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6回転?の大商い

本日の日経平均は3日ぶりに小反発となったが、依然として個別物色は旺盛で最近では商品取引やFXポストも物色されてきたが、この中なんといっても直近で目立っていたのはマネーパートナーズGか。なにせ週末の出来高は全市場中で堂々のトップ、あの新日鉄の約5倍、東芝の約10倍をこなす凄まじさだ。

もともとは海外利用専用のプリペイドカードをマスターカートと提携との発表がブチ上げ初日の材料であったが、上記の通りこの日以降の出来高が凄い。初日から前日の約713倍と異様な動きを見せ、翌日はそれから更に約4倍、年初来高値を取った3日後の週末にはそれから更に約4倍と急騰前からわずか4日間で実に出来高が10,000倍に膨れた計算になる。

しかし考えてみれば同社の発行済み株式数は約3,200万株、週末に約1億9,000万の出来高を商ったということは単純にこの約6倍を回転させているということで、個人的に記憶のある限りこんな現象は見たことが無い。この活況での貸借状況の変化が今後の相場を占うことになろうか。

ところで同社といえば、ジャスダック(旧ヘラクレス)をスタート地点にし、持ち株会社体制移行を挟んで東証二部、そして東証一部指定替えと順調にコマを進めてきが、今年に入って二部から一部への昇格企業は予定も含めて42社と既に昨年1年間の実績を上回っているらしい。昇格組が増えれば自ずとリクイディティーも増すが、この辺は売買の選択肢が広がる機関投資家のメリットだけではない筈で今後一層の拡大を期待したいところ。


底打ち何時?

この時期になると大手百貨店で毎年恒例で開催されるのがワールドウォッチフェアであるが、今年の場合はイギリスの名門バックス&ストラウスが手掛けた3億8千万の値札が付く「ピカデリープリンセスロイヤルカラー」なる時計が展示されるということもあって過日三越へ観に行ってきた。

フェアでは上記の通り目玉の展示が時折あるが、例えば3年前にはカランダッシュが手掛けた「1010Diamonds」なる特別制作の1億円もする万年筆が披露された。今年は上記の時計であり、1本で世のダイヤモンドの全てのカラーとカッティングが集約されている正に芸術品であったが、やはり値段も消費税だけで3千万円超というからこちらも凄い。

ところで昨年は消費税増税前の駆け込み需要やアベノミクス効果でこのフェアはそれなりの賑わいも売上もあったようだが、心なしか今年の会場は客もマバラでブースには手持無沙汰の店員が目立った。直近で発表になった全国百貨店売上高は前年比2.5%減で4ヶ月連続のマイナスとなっていたが、そんな片鱗がこのフェアでも見て取れたような感もあった。


物言えるようになるか

さて昨日の日経紙には、ガリバー日本生命をはじめ明治安田生命、住友生命、そして唯一上場している第一生命といった国内大手の生命保険会社や、東京海上日動火災保険などの損害保険会社が、投資先企業の株主総会で議決権を行使する際の方針が1日までに出揃った旨が載っていた。

この辺に関しては先に第一生命が、大手生保ではじめて投資先上場企業の議案にどう賛否を投じたかを公表することを決めている。これまで生保は役員選任等の議案に賛成するか否認するかの内部基準こそあったものの、議案賛否数等の公表は殆どなかったという点では少し流れに変化を感じる。

こんな背景には当欄でも6月に触れた「日本版スチュワードシップコード」の存在があるのは明白でこの行動指針が今後物言う株主の増殖に繋がるか否かだが、上記損保などその保有株式は取引関係のある企業が多く純粋な投資家としての経営改善を働きかけにくい面があるという。生保とてまだ初動といった感じで、投資顧問並みに何所まで近づけるか今後も注目しておきたい。


引き上げ目標達成?

さて、ウクライナ情勢の緊迫化台頭で経済制裁など欧米との摩擦が生じた時期から、ロシアが金の購入を増やしている旨が週末の日経夕刊に出ていた。米ドルやユーロへの依存を抑え、安全資産と言われる金の保有比率を一段と高めたとの見方が多いが、ロシアといえば外貨準備に占める金の保有比率を10%に引き上げる目標を掲げており7月にはほぼこの目標に達した模様だ。

これまで金準備については度々述べてきたが、昨年の今頃は新興国を中心とした世界の中央銀行の金買い意欲が依然として衰えていない旨を書いた事があり、トルコなどと共にこの4強に入っていたのも勿論のことロシアであったが個別の事情で逸早く積み増しが促進された格好か。

新興勢といえば2大消費国であるインドと中国もその存在が常に注目されているが、前者は店頭価格の急落を背景に購入意欲がジワリと回復している一方で、後者は景気鈍化が響きこれまでの金購入の勢いが失速している旨も先週の同紙に載っていた。足元では米利上げ時期前倒しの観測から軟調地合いが継続している金だが、個別ではまだまだこれら新興勢各々から目が離せない。


巨大ファンド今昔

週末の日経紙には「1兆円ファンド 5強に」と題して、資産規模が1兆円を超す大型の投信が8月末で5本を数え6年ぶりに過去最多に並んだ旨が載っていた。世界的に金利低下が進むな中、リスクを取ってでも高い利回りを求める個人の意識が表れているという。

しかし1兆円ファンドと聞くに、嫌でもあのガリバー大手の日本株戦略ファンドの惨状が思い浮かぶ向きも多いだろう。かつてまさに日本を代表する巨大ファンドであったが、流出の凄さからその崩壊というか溶け具合までどれを取っても歴史に残るファンドであった。

まあこの辺は元が巨大であったが、ファンドでも純資産が数億円程度になってしまったモノは構造上運用も難しく半ば放棄状態の憂き目に遭っているモノも少なくない。斯様にこれまで投信といえば手数料稼ぎの具に使われ、大量設定の後はズルズルと解約一辺倒が多くそうした悪循環が通り相場であった。

ところで上記の1兆円ファンド上位は海外の低格付け債券やRIETなど比較的リスクが高い資産で運用するファンドが目立つという。REITといえば、本邦REITなど先に取り上げたGPIFがこの組み入れに動く可能性も一部指摘されている。年金等も追随する動きでも出て来れば斯様に同じ巨艦ファンドの類でも毛色が大きく変わってくる可能性がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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