がある。

とはいえ先行した米でも最近は会計慣行にメスが入りトーンダウンしている模様で斯様にSPACも賛否両論喧しい。雑な言い方になるがいってみれば福袋のようなモノで、○○円相当の中身とのフレコで並んではいるものの開けて見るまで、つまり買収決定まで当局の財務諸表チェックが出来ないだけに事前にミスリードがあった場合など袋を開けた時のリスクは考慮しなければならない。

日本ではかつて解禁を検討したもののユニコーン級のタマの少なさなどから結局は見送りになった経緯があるが、今回は政府内で産業の新陳代謝が活発になるとの期待があり2022年以降の解禁を模索としている。賛否両論あるものの、この件が解禁となった暁には長らくスタートアップ企業の調達の課題であった選択肢の多様化が一歩前進するという事になるのは確かなだけに注目しておきたい。