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和製メジャーへの道

さて先週は大手各紙で報じられていたように、国内石油元売り最大手の新日本石油と六位の新日鉱HDが来年秋をメドに持ち株会社方式で経営統合する事が明らかになった。

実にこの業界では99年の日石と三菱石の合併以来10年ぶりの大型再編劇という事から、この報道で株価こそ両社を筆頭に他の上場石油株も同日は軒並み上昇したが、国内市況はTOCOMのそれを見ても明らかなように依然として冴えない商状が続いている。

その生産調整と落ち込んだ需要とで需給バランスが崩壊し末端非業界は慢性的な赤字体質から資金繰りの悪化は推して知るべしで、そんな現状からこの統合で併せて約13,000箇所になろうかというS・S網は統廃合し余剰設備を解消して収益力拡大を目指すという。

さて斯様に直面している国内のこうした下流問題は同再編の切っ掛けになったかもしれないが、ゆくゆくの焦点はやはりその収益構造や国際的競争激化の観点から上流部分の問題か、そうした将来のメジャーという観点から以前SWFに触れた時に採り上げたコスモ石とか一度距離を置かれた経緯のある旧帝石の存在含め他に残った企業群の行方には大いに注目しておきたい。


ライトアップの涼感

さて、都内では夜間の消費電力を減らす地球温暖化対策としてネオンサイン等の広告用照明自粛など要請の動きも出ているようだが、クリスマスを月末に控えて街では各所さまざまなイルミネーションが出揃っている。

既に先月頭から恵比寿ガーデンプレイスで恒例のバカラ・シャンデリアがスタート、続いて六本木ヒルズや毛利庭園でもイルミネーションが点燈、ヒルズ繋がりでは表参道でもスワロフスキーのクリスマスツリーが登場、他に周辺ではグランドプリンス赤坂でもチューブライトのクリスマスツリーが夜空に輝き、また東京タワーは50歳を控え今週からダイヤモンドヴェールなるライトアップが始まった。

過日所用があって横浜へ行った際もランドマーク始めとして彼方此方ツリーが登場、そんなわけで年々各所でこの手の施しが拡大しているのは間違いの無いところだが個人的には何れも心なしか今年は地味めな印象を強く受ける。

これは東京ミレナリオが休止になって以降年々感じていた事なのだが、今年は金融危機もあったせいか震源地の一つ六本木でもけやき通りのブルーLEDが一層荒涼としたものに見えてくるから不思議なもので、何れにしても見てくれは其れなりに揃った今年のクリスマス、さて肝心の消費の方は如何ほどのものかに注目しつつこれを迎える事にしよう。


白トリュフの香り

ここ最近ポストにはご無沙汰しているレストランからの案内も今が旬なだけに白トリュフをテーマにした類のものが増えてきたが、昨日の産経紙には世界四都市で同時開催された白トリュフのオークションで1キロ以上もあるモノをあのマカオのカジノ王であるスタンレー・ホー氏が落札したと報じられた。

白トリュフといえば先月頭にも「ザ・リッツ・カールトン東京」で別に第十回ワールド・アルバ・ホワイトトリュフ・オークションが開催されていたが、この不況下キノコ一つになんとも景気のい値が付くものと感心。

さてホー氏といえばカジノ経営権がベガス資本にも付与されてもなお強しといったところで、昨年末にも1キロ超の大物を落札した事で話題になっていたのだが、このマカオに進出したベガス勢はと言うと例えば8月に当欄で触れたベネチアンマカオリゾートのラスベガス・サンズ社は昨今の金融危機で株価が一年前の140ドル台から暴落しなんと10ドル割れとそれこそギャンブル並の凋落価格、マカオで手掛けるカジノ開発一部も中止する意向とか。

マカオの行政長官は今後世界的な景気減速の為に賭博収入は減少してゆく可能性があると注意喚起していたのは以前書いた通りだが、こうした娯楽や観光収入など消費者の自由裁量の支出に依存する企業もまた今回の金融危機のあおりからキャッシュフローの危機に直面している。


続く逆行

昨日の時事で見掛けたのだが、東穀取は流動性の回復が狙いとかで粗糖のザラバ取引を早ければ来年2月の新甫発会を機に板寄せに戻す方向で検討に入ったらしい。

この粗糖といえば先の11月限納会は前日比11,000円高と暴騰を演じ55,240円と上場来の高値を更新したものの、先月の1月限納会ではたった7枚の買いハナが狙われ前日比7,450円安の暴落を演じ10,000円ドタと単位変更以来の安値を付けるという既に公正な価格云々を謳うのも躊躇われるマーケットになっている。

しかしこの東穀取も証券系などから言わせるとトンでもなくインチキな値付けが罷り通っていた時があったり、直近では度重なる延期に振り回された挙句にやっぱりヤメましたという事になったコーンのザラバ化があるがそもそも新システムなるモノはどういった意図で設けられたのだろう?

東穀取の「中期ビジョン」なるものの中にはTOCOMの新システムとゆくゆくは統合する方針と謳っているが、この先もこんな調子のまま紆余曲折な歩みしか出来ないのだろうか?TOCOMに続き株式会社化したら、それこそこんな失態は許されるはずもない。


株式会社東京工業品取引所

早いものでもう師走入りとなったが、本日付けでいよいよTOCOMが国内の商品取引所としては初の株式会社に移行する運びとなった。

先に報じられた非常勤取締役に取引員からは一人という人事関係は前述した通りだが、先月7日まで申し込みを受付した増資は外資系数社の割当がいわれていたものの、金融危機の影響があったのかはて別な理由からかいざ開けてみればバークレイズ一社となり予定額には届かず終いであったとか。

引き受けた取締役の中には早くも気が重くなっているという向きも居るようだがともあれこれでもう会員主導組織は終焉を迎え、今迄のような例えば証券系から見ても一部首を傾げたくなるような政策は許されなくなるが、株式化で標準に一歩近づくというのもそれはそれでなんとなく情けなくあるもののリセットした新生という意味で相互乗り入れ等含め期待したいものだ。

そういえば中部も年内に株式会社化云々言っていたし、東穀取も来年中に株式会社化を表明しているが当然ながらその先の合併等まで視野に入れた枠組みが構築されているのだろうか、銀行よろしくそもそもコアといわれるこのTOCOMも統合によって今の姿があるし、メガバンクでさえこんなモタつきはなかったと思うが同じステージで見る事自体に無理があるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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