モメンタムが振り回す

本日の日経平均は昨日の2566.27円安に続く大幅続落となり5月中旬以来、約2か月ぶりの安値となった。これでも本日の安値から戻した感はあるものの、ザラバではお隣の韓国市場でKOSPIにサーキットブレーカーが発動される場面があり、こうした局面での日経平均の下げ幅は1900円を超えあわや6万円台の大台割れ寸前まで急落する場面があった。

昨日の日経紙でも「日中2%超、3か月連続」として、日中変動率が今月は平均2.5%と先月の2.6%に続き変動率が高い状態が続いている旨の記事があったが、これらの背景にはやはりAI・半導体関連株の寄与が高いが、筆頭ともいえるキオクシアHDなどついこの間の上場来高値から7割弱も暴落し先の決算発表後の急騰分が“往って来い”となっている。

しかしこれら構造的な変化も大きいだろう。上記の韓国市場では単一銘柄のレバレッジやインバース型のETFが新たに誕生、日本市場でも昨今ではマル信買いがかつてないほど活況を呈し過去最大水準に膨らんでいるのが現状で、“落ちてくるナイフ”を掴みにゆく向きが急増した証左でもあるか。

そんなこんなで曲りなり?にも先月に国内時価総額で1位に躍り出たばかりのキオクシアHD株だったが、本日の終値でははや9位に転落している。同社は明後日に4~6期決算発表を控えているがさてこれで株価がどうなるか?この内容には耳目が集中するのは想像に難くないが、なんともヒリつく局面の先をまずは見てみたい。


形式から実質へ一歩

昨日の日経紙社説では「企業は統治指針を自ら生かして成長を」として、金融庁と東京証券取引所によるコーポレートガバナンス・コードの5年ぶりの改定が書かれていた。今回の改定で目に付くのは先ず原則そのものの数が大きく減らされていることで、これまでは基本やら補充やらと何層?もの構造で80以上もあったものが、今回の改定では半分以下の30まで大きく減らされていることか。

より形式から実質を問うようにしたかっこうだが、例えば5月にも当欄で一度書いたように現預金などを含めた経営資源の配分による投資促進など取締役会に検証を求める項目など企業に積みあがった現預金の有効活用などこのインフレ下において成長投資もタイムリーな突っ込んだ内容になっている。また取締役会といえばこれまた守りから攻めへ進んだ構図になっている。

この辺は社外取締役が積極的に議題に関われるようにするなど取締役会の強化を謳っているが、これで所謂“お飾り”からの脱却も少し促進されようかというもの。こうした改定を重ねるごとに企業側と投資家のズレも埋まってくるか否かだが、有報開示などまだハードルの高い部分の項目などもあるだけにそうした部分の対話も今後の課題だろうか。


猛暑でナイトタイムシフト

さて、先週末の日経紙夕刊の一面には「涼しく運動 楽しまナイト」と題し、連日の猛暑で熱中症の危険が増すなか各種ナイトスポーツを楽しむ旨の記事があった。ナイトスポーツといえば昨日は3回目となる有明の東京ビッグサイト周辺道路を封鎖しての「フォーミュラE・東京E-Prix」が開催されたが、今年のこれは日本初のナイトレースでの開催となった。

またナイトレジャーといえば今月は夏恒例のナイトプールが続々と始まっており、東京プリンスホテルのCanCamナイトプールはじめ、業界で初めてナイトプールを展開したニューオータニ系は深夜帯のミッドナイトプールを投入しグループ初となる空調を備えた屋内シートも新設、プールの見える室内に日差しや暑さを避けながら過ごせるシート席を設ける。

街では三菱地所が丸の内で「MARUNOUCHI SUMMER FEST」を展開、夕方から座って楽しめるボードゲーム遊具を設置するなど限定スペースを設け、夏の夜に合うノンアルコールカクテルも提供されている。三菱地所は日が落ちた後に夏の夜を楽しめる仕掛けを作ることで周辺店舗へ回遊させる狙いで、丸の内エリア全体に経済効果を波及させたいという。

他にも水族館やサファリパークなど営業時間の延長を試みている向きもあるが、最近出来た商業施設なども夜に観劇が出来るスペースを設けるなどナイトタイムエコノミーの活性化を図る意図での構造となっている。インバウンドのナイトタイムエコノミーの国内市場規模も9兆円に迫る規模という試算もあり、この40年ぶりの円安のおり各所でこの伸びしろに賭ける動きがまだ出てきそうだ。


土用の丑2026

さて今週末の「土用の丑の日」に向けて街の店から大型スーパーまでウナギ商戦が盛り上がっているが、4月の“春の丑の日”でも書いたように今年の場合は昨年豊漁だった稚魚が成長して市場に出回り国産ウナギの月別卸売り平均価格は昨年の4月が5307円であったものが、今年4月には2983円と4割も安くなっている事などを背景に消費者には優しい価格が彼方此方で見られる。

とはいってもこのウナギ、国内のウナギ供給の約7割を輸入に頼っている状況で漁獲量もやはり天然資源に依存しているだけにその安定感は安穏としたものではない。そういった事で養殖など官民挙げて精力的に取り組んでいるが、水産庁は卵から育てた世界初となる完全養殖のウナギの試験的一般販売も始めてお5月には三越日本橋などでこの試験販売を開始している。

ただその価格は冒頭のウナギなどと比較するに約2.5倍となかなかの設定。では生産コストはといえばこの稚魚1尾あたりの生産コストは現在のところ水槽の自動給餌器等の工夫もあり約1800円だが、10年前にはこれが実に40000円であったから飛躍的に下がっているが、それでもなお天然モノの約3倍にもある。

この辺も今後は現在の半分以下までコストダウンを図りたいとの努力目標らしいが、更なる工夫などを図り完全養殖ウナギが一般に手の届き易い価格に収れんしてゆくのかどうか、そんな想いも馳せながらとりあえず“お得な価格”で食べられる今年の美味しいウナギに感謝しながら舌鼓を打ちたい。


崩れる“時間の壁”

先週末の日経紙一面には「米株23時間取引、12月開始」と題し、NYSE(ニューヨーク証券取引所)にナスダックなど米市場に上場する株式を対象とした23時間取引が12月6日から始まる旨の記事が載っていた。一昨年にNYSEの通常取引時間延長計画を書いたことがあったが、この時間外取引延長で祝日を除く日曜から金曜にかけ午後9時から翌日午後8時までの取引も提供することとなる。

先に世紀のイベントといわれたスペースXのIPOがあったが、これまで米株に手を出したことがなかった多くの投資家も挙ってこの知名度抜群のIPOに参加するなど米国株式に関心を持つ向きが急増している。そうした中でのタイミングでの発表となったが、同時になんといってもポイントはこれで東証の前後場通じての取引時間中に売買が可能になるという点か。

これらが奏功してアジア圏からの米市場への投資が今後増加してくるとなると、IPOを考える企業の中にはより一層米への上場に関心を持つ向きも出てくるのは想像に難くないか。この辺に絡んでは今年の春先にスマートフォン決済大手のPayPayが米ナスダック市場に新規上場しているが、実際に9億ドル近くの資金調達に成功しており今回の件と併せて今後米市場に傾斜する動きが出てくるのかどうかこの辺も注視しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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