和製メジャーへの道
さて先週は大手各紙で報じられていたように、国内石油元売り最大手の新日本石油と六位の新日鉱HDが来年秋をメドに持ち株会社方式で経営統合する事が明らかになった。
実にこの業界では99年の日石と三菱石の合併以来10年ぶりの大型再編劇という事から、この報道で株価こそ両社を筆頭に他の上場石油株も同日は軒並み上昇したが、国内市況はTOCOMのそれを見ても明らかなように依然として冴えない商状が続いている。
その生産調整と落ち込んだ需要とで需給バランスが崩壊し末端非業界は慢性的な赤字体質から資金繰りの悪化は推して知るべしで、そんな現状からこの統合で併せて約13,000箇所になろうかというS・S網は統廃合し余剰設備を解消して収益力拡大を目指すという。
さて斯様に直面している国内のこうした下流問題は同再編の切っ掛けになったかもしれないが、ゆくゆくの焦点はやはりその収益構造や国際的競争激化の観点から上流部分の問題か、そうした将来のメジャーという観点から以前SWFに触れた時に採り上げたコスモ石とか一度距離を置かれた経緯のある旧帝石の存在含め他に残った企業群の行方には大いに注目しておきたい。