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あれから9年

さて、連休中の日経紙(日曜に考える)では、2006年のライブドア事件が取り上げられていたが、考えてみればあれからはやちょうど9年が経過したワケだが今でも当時の様子が鮮明に思い出される。同紙の冒頭にはプロ野球への参入構想やニッポン放送株の大量取得など書かれていたが兎に角奔放な企業だった。

上記の通りその辺は特に株式政策において顕著で、問題となった関連のバリュークリックジャパンの100分割に見られるようにのべ3年で数万分割という異例の分割劇を繰り返しその度に株価が乱舞したものだ。こうした過程で様々な輩が入り込み兜町でも当時いろいろと噂が絶えなかった光景が懐かしくもある。

ただ、東京地検の捜索によって連日同社株はストップ安でも注文が入らない比例配分の憂き目に遭った際に、宴の後のナントカよろしく度重なる分割で単元既に最小の1株にまでなっていた事から比例で引っ掛かったのが1株とかだったりした場合、株式売却代金から手数料を引くとマイナスになったりする笑えない事例が出たりしたものだった。

しかしファイナンスにしてもこの分割はじめ株式交換からTOBまで、とことん隙間を見つけてグレーゾーンのギリギリを這っていったところは当時の盲点を炙り出したといってもよくそうした点での貢献?度合いは計り知れなかったと個人的には思う。簡単に纏めてしまえば倫理観云々という問題であったのであるが、逆に昨今ではそうしたエッセンスを持ったベンチャーがめっきり見当たらなくなったのが寂しいところでもある。


かろりーな

年末の株式市場は例年のことながら低位の仕手系が賑わうものだが、年があけてもこの手の中には更に勢いを増している物もある。例えば昨日発行済株式数以上の出来高をこなした池上通信やこれまた大商いしたプロスペクトなどがそうであるが、後者は現社名より一寸以前のかろりーなと言った方が腕に覚えのある向きにはピンと来るか。

このプロスペクトは昨年12月にはあっという間に株価倍増したが、その後に同社が業界の豊商事をTOBするとの報が流れ大納会も間近に迫った26日の値上がり率ランキングでは第一位にプロスペクト、そして第二位に豊商事と揃って並んだ。ちなみにこの日6位だったウォーターDもストップ高を演じていたが、これも光通信子会社が同社株を1株650円でTOBするという事で鞘寄せしたもの。

ところで豊商事といえばアエリアとの業務提携も絡んでここが筆頭株主であったが、その経緯から現況ではこれに変って資本提携先のあかつきF・Gになっている。またプロスペクト子会社はこのあかつきF・Gの株式8%超を保有し、またあかつきF・Gもかつてはプロスペクトの株式を保有していた経緯がある。

このTOBで数々の買収を手掛けてきたプロスペクトは経営多角化を推進し金融商品取引業への参入を目指すというが、これに先立ち両社は協議を行っていないという。この辺がまた思惑台頭というところだが、本日の豊商事は年初来高値を更新し既に公表されたTOB価格を上回ってきているあたりがこれをより一層増幅させており、今後どういった展開になってくるのか関係者ならずとも注目されるところ。


十大予想

昨日の日経紙夕刊にはウォール街のご意見番、バイロン・ウィーン氏による2015年の「十大予想」が取り上げられていたが、同紙の予想は毎年どこかで取り上げられるだけに面白半分にしても各所で注目度も高いことで知られる。

ちなみに昨年は米株式やドル円などまずまず予想に近い動きをしていた一方で、原油や穀物などコモディティー系は原油の暴落などで外し具合が大きかった。今年の予想は米株式がS&P500種の15%上昇など株高が継続する一方で日本株は横ばい推移とし、荒れている原油は新興国需要拡大という昨年同様の理由を背景に後半にかけ70ドル台を回復するという。

もっともビックリ予想というのは、大方のアナリストなどという輩のある程度のレンジを移動平均に絡めたような横並びの無難予想と違い可也乖離した設定をするだけに当たった時の話題性もある。そんなワケで突拍子もない予想の能書き本を頻繁に出している懲りない輩も居るが、昨今のマーケットは近年に無いような動きをするようになってきておりこの手は予想の立て甲斐があるかもしれない。


絶対の一品

本日の日経紙東京・首都圏経済面にはホテルオークラ東京が今年8月に本館の営業を終了し約1千億円を投じ建て替えに着手する旨が書かれていた。「今年こそ」と題し飛躍を期して新たな一歩を踏み出そうとするさまざまなシーンを取り上げるというものだが、まさにホテル業界は20年の東京五輪を控え事業テコ入れは待ったなしといったところか。

オークラといえば既にこの建て替えを前にカウントダウンイベントが昨年より開始されているが、従来は商用利用を一切しなかった本館ロビーでの結婚式や、一般開放していなかった貴賓室の宿泊プランなどフィナーレだからこそできる最後ならではのアイデアが随所に見られる。

しかし、日本美術の粋を集結させた建造物が解体されるのは残念ながら、代表的なメニューであるコンソメスープ等の伝統の味は必ず残してゆくと同紙には出ていた。オーキッドルームの所謂「絶対の一品」の一つであるが、かつて顧客に連れて行かれこの美味しさに出逢った時の感動は今でも記憶に残る。

さて、オークラほど大規模ではないにしろ都内では他に外国人需要を取り込む為にホテル椿山荘東京が3期に分けた改装計画をスタートさせ、京王プラザホテルもレストランを改装、過日ヒルトン東京に所用で出かけた際には2階のレストランフロアが改装工事の真っ最中であった。

斯様に新陳代謝が進みつつあるが、かえすがえすもオークラなどあのロビーで格子などを見る度に思い出すのは、このオークラの兄弟分?でかつてあった霞友会館で当時交流のあった人の顔も浮かんでくるというものである。


未辛抱も強気?

皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年の株式市場は3年連続の株高となったものの、大納会は一昨年の引けピン年初来高値更新で終わったのは対照的に大幅続落となった。そうそう、大幅続落といえば大発会ともう一つの初セリである築地マグロ初セリも今年は昨年に続いて続落となっていたが、落札者はやはりいつもの喜代村であった。

閑話休題、昨年末に書いた当欄では日経紙マネー&インベストメントにも「干支・月・曜日で相場に癖」と題し載っていたアノマリーに触れたが、昨年の「午尻下がり」から今年は「ひつじ辛抱」。大和では1949年から2014年までの日経平均年間騰落率で羊年上昇率は平均7.7%と十二支の中では下から4番目に低迷としているが、大納会に続き大発会も前場200円以上下落する場面があったなど早くもこの兆候?

ただ、昨年も「午尻下がり」の相場格言を跳ね返し上昇した事で、恒例の日経紙「経営者が占う」ではやはり証券系が年初安・年末高という金太郎飴予想が復活、経営者が選ぶ有望銘柄でもコア系がズラリと並び往年の風潮がより色濃くなっている。

一方でコモディティの方は供給不安を背景にコーヒー豆が約5割の上昇率でトップに、逆に原油は約5割の下落率で下落率2位となったが、既にこのコーヒーは先物市場からその姿を消している。何れにしても各マーケット、また業界含め今年も各所で展開される新たなドラマに注目してゆくこととしよう。

本年も宜しくお願い申し上げます。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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