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無形文化遺産【和食】

先週末はミシュランガイドについて触れたが、このミシュランのアジア初の試みとなった「ミシュランガイド東京2008」ではトップ評価の三ツ星として8店が取り上げられたがこのうち5店が和食であったのを思い出す。この「和食」だが、先週はユネスコが政府間委員会を開き日本政府が推薦した「和食」を無形文化遺産意登録することを決めている。

「和食」に関しては当欄で今年1月「食文化カオス時代」として末尾に、「日本の食といえば日本食やその関連グッズ等世界でブームになりつつあり、直近では名店料理人らが次世代に文化継承するために「学会」も発足されている。」と書いたことがあったが、昨年末JETROが7カ国地域の消費者に実施したアンケートでは好きな外国料理の1位に輝いたのが日本食で、また農水省統計で2006年に世界で約24,000店だった日本食レストランは今年3月に約55,000店に倍増している。

世の機運ともいえるが、一頃の海外の和食レストランといえばヴィジュアル的には笑えるものの見ていて悲しくなるようなフェイクが乱立していたものだったが、あのジョエル・ロブション氏も和食料理店を手掛け始め、また先のガイアの夜明けでも「本物の日本食を世界へ」と題して銀座小十がフランスに店を構える様が放映され啓蒙の動きも顕著である。

ともあれこれで日本からの登録は能楽や歌舞伎などに続いて22件目、この登録でこれら再評価が進むのは想像に難くないがこれを機に伝統を守るという約束を改めて各所が考えてゆくということが大切だろうか。


ガイドの方向性

さて、今年も恒例で明日は日本ミシュランタイヤからレストランを星の数で格付けしている「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2014」が発売になる。これに先駆けて掲載店が発表されていたが、今回星を得たのは計281店でうち2つ星が59店、1つ星が208店となり前年よりは全体数が減る中を2つ星に3店、1つ星に15店がそれぞれ登場した模様。

ここへきて芋づる式に出ている食の偽装事件だが、どの程度偽装発覚のところが掲載されているかというところも気になったものの、「ホテル」部門では食材偽装が発覚したホテル椿山荘東京が前回に続き最高ランクに格付け、他も帝国ホテル、ホテルグランヴィア京都、ウェスティン都ホテルがランクイン。

この部門に関してはあくまで快適度で料理は対象外ということらしく同社の社長は食偽装表示は日本以外ではみられない問題としこの問題をしっかり研究したいとの弁だそうだが、レストランでもココが過去2つ星を与え今は消えて無くなったトゥエンティ・ワンなど食偽装のハシリであったなと思い出す。

ところで今回から星付き店とは別に「ビブグルマン」なる低価格で食事ができる店の掲載も始めたようだが、どうも近年迷走しているような感も。価格に拘らないといえばこの辺は既に5年前の当欄で「ザガット等の方が〜」とした通りだが、ブランド化したものが引くのは難しい。


かぶオプ

本日の日経平均は先物主導で急反落、こんな日は先物やまたオプション市場もアウトもののプットなどがあっという間に倍化するなどにわかに大活況となっているが、オプションといえば先週末の日経紙チャート&データには東証の個別株オプションも活況になっている旨が出ていた。

同紙によればコールのみならずプットも売買も膨らんでおり、直近の先月末迄は1日あたりの平均売買高が8,500枚弱と2011年1月以来の高水準になっているという。登場してはや10年以上にもなるが先物オプションが軌道に乗ったそれとは随分とまだ差があった認識であったが、水面下では徐々にというところか。

啓蒙は其れなりにあると思うが、例えばネットでも同取引をマル信などと並べて提供している会社がまだ少数派でやはり要は売買できる環境如何であると思える。それでもこうして変化の片鱗が感じられるのはいいことだが、コモディティーオプション等も同様のスタートラインと捉え復活させる動きが出てくるのを期待したいところだが。


何処を変えるか

さて、数年前から騒がれていた国際石油開発帝石や日本板硝子の公募増資情報に関わるインサイダ−事件だが、証券取引等監視委員会では週内にも日生系子会社等の資産運用会社4社に課徴金納付命令を勧告する方針との報が直近で入ってきている。

他外国の資産運用会社1社にも併せて課徴金勧告を出し増資インサイダーに絡んだ調査はこれで完了するということだが、比較的メジャーなところを挙げ魔女狩り的な間を否めない。近年ライツイシューなど新種の増資も増えてきたが、やはり希薄化嫌気で価格の下落はほぼ確定しているワケでそれが分かっている限り限りなく低リスクのエントリー機会になる。

かつての運用側の担当と証券会社とではそんなワケで当然尾如く蜜月の関係であったものだが果たして現在は如何なものか。規制強化も上記と併せて順次項目が増えつつありそれらをより実質主義的なものへとする動きもいいが、こちらも世界標準を視野に入れなければ甘い汁を吸う輩は残り続けるだろう。


CMEと活路

先週末の日経紙一面を飾っていたものには、「LNG先物創設へ提携」として、東京商品取引所が世界初のLNG(液化天然ガス)先物市場づくりに向けてCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所グループ)と業務提携の交渉に入った件があった。

このLNGといえば同紙28日付けでもLNGの世界的な需要増を背景に国内海運各社がLNG輸送船を大量発注する旨が出ていたが、その中でもとりわけ日本はLNGの最大輸入国になっている旨の記事も一面を飾っていた。株式市場でもこの辺が刺激材料となり、先週後半に日経平均が年初来高値を更新するなか特に一斉高と目立ったポストは造船であった。

それはともかくも、今回の市場創設の件でCMEと提携する一連の動きから来年春に売買システム更新期を控える東商取としては、5年で60〜70億円とCMEより安い料金オファーをしたJPXよりCME寄りになるか。いずれにせよ総合取に関して遅くても年内には結論を出す旨を述べてきており、先ずはこの辺の結論を確認したいところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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